1番でいたい!外では頑張り屋さんで家では動かない吃音×登園しぶりのある子どものこだわりを和らげる対応

お家で吃音をよくする対応
吃音×登園しぶりのある子どもが、園では1番にこだわり頑張っているのに、家では何もせずにダラダラな態度をとっているということはありませんか?ママとしては、疑問や不満な気持ちがありますよね。そんな子どもへの対応をお伝えします。

保育園とお家ではまるで別人に変身する子ども

吃音×登園しぶりのある子どもが、保育園ではしっかり者なのに、家ではダラダラ何もやらないということはありませんか?
 
 
園で先生から聞く子どもの様子と、家ではまるで別人のギャップにママは驚いてしまいますよね。
 
 
「本当なの?」と信じられないかもしれません。
 
 
 
 
同時に感じるのは、どうしてこんなにも違うのだろうという、子どもに対する疑問や不満ではないでしょうか?
 
 
ダラダラしている子どもを見て、どう見てもしっかり者には見えずにいら立ち、ママとしては園でできていることは、家でもやりなさいと言いたくなってしまいますよね。
 
 

1番にこだわる吃音×登園しぶりのある息子が背負うプレッシャー

私には、吃音と登園しぶりのある息子がいます。
 
 
当時、吃音はたまに出る程度で、登園しぶりも時々あるという状態でしたが、あまり気にしていませんでした。
 
 
朝、登園を嫌がることもありましたが息子は、保育園ではご飯を1番に食べきったり、お着替えも一番早く、お片付けを率先してやったり、教室に本が落ちていれば、自分が見た本ではなくても進んで本棚に戻したりして、先生からは「○○くんは、本当によく気が付いてくれる子ですね」「助かります」と言われていました。
 
 
しかし、家に帰ってくれば脱いだ靴下は放り投げリュックは玄関に置きっぱなしご飯はほんの少ししか食べず、お菓子を食べたごみはそのまま放置おもちゃで遊べば遊びっぱなしという状況でした。
 
 
そんな息子が「よく気が付いてくれる子」というのが信じられずにいました。
 
 
家でも動いて欲しくて「お片付けしようよ」「ごはんをしっかり食べようよ」など声を掛けますが、動きませんでした。
 
 
イライラしてカッとなって「保育園でできているんだから、家でもちゃんとやりなさい!」「お家ではなにもやらないじゃん!先生から聞いた話と全然違うよね、どういうこと?」と叱ってしまいました。
 
 
すると「保育園で頑張ってるんだから、いいじゃん」「保育園は疲れるんだよ、行きたくない」と涙目で息子が言い返してきました。
 
 
「保育園でも頑張って、お家でも頑張ったら疲れちゃうんだよ」と言って、泣きだしました。
 
 
泣いている息子を見て、冷静になり抱きしめました。
 
 
そして息子は「ママ、僕はもう1番取るの疲れちゃった」と本音を教えてくれました。
 
 
 
 
息子は、保育園で頑張って過ごす中で、1番であり続けないといけないという気持ちを背負ってしまっていたのです。
 
 
「1番じゃなくていいんだよ」と言うと「1番をとると、みんなが褒めてくれるし、ママも褒めてくれる」という言葉が帰ってきて、友達や私に褒めて欲しくて1番にこだわり続けていたんだと知り、涙が止まりませんでした。
 
 
息子に「ごめんね」と謝りながら、気がつかなくて申し訳ない思いでいっぱいでした。
 
 

