お友達に手が出るトラブル発生!小学校入学という環境変化で見えてきた吃音のある子の「衝動性」を上手にコントロールしたコツ

進級・進学

 

環境変化によって、今までなかった「お友達に手を出す」など「衝動性」が絡んだお悩みが出てくることがあります。今回は、言い聞かせても効果がなく、同じことを繰り返していた吃音のある小学生男子が衝動をコントロールしてトラブル0になった方法をお伝えします。
 
 

突然、手を出すようになった吃音のある子に潜む「衝動性」という特性

小学校に入学してまもない頃は、親子ともども新生活に慣れるのに必死で、慌ただしくしていることと思います。
 
 
そんな中、学校のお友達にすぐに手が出てしまい、時には“けがをさせてしまった”ことで学校から連絡が入るようなことがあると、ママは気が気ではありませんよね。
 
 
手を出すのはいけないとわかっているのに、「すぐに手が出る」という行為がなかなかやめられない場合、注意欠陥多動症(ADHD)という脳タイプがうっすらあるお子さんかもしれません。
 
 
この脳タイプの子は、手が出るだけでなく、感じたことや自分の思い浮かんだことを、すぐに行動に移したくなるのが特徴です。
 
 
気持ちや行動のブレーキが効きにくい特性ともいえます。
 
 
自分でもコントロールができずに困っているのです。
 
 
 
 
このような行動には、脳の働きが関係しており、脳には前頭葉という感情や行動のコントロールを担っている部分があります。
 
 
ADHD傾向の子どもは、この前頭葉の発達がゆっくりであるため、感情や行動をコントロールしにくく、我慢するのが難しいのです。
 
 
だから衝動的な行動をとってしまうことがあります。
 
 

困りごとを先に解決するから吃音も治りやすい

わが子が学校で「お友達にけがをさせた」と聞くと、親としてはつい感情的に注意してしまいがちです。

 
 
ですが、
 
 
「感情的に叱る」
「子どもの意見を聞かずに一方的に言い聞かせる」
 
 
などの対応は、衝動タイプの困りごとを解決に導くどころか逆効果となってしまいます。
 
 
 
 
また、これらのネガティブな対応子ども自身にストレスをかけて自信を失っていき吃音も悪化しやすくなります。
 
 
困りごとを根本的に解決するからこそ、子ども自身もストレスがなく子どももママも自然と笑顔になれる、まさに吃音も治りやすい環境が整っていくのです。
 
 

入学して早々立て続けにトラブルが発生した

Play Talk LabのチームメンバーのNさんは、お子さんであるN君が入学して早々、立て続けに起こる“お友達に手が出るトラブル”に悩まされていました。

 
 
バス通学のため、密集しているバス停で同級生の手が当たったときに、N君は瞬時に「やられた」と感じて同じことをやり返し、どんどんエスカレートして最後には同級生の腕を引っ掻いてしまうできごとが起こりました。
 
 
その場で先生が仲介し、先生の説得によりN君は最終的には悪いと謝ることで、その場はおさまりましたが、Nさんはまた同じようなことが起きたらどうしようと心配されていました。
 
 
 
 
また別の日に、学校にお迎えにいった日には、 担任の先生から、集団下校の密集していた状況で隣のクラスの子と揉めて、その子を引っ掻いてしまったと報告を受けました。
 
 
NさんはN君に、お友達の手が飛んできても、わざとやっているわけでも、攻撃しようと思ってやっているわけでもないことなどを説明して話をしましたが、同じようなことが度々起こりました。
 
 
Nさんは、相手のお子さんや親御さんに申し訳ない気持ちと、どうしてうちの子は手を出してしまうんだろう、どうして同じことを繰り返すんだろうという思いが巡り、早くこの状況を何とかしないといけない、と不安と焦りでいっぱいな様子でした。
 
 
そこで、Nさんが衝動性に対する対応を学び実践し、学校の先生と連携することで、N君のすぐに手が出る衝動性をコントロールできるようになったのです。
 
 

