吃音×登園しぶりのある子どもが、「ママが言って」といって自分で言わないということはありませんか?自分で言って欲しいというのがママの本音ですよね。そんな子どもへの対応をお伝えします。
「ママが言って」という話すことに不安を持つ子ども
吃音×登園しぶりがある子どもが、自分で言うことを避けて「ママが言って」と言ってくることはありませんか?
そんな子どもを見ていると、心配になったり、言ってあげることが正しいのか迷ってしまう気持ちがありますよね。

この先を考えると、自分で言わせたいけれど、無理に言わせて子どもがどもることで、さらに内気になってしまうかもしれないと思うとママの気持ちは揺れてしまいます。
「ママが言って」は自信のなさを表しています。
自分で言うことを最初から諦めている状態は「上手く話せないだろう」「僕には無理だ」という思いから喋らないという選択をしているということです。
吃音×登園しぶりのある息子が吐いた弱音
私には吃音と登園しぶりのある息子がいます。
友達や家族など親しい人とは、会話ができていましたが、それ以外では「ママが言って」と話しかけることはできませんでした。
コンビニに行った時、肉まんが食べたいという息子でしたが、自分で言う勇気を持てずに「ママが言って」とわたしに言ってきました。
「自分で言ってみればいいのに」「自信を持ってよ」と心の中で思いながら、そんな息子を見ているとチャレンジしてほしい気持ちと心配の両方の思いがありました。
ある日、また肉まんが食べたいけれど「店員さんにはママが言って」という息子に「今日は○○くんが、お話ししてみようよ」と声をかけてみました。
すると「言えないよ」という弱気な声が聞こえてきて、不満に感じた私は「ママは今日言わないよ、自分で言って」と突き放してしまいました。
すると「言えないの!言えないの!」と言って怒り出し、「言ってごらん」というと「僕は言えないからママにお願いしてるのにどうして言ってくれないの?」「ママなんて大嫌い」と言われてしまいました。

「できるよ!」と言っても下を向いていて、無視されてしまいました。
私は、息子にチャレンジさせたい気持ちから言ってしまいましたが、無理に言わせようとしてしまい、そんな私の思いは届かずに、さらに話すことをイヤにさせてしまいました。
そして、結局いつものように、私が店員さんに伝えて、肉まんを買うという結果になりました。
この時、自分には出来ないと決めつけている息子の姿が悲しく、悔しくて、どうにかして「話す」楽しさを感じさせてあげたい、できるんだよということを息子に教えてあげたいと思い立ち上がりました。
「自分から」言いたくなる!子どもに自信を育てる対応
私がやった対応は、息子に好きなことを見つけてあげるということです。
図鑑を買って一緒に読んだり、スポーツに関する動画を一緒に見て興味を持ったサッカーを一緒にやったり、料理やお菓子を一緒に作ったり、アニメなどいろいろな番組や本を見ながら時間をかけて息子の「好きなこと」を探していきました。
興味を示したものをやってみるという方法で、息子の「やりたい」気持ちが少しでも動いたものを一緒にやりました。
その中で1つ、「好きで夢中になれるもの」を見つけることができたら、その夢中になれるものをとことん、やらせてみるということをしました。
好きなことをするとき、子どもは目をキラキラと輝かせます。
息子の見つけた好きなものはカードゲームでした。
好きなことを見つけると、いくつもの変化が現れたのです。
好きなことができるまでは、息子はよく登園を嫌がっていましたが、週末にカードを買うというご褒美の楽しみをつくることで、目標を持って毎日楽しく登園できました。
以前は、妹が風邪で休む日は「行きたくない!」と騒いでお休みすることもありましたが、それもなくなりました。
そして、ついに「ママが言って」といっていた息子が、カードがほしい気持ちから、自分から店員さんに「ポケモンカードはありますか?」ときけるようになりました。
「言えない」が「言いたい」に変わった瞬間でした。
さらに、買い物中に私が欲しい商品がどこにあるかわからず探していると「僕が店員さんにきいてあげるよ」といって自分から話しかけられるようになったのです!

好きなものを通じて、積極性がついて知らない人とのコミュニケーションをとれるようになりました。
好きなことには、自分を突き動かす力があるんだなということを実感して感動した瞬間でした。
脳は、好きなことをしているときに発達します。
やらされているのではなく、やりたい気持ちがとても大事です。
もっとたくさん知りたいという思いから、キャラクターの名前をどんどん覚えて、バトルをするために数字に興味を持ち、全く数が分からない状態でしたが、数のことをわたしに聞いてきて、足し算を勉強したり、バトルをするために、文字を読めるようになりたい気持ちも芽生え、ひらがなについても興味を持ち勉強を始めました。
1つの好きなことから、どんどん息子の興味が広がっていき、好きなことをもっと理解して、楽しむために「やりたい」と、心の底から湧き出る興味と行動力に驚きました。
そして、自分で言えたことで話すことに対する自信もついています。
好きなことは、苦手な話すことへの壁を突破する勇気をくれたり、子どもの視野を広げてくれます。
子どもが見ているのは小さな世界です。
ママが「もっと楽しいことがあるよ」「まだ知らない面白いことがたくさんあるよ」と、一緒に好きを見つけてその世界を広げてあげることで、子どものワクワクを作り、子どもの世界はガラッと変わります。
好きなものを見つけて興味を広げていき、子どもに「できた」をたくさん作って、吃音×登園しぶりのある子どもが自信を持って、自分から話したいという気持ちを育てていきましょう!
執筆者:広瀬つばき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)