頑張らなくていい!もっと大事なことを伝えるママの対応

息子の本当の気持ちを聞いた私は、気持ちを軽くしてあげるための対応をしていこうと決めました。

肯定をする

1番を取るのはすごいことで、たくさん褒めてあげたいですよね。
 
 
しかし、毎回1番を取らないといけないという考えになってしまうと、精神的なプレッシャーがかかります。
 
 
息子は1番を取らないと褒めてもらえない、認めてもらえないと勘違いをしていました。
 
 
それで、給食やお着替えの1番を取るために、一生懸命に1番を取る努力をしていましたが、そんな毎日に疲れてしまっていました。
 
 
そうなってしまった大きな原因は、にありました。
 
 
私はいつも息子が1番をとったときに「すごいね!頑張ったんだね」とたくさん褒めていました。
 
 
しかし、それ以外はあまり褒めていないということがありました。
 
 
この対応が、2番では褒められない、認めてもらえないという思いを、息子の心に植え付けてしまいました。
 
 
そこで気がついた事は、息子のことをよく見ていなかったということでした。
 
 
よく見てないので「1番という言葉」に反応して褒めるということしかできなかったのだと感じました。
 
 
1番を取った日と、そうでない日のギャップに息子は「1番」にこだわり続けるという重すぎるプレッシャーを抱えていました。
 
 
保育園で1番を取ることだけが、目的になっていた息子は疲れてしまっていました。
 
 
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
 
 
なので、1番でなくても、行動を褒めるという事に力を入れました。
 
 
何気ない行動をしている時に、肯定して認めてあげるということをしました。
 
 
子どもが朝起きてきたときに「おはよう、起きてきたね」と肯定したりご飯を食べ始めた息子に「おいしそうに食べてくれるから嬉しいよ」などと、やっていることをそのまま褒めていきました。
 
 
常に肯定することで、息子の1番にならないと褒められないという思いを変えていきました。
 
 
そして「1番を取る日もあったり、そうじゃない日もあってもいいんだよ」「一番じゃなくても、○○くんが頑張ったことがすごいんだよ」と教えると、笑顔で「うん」と言ってくれました。
 
 
1番には、いろいろな1番があることも息子に教えました。
 
 
給食を食べる事や、お着替えのような目に見える1番もあるけれど、目には見えない優しさや思いやりなどの気持ちの1番というものもあるということを伝えました。
 
 
そして息子に「ママは○○くんの1番をたくさん知ってるよ」「○○くんはママにとって1番大切なんだよ」ということも伝えました。
 
 

「頑張って」と言わない

 頑張ってというのをやめました。
 
 
私はいつも息子に「保育園、頑張ってね」と言って、教室の前で別れていました。
 
 
お迎えに行くと「頑張ったね」といって褒めて「また明日も頑張ろうね」という毎日でした。
 
 
「頑張って」という言葉は、なんだか無理をしないといけないような伝わり方をしたり、それがプレッシャーにもなって、子どもを苦しめてしまうこともあると思ったので言葉を変えました。
 
 
「いっぱい遊んできてね」といって教室の前で別れるようにしました。
 
 
吃音のある子どもは、ストレスを抱えると吃音が悪化しやすくなります。
 
 
プレッシャーを感じると、心にズシっとストレスがかかって、気持ちを不安定にして吃音を悪化させてしまうことがあります。
 
 
「今日は1番取れるかな」「今日は1番とれなかった」などという不安や落ち込む気持ちはすぐになくしてあげたいものです。
 
 
そして、ストレスは登園しぶりも悪化させます。
 
 
ストレスを取り除いて、子どもの心を軽くしてあげるということは、とても大切なことです。
 
 
幼稚園、保育園は子どもにとっての小さな社会です。
 
 
小さな社会の中で学び、子どもなりに気を使い、一生懸命に適応しようと頑張っています。
 
 
そして保育園で頑張っている分、家ではママにたくさん甘えたり、気持ちの充電をしたいとなるのは自然なことです。
 
 
 
 
その気持ちを理解して、家ではたくさんコミュニケーションやスキンシップを取って、子どもをリラックスさせてあげましょう!
 
 
お家で気持ちの充電をするということも、とても重要です。
 
 
息子の1番へのこだわりをなくしていくと、家で充電切れになって動かないということもなくなり、肯定することで行動が増えていきました
 
 
子どもの普段の行動を無条件に認めてあげることで、プレッシャーを感じながら頑張りすぎてしまう毎日を卒業して、ありのままの自分を褒めてもらえるという喜びで心を満たし、吃音と登園しぶりを良くしていきましょう!
 
 
執筆者:広瀬つばき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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