学校と連携してすぐに手が出るのをコントロールできるようになった方法

Nさんが実践した、トラブル0になった方法をご紹介します。

 
 

発達科学コミュニケーションのカウンセリングモードで子どもの気持ちを引き出す

発コミュには「カウンセリングモード」という会話術があります。

 
 
相手が落ち込んでいる、悲しんでいる、怒っている、悩んでいるなどのネガティブな感情の時に、相手の本音を上手に引き出す会話術です。
 
 
衝動的に手が出てしまう子の場合は、特に、悪いとわかっていても体が勝手に動いてしまったということが多いので、自分で自分を責めていたり、手を出したことで怒られてしまって 、本音が言えずにため込んでしまうこともあることから、このカウンセリングモードで話を引き出すことが重要になります。
 
 
 
 
今回は、簡単にその方法をお伝えします。
 
 
まず、お互いに冷静になっている時に行います。
 
 
カウンセリングモードで子どもから事情や子どもの気持ちをアウトプットさせますが、このとき、子どもがどんな言葉、態度で言ってきても否定も肯定もしない態度で接するのがポイントです。
 
 
返しに困った時には
 
「ふ〜ん、そう思ったんだ」
「そっか〜、そう感じたんだね」
 
 
といった対応がベストです。
 
 
すると、
 
・やってはいけないことだとわかっている
・わざとじゃなくても、ぶつかったら謝らないとダメだ
 
 
など、子どもが思っていることや本音を聞くことができ、そうすることで子どもは気持ちを落ち着かせる事ができます
 
 
また子どもが発する言葉が解決策のヒントにもなります。
 
 

手が出てしまいそうな時の対策を子どもと確認する

手が出てしまいそうな時はどうしたらいいか、N君と話しました。

 
 
N君の場合は、
 
(1) やり返しはしない
(2) 学校だったら先生、家だったらママか大人に教える
 
 
ホワイトボードに上記の約束事をかき、目に入りやすい冷蔵庫に貼っていつでも確認できるようにしました。
 
 

担任の先生と連携する

N君の衝動性に関しては、帰りのバス待ちの時間など起きやすい場面がはっきりしているため、担任の先生が隣で一緒にバス停で待つ対応をしていただき、何かあった時にはN君が先生に報告に行ける体制を整えました

 
 
そうすることで、すぐに手が出てしまうことはなくなっていきました。
 
 

担任の先生と子どもの信頼関係を築く

担任の先生には多忙な時間にも関わらず、対応してくださり感謝していることを、電話でもお会いするたびにでも肯定の声かけでコミュニケーションをとり、まずは親であるNさんと先生の信頼関係を築きました。

 
 
 
 
また、N君が頑張った様子を連絡帳に記載し、先生からの肯定的な関わりがN君の自信になることを伝え、一言で良いのでN君の頑張りを褒めてほしいことを伝えました。
 
 
すると、これらを実践してくださる先生とN君との間に信頼関係が生まれ、子どもが何か困った時には躊躇することなく先生に助けを求めることができるようになり衝動性のコントロールができるようになりました
 
 

子どもの自信を育てる

環境を調整すると、子どもは手が出るのをコントロールできるようになり成功体験をつかむようになります

 
 
「お友達が○○してきたけど、やり返ししなかったよ!」と子どもが報告してきたら、逃さず肯定しましょう。
 
 
子どもは失敗体験が続くと自信を失っていきます
 
 
このような成功体験は自信を回復させる体験になるため、成功体験後の肯定の声かけを十分に行っていきましょう。
 
 
学校でのトラブルは、私たち親の目の届かないところで起こっているからこそ、学校の先生との連携がとても重要になります。
 
 
まずはママが一歩踏み出して、先生と子どもの信頼関係を築くところから始めてみましょう。
 
 
子どもにとって居心地の良い環境を作ることが、困りごとを解決していく一番の近道になりますよ。
 
 
執筆者:ライター はせがわかすみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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