苦手なことを避ける吃音のある娘
筆者には吃音がある小学生の娘がいます。
吃音だけではなく苦手なことは癇癪を起こしやすい娘。お買い物に一緒にいくのが苦手で、近隣のスーパーでのお買い物にはついては来ず、お留守番することを選びます。
ところがある日コストコへお買い物に行くことになりました。私も夫もお義母さんも大好きなコストコ、気持ちが高まります!と同時にお買い物時間が苦手な娘・・・片道1時間以上なのでお留守番は難しいです。
私はせっかくのこの機会を活用し娘の「苦手」を「楽しい」に変える挑戦をしました!苦手はいわゆる「ストレス」がかかっている状態です。吃音悪化の原因「ストレス」を取り除いてあげて、吃音が良くなる脳の土台をつくっちゃいましょう!
要望が止まらず癇癪へ発展する小学生✖️吃音っ子
今まではお買い物に行くと、娘は途端に不機嫌になり「喉乾いた」「お腹すいた」と要望が止まらなくなり、すぐに対応しないと癇癪を起こしていました。もしくはきょうだいでテンションが上がり、他の方に迷惑をかけてしまうほどでした。
これは、脳の中で感情が暴走している状態なので、吃音が良くなるわけがありません。小学生になり留守番ができるようになると、家で留守番を選択するようになり、一切お買い物にはついてこなくなりました。
ストレスの原因が分かれば吃音が良くなる土台が育つ
親の買い物の付き添いは、子どもからすると必ずしも楽しい活動ではありません。好きなことや楽しいことなら、歩くことも選ぶことも楽しいと思えるので苦痛ではありませんが、特に好きではないことのために歩くことや選ぶことは苦痛です。
要は「退屈」なんです。
であれば、退屈な時間を少しでも楽しいと思える時間に変えることができたらたくさん歩くことも苦痛と思わなくなります。
娘の場合は「退屈」とは言わず、今までなんともなかったのに、急に「喉が渇いた」「お腹すいた」という要求が始まっていたのです。退屈なのでお口が寂しいということに気づきました。
苦手・ストレスの原因が分かれば、脳の暴走が落ち着き吃音が良くなる土台ができます。
小学生吃音×癇癪っ子の退屈をしのぐ魔法のお菓子で苦手なお買い物が克服できた!
これには飴作戦が効きました!飴は甘いので空腹を紛らわし、長く口にいてくれるのでとても良いお菓子です。飴や飲み物のおかげで娘は満たされたので退屈ではなくなり、このお買い物中癇癪はありませんでした。
それだけではなく、なんとお手伝いをしてくれました!コストコの大きなカートを一緒に押してくれたのです。「このカート、重いねー!」「エイヤー!」と掛け声を出して笑いながら買い物ができました。
そして2歳の息子のお世話もしてくれました。歩きたくて泣いていた息子を追いかけたり手を差し出し優しく声をかけてくれたりたくさん助けてもらいました。私は「ありがとう」と感謝の気持ちを娘に伝え、より良い時間を過ごすことができました。
今までは癇癪を「退屈」と見抜けず「なんでお買い物の時すぐにわがままを言うんだろう」と私もイライラしていましたが今ではお買い物を一緒に楽しむことができています。
癇癪がグッと減ったことで、吃音が徐々に落ち着いてきました。
苦手を克服したことで吃音×小学生の行動力が加速!
この日から娘は人が変わったように行動力が加速し続けています。
一番驚いたことは「今度の休み、お魚を焼くところを一緒に綺麗にしよう」と言ってきてくれました!!なんでそこの掃除が一番大変で億劫なことを知っているんだ!?とびっくりしましたが、
休みの日や隙間時間はゲームに明け暮れている娘からの提案は本当に心から嬉しく「そんな風に思って伝えてくれることが一番のありがとうだよ」と、伝えました。
このように、吃音の悪化要因「ストレス」を取り除きたくさん褒めると、子どもの行動力はグーンと加速し、吃音が良くなる脳の土台が出来上がります。一見吃音治療に関係ないように見えますが、癇癪にフォーカスし対策をすることは吃音を良くする上で非常に大事なことです。
流暢に話せる時が長くなればなるほど吃音が良くなる日が近くなりますよ。癇癪の原因は意外と簡単なもので対策できるものが多いので、ぜひ置き換えて実践してみてくださいね!
執筆者:いわもとあさな
(発達科学コミュニケーショントレーナー)