吃音のある子どものことを、心配するママの気持ちは大きいですよね。きょうだいがいても、吃音のある子どもに目が行きがちで、特別扱いしているということはありませんか?そんな時の対応についてお伝えします。
吃音のある子どもばかりに目を向けるママ
吃音がある子どもに対するママの思いは様々で、中でも心配する気持ちが強いのではないでしょうか。

しかし、心配するがゆえに他のきょうだいへの注目や対応が薄れているということはありませんか?
ママは同じように接しているつもりかもしれませんが、無意識に関心が常に吃音のある子どもに向いてしまっているかもしれません。
ママの愛情が欲しい!きょうだいの不満
そんなママを見ている他のきょうだいは「どうして?〇〇ばっかりずるい」「ママは見てくれない」などママからの注目を受けられない不満を抱えてしまいます。
その不満は、さまざまな形で現れますが、吃音のある子どもに対する嫉妬として現れることもあります。

他のきょうだいが、わざと叩いたり、いじわるなことをしたりすると吃音のある子どもはストレスを感じて悪化してしまう要因になります。
わざと悪いことをして、ママの気を引くということも考えられます。
そして、対応に差があるというのは子どもに「ママは僕/私のことを好きじゃない」「他のきょうだいよりも、僕/私は大切な存在じゃないんだ」などという感情を与えてしまい、子ども達との愛着形成に影響を及ぼします。
愛着形成というのは、特定の人と一対一で結ぶ関係です。
いつからでも誰とでも結ぶことはできますが、まず最初に親と関わることが多いので、生まれてからの日々で、自分が親から無条件に受け入れられ、愛されている経験、実感を通して形成されます。
無条件の愛を注がれることで子どもは「自分は大切な存在なんだ」「自分は価値がある人間なんだ」「自分はここにいていいんだ」という感情を持つことが出来ます。
しかし、ママが吃音のある子どもばかりを特別扱いしていては、愛着形成ができずに家の中が混乱し、ストレスで吃音は悪化、ママはイライラ、きょうだいは荒れるという負のスパイラルに陥ってしまいます。
吃音のある息子に集中して神経をすり減らすママ
私には吃音のある息子がいて、息子には妹と弟がいます。
私は息子のことがいつも気がかりで、心配ばかりしていました。
色々な事から守ってあげたい、傷つく経験をさせたくないなどの思いが強く、頭の中は吃音のある息子のことでいっぱいになっていました。
息子の様子がいつもと違うと感じれば心配して寄り添い、荒れていると感じるときにはなだめたり、息子の言動に神経をすり減らしていたママでした。
そんな、吃音のある息子にばかり目を向けている私のことをよく見ているのがきょうだい達です。
吃音のある息子に集中しているために「ママ~!」とずっと私を呼んでいる声に気づかず、ほっぺを膨らませて怒りながら今にも泣き出しそうな娘と、半泣きで手を伸ばして、抱っこをせがんでくる次男をみて申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
愛情不足を感じているきょうだい達は、兄に嫉妬するようになり、私の膝の上に乗っている息子を娘が突き飛ばして私の膝の上に座ってきて、それを見ていた次男も真似して、娘を突き飛ばして膝の上に乗ってくるという「ママの愛情の取り合い」があったり、まだ言葉のしゃべれない次男は髪の毛を引っ張ったり、叩いたりして攻撃するようになりました。

吃音のある息子は、ストレスを感じて荒れて吃音が悪化していき、きょうだい達もストレスを抱えて荒れていき、みんなでママを求めている状況になりました。
吃音のある息子ばかりを心配して、色々な事から守ってあげたいと思っていましたが、逆にストレスを与えて悪化させてしまうという自分の想いとは裏腹な結果になってしまいました。
他のきょうだいに対して、気を配らない態度を取っていたツケがこのような形で表れたのです。
こんな状況に頭を抱えながら、原因は自分にあると反省し、自分の態度を改めようと気持ちを入れ替えました。
特別扱いはいらない!ママがすべき対応はコレだった
そこから、みんな平等に対応することを心掛けて過ごすように意識を変えました。
吃音のある息子も、きょうだい達もみんなに目を向けて関心を示しました。
順番と時間を決めて同じように膝の上に座る時間をつくったり、順番に声をかけていき、コミュニケーションをとるようにしました。
その時に「ママは○○くん(ちゃん)が1番大好きだよ!みんなには内緒ね!」という言葉をひそひそ声でみんなにささやきハグしました。
すると、子ども達からは笑顔が溢れて、本当にいい顔をしてくれました。
子ども達みんなに同じセリフをささやきましたが、誰が1番などと順位をつけることができない大切な存在なのでみんな1番です。
なので、決して嘘をついているわけではありません。
そして、子どもの行動の良かったところも同時に伝えていくと、さらに笑顔になり良いコミュニケーションが取れました。
この対応をしていくと、きょうだい達の不満がなくなり、吃音のある息子への嫉妬感情もなくなって、愛情不足が原因のケンカもなくなり、吃音も落ち着きました。

そして、私は考え方も変えました。
「吃音があるから」ということにとらわれすぎて、過保護になっていた自分を見つめなおしました。
吃音があることを、普通じゃないことと捉え、心配している姿を見せることは、息子に「自分は普通じゃない」ということを感じさせてしまっていると思いました。
特別扱いは、それを強調してしまうものになっていて「僕は上手くしゃべれないからママがいつも心配しているんだ」という思いを抱かせ、息子が吃音を意識するような環境を私が作っていたのです。
過保護で親がバリアを作っているうちは、吃音は良くなっていきません。
なので、特別扱いして心配するのではなく「吃音なんて気にしなくていいんだよ」というメッセージをどんどん息子に送っていこうと決めました。
吃音に対して過保護なママをやめて「ママがいるから、安心できる帰れる場所があるから勇気を出してやってみよう」という挑戦する気持ちをもてるように、息子やきょうだい達とのコミュニケーションの中でポジティブになれる肯定的な言葉をかけ信頼を築いていきました。
ママが特別扱いをやめ、信頼を作るコミュニケーションをとることで絆ができて、吃音のある子どもにも、きょうだい達にも愛着を育むことができます。
愛着があっても、ネガティブ感情から子どもを徹底的に守るということはできないのが現実で、それが人生です。
これから先、さまざまな苦しいこと、不満も感じることもあるはずですが、子どもに失敗や挫折の経験をさせないようにすることが正しいことではないですよね。
壁を乗り越えるのに必要な立ち直る力を子どもに育てていくことが大切です。
そんな時に、愛着はクッションのように、ダメージをやわらげて、乗り越える力になってくれるという働きがあるのです。
生きていくうえで必要な力です!
吃音を発症した時、言葉の教室や療育などに通うという選択をするママは多いと思います。
見過ごされがちですが、吃音を良くするうえで、親子のコミュニケーションで愛着を育てることはとても重要なのです。
つまり、吃音はママがおうちで良くすることができるということです!
完ぺきな対応なんて、できなくてもいいんです。
ママが一生懸命、子ども達に向き合おうとする姿を見せていけば子ども達は、気づいてくれます。
子どもたち皆に平等な愛情で、コミュニケーションをとることで愛着を作り、ストレスをなくし家族関係を良くして吃音を良くしていきましょう!
執筆者:広瀬つばき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

