昆虫が好きな子、
星が好きな子、
百科事典をまるまる記憶して
いるかのようにペラペラ
話せるお子さん。
大人だって知らないような
専門用語や難しい言葉を
好んで使いたがったりする子。
まだ3〜4才なのに、
「すなわちそれは〜」と
話し始めたり、
「僕から言わせると〜」など
いつも同じ切り口から話し始める子
(話し方のルールやこだわり)。
吃音×ASDタイプのお子さんは、
・年齢に合わないことば遣い
・自分の興味のある分野について
話し出すと止まらない
・逐一話す
・杓子定規
・思ったことを口にする
などの話し方の特徴があります。
こちらも個人差があるので
全部ピッタリ当てはまる
わけではありません。
このような話し方の特徴に
なるのはなぜかというと、
相手の立場に立って
考えるのが難しい
という脳の特性があるからです。
ここで少しASD研究の一つ、
脳の体積異常のお話を
ご紹介します。
脳の体積というのは、
年齢に応じて増減します。
ASDの子は、
生後1〜2年で「灰白質」
というところが急激に発達し、
思春期にピークを迎え、
穏やかに減って、
一般の子どもと同じ体積と
ほぼ同じになるという
研究報告があります。
その体積異常がみられるところが、
・表情のよみとりや、
共感することによって
人の感情を理解する扁桃体
・顔や視線の動きを読み取る
紡錘状回
・対人コミュニケーションで
情報処理の中心となる
内側前頭前野
・行動や運動の調整を行っている
小脳
・人の真似をすることを通じて、
共感や協調をする弁外部
などです。
ですから、そもそも空気を読む、
ということが苦手です。
先ほど紹介した、
「逐一話す」という特徴も、
「1人でバスに乗ってみて
どうだった?」
という質問に対して、
「バス停で待っていて、
15時25分にくるはずだったのに
2分遅れて15時27分にきたの。
バスに乗って、
前から2つ目の席に座って、
反対側におばあさんがいたから、
降りるときにあのおばあさんは
転ばずに降りられるかな?
って気になっちゃって…」
というように、
出来事を思い出しながら、
実際に起きた事を
逐一話をすることが多く、
話が長くなる傾向があります。
相手が何を知りがっているのか、
に想いをはせることが苦手ゆえに、
質問とズレたような返事に
なることもしばしばです。
だからと言って、まったく
空気を読まないのか、
というとそういうわけでは
ありません。
人への興味関心がないか、
というとそういうわけでも
ありません。
このタイプのお子さんは、
正義感が強い!
という特徴もあります。
社会のルールや正義を守りたい!
という想いが強いので、
周りを見回して困っている人が
いたら助けよう!
と常に気を張っている子もいます。
だからママや先生が困っていたり、
怒っていたりする理由が
正しく読み取れていなくても
その状況は許し難いのです。
なんとかしたい!
という想いから
クラスの子たちや兄弟たちに
正論をぶつけてしまい、
逆に嫌われてしまう、
ということも起きます。
このタイプのお子さんは、
成長とともに
自分の特性を理解して、
うまく付き合う方法を
身につけた方と、
そうでない方で生き方が
変わっていきます。
苦手攻略のために
無理やり教え込む方法だと
自信を失い、引きこもりがちに
なってしまうので、
まずは得意なところから
伸ばしていきます。
自信を育てて、
自分のちょっと苦手なところにも
卑下せず目を向けられるように
土台を作っておきます。
すると、
「僕/私、
空気読むの苦手だから、
人の話を聞いたら、
こういう意味?って
聞くようにしてるんだ」
など自分で対応法を
見つけ出すように
なっていきます。