吃音の問題の大きさを
言葉×心理×社会
の3つの辺に例えて、
体積で表した、
立方体モデル
というものがあります。
その中の
「社会」の辺
についてお話しします。
社会というのは
他人の反応や、
その子が置かれている
環境でどんな価値観が
大事にされているか、
による影響を指します。
例えば、どもった時に
誰も笑ったり、
からかったりしたことは
ないけど、
ジッと口元を見られた、
相手の表情が少し変わった、
ということに気づいて
しまう子は、
「やっぱりみんなと
違う話し方だから
おかしいんだ…」
と解釈してしまい、
話し方に対して
ネガティブな価値観を
持ってしまうこともあります。
また、その子の周りが
しつけに厳しく、
きちんとしなさい
ちゃんとしなさい
と完璧を求めるような
言葉掛けが多いと、
みんなと同じように
スラスラ話せないのは
よくないんだ、
とネガティブな価値観を
持ってしまうことが
あります。
その結果、
この社会の辺は長くなり、
吃音の問題が大きくする
原因になります。
そこで、今では、
「合理的配慮」
ということが勧められる
ようになりました。
園や学校に上がる時、
学年が進級する時、
どもることを
からかったり
笑われたりしないように、
どんな対応をしてほしいか
子どもに関わる人に
知ってもらう、
ということです。
合理的配慮をしてもらうことに
引け目を感じてしまう親御さんも
多くいますが、
それは不要なことです。
なぜなら、
吃音に対するマイナスの対応
というのは、
吃音のことを知らなすぎて
悪意なくしてしまうことが
ほとんどだからです。
人は知らないもの、
初めてのものに
注目したり、警戒したり
するものです。
はじめから知っていれば
注目や警戒をしなくなるので
相手にとっても親切なことです。
ただし、やり方には
注意が必要です。
まず、
本人がそれを望んでいるか、
あるいは、
受け止められるかどうかです。
本人が「誰にも言わないで!」
と言っているのに、
「合理的配慮してもらった方がいい!」
と大人の解釈だけで
突き通すのは危険です。
吃音のある子と
親子・先生の間の
信頼関係に関わるからです。
そんな時は、まずは、
「先生だけに知っておいて
もらうのはどう?」
とワンクッション挟みます。
クラスの中で、
一人でも吃音のことについて
知っている人がいる、
理解してくれる人がいる、
必要な時には助けてくれる
人がいる、
と安心できるだけでも
違ってきます。
合理的配慮は、
子どもの気持ち最優先!
やり方は一つではないので、
先生と相談して
勧めてください!
ただし、私は、
合理的配慮だけでは
難しい…、
と感じている一人です。
そのことについては
また明日、
お話します!
では^ ^