本人がどもることを気にし始めてからの対応で良いのか遅いのか問題

吃音

個別相談でよく聞くお話の中に、
「本人が気にして
いなかったので、
気にし始めたら何か
対応しようと思っていました」
というものです。

吃音治療ガイドラインでも、
発症1年間は様子をみる、
となっていますから、
お母さん達がそう思っても
無理はありません。

では、ちょっと想像
してみてください。

生まれながらにして
髪の毛が青い子がいたとします。

小さいうちは、
本人も気にしていなかったので
対応していなかったら、

大きくなり、
お友達との違いに気づいて、
「なんで私の髪だけ青なの?」
と気にし始めたとします。

そうなってから
「それはあなたの個性よ。
気にしなくていいんだよ。」
と言われて、

「そっか!
気にしなくていいんだ!」
とすぐに切り替えられる子
ってどれぐらいいるでしょう?

気にし始めた頃には、
「髪の毛の色」というものに
対して脳が意識する
ネットワークがつくられて
しまっているので、

どこに出かけても
誰にあっても
まず人の髪の毛の色が
気になるようになるものです。

思考の癖
がつくものです。

そうやって人は
「価値観」をつくって、
育っていくからです。

つまり、
髪の毛の色や、
自分の話し方の違いに
気づく日が来た時に、

本人が間違って
ネガティブに捉えないように、
事前に準備をしておくことは
大事だということです。

子ども達は
2歳や3歳のように
どんなに小さくても

今、
「ト・ト・ト・ト・トマト」
ってなっちゃったな、

と気づいていることが
ほとんどです。

それを良い話し方・悪い話し方と
ジャッジはしていない時期に、

「ト・ト・ト・・、
ってなる時あるよね。

子どもの中には、
言葉を覚える時期に
そういう話し方になる子が
いるんだけど、

大きくなるにつれて
よくなるから
気にしなくて大丈夫だよ」

と、知らせておくことは
しておいていいんです。

すると、こんな質問が
返ってくることがあります。

「それまで本当に
気にしていなかったのに、
私がそんなことを言うから
気にし始めるってこと
ないですか?」

これは、やり方を表面的に
捉えてやってみただけの人には
起こり得ることです。

この親子の会話が成功するには、
吃音のことだけ、
腫れ物を扱うように
特別なことのように話すのではなく、

その他のことでも
お母さんの態度が
一貫していることで、
お母さんの言葉がスッと
子どもの脳に届くように
なるんです。

例えば!

牛乳をこぼされたら
うんざりするほど
いやですけど、

「こぼしちゃったんだ。
どうする?」

って動じずに対応して
ほしいんです。

子どものうちはまだ
牛乳を注ぐって難しいよね、
繰り返し練習すれば
できるようになるよ!
大丈夫!
どんどんチャレンジしな!

という態度で、
子ども達がミスや失敗をしても
「伸び代いっぱい!」
って成長を信じる姿を
見せていることが重要です。

だから、お母さんが
子どもの発達について
詳しくなっておくと
お得なんです!

子どものできないことが
目についても、

「できない」
に目が向くのではなく、

その中でもどこまで
「できるように
なってきている

ところはどこか」
という視点でみることが
できるようになっていくからです。

吃音は、
本人が気にし始めるか
どうかではなく、

発症した時から、
ネガティブ脳に
ならないための対応
始めるのが1番です!

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