不安の強い吃音のある小学生が朝動けないとき、親が判断に迷う理由と関わり

お家で吃音をよくする対応
朝、子どもが立ち止まると「行かせる?休ませる?」と迷っていませんか?その迷いは子どもの不安や吃音を強めることがあります。判断が揺れる理由と、落ち着きを取り戻す関わり方を紹介します。
 

不安の強さと吃音のある子への対応に「どうしたらいいか分からない」と感じるワケ

 吃音のある我が子から、「今日は休みたいな」と言われた朝。
 
 
元気そうに見えると、「行かせた方がいいのかな」「それとも休ませた方がいいのかな」と迷うことはありませんか?
 
 
不安そうに見えるときは、無理をさせているかもしれないと心配になり、元気そうに見えるときは、甘やかしになっていないかと不安になる。
 
 
そして、「この先も同じことが続いたらどうしよう」という気持ちが重なって、判断がさらに難しくなっていきます。
 
 
ここで起きているのは、「どっちが正しいか」を探そうとしている状態です。
 
 
実は、不安のある子どもの行動は、 日によって違ったり、同じ朝でも変わることがあります。
 
 
そのため、「行かせるのが正解」 「休ませるのが正解」という一つの答えを見つけようとすると、判断はどんどん揺れていきます。
 
 
つまり、迷っている原因は子どもの状態ではなく、 親の中に「判断の軸」がまだはっきりしていないことにあります。
 
 
私もそうでした。
 
 
 
 
判断の軸がないまま考えると、 正解を探し続けたり毎回迷ってしまったり自信が持てないという状態になりやすくなります。
 
 
そしてこの迷いは、言葉にしなくても、 空気として子どもに伝わります。
 
 
その結果、子どもも、 どうしたらいいか分からないどう動いていいか迷うという状態になり、不安や吃音が強く出やすくなることがあります。
 
 
だからこそ大切なのは、正しい答えを出すことではなく、 判断の軸を持つこと です。
 
 

子どもが考えられるゆとりにつながる!ママの関わり

不安が強い子は、「次に何が起きるのか」を想像できるときに、自分なりに考え、選びながら動きやすくなります。

 

 

一方で、周りが慌ただしいとき、大人が迷っている様子が伝わるとき、子どもはそちらに意識が向き、 自分のことを考える余裕を、失いやすくなります。

 

 

その結果、行くのか、行かないのか。 頑張るのか、休むのか。を考える前に、頭の中がいっぱいになってしまいます。

 

 

 

 

この「考えられない状態」は、 不安をさらに強めるだけでなく、話すためのゆとりも奪ってしまいます。

 

 

本来、話すときには言葉を選ぶ。気持ちに合う表現を探す。といった処理が必要です。

 

 

しかし、考える余裕がない状態ではこの処理が難しくなり、吃音が強く出やすい状態につながっていきます。

 

 

ここで見逃したくないのは、この状態は、その場だけで終わらないということです。

 

 

「考えられない」「言えない」状態が続くと、 とりあえずやり過ごす。今は言わない。という選び方が増えていきます。

 

 

そして少しずつ、言わない方が楽、黙っていた方がいいという感覚が積み重なり、 「どうせ伝わらない」という思いにつながっていきます。

 

 

だからこそ大切なのは、強く出てから変えることではなく 積み重なる前に関わりを整えることです。

 

 

ここで意識したいのは、雰囲気そのものではなく、 ママの関わりです。

 

 

雰囲気はつくるものではなく、関わりの中から自然とにじみ出るものだからです。

 

 

ママの関わりが落ち着くと、子どもは急がなくていい。迷っても大丈夫。と感じやすくなります。

 

 

その中で、 考えてみよう、話してみようというゆとりが生まれていきます。

 

 

この積み重ねが、考える力や、話すためのゆとりを支え、吃音が強く出にくい状態の土台になっていきます。

 

 

焦る時ほどすぐに答えを出さないことで、子どもの行動を引き出せる関わり

我が家には、先のことを心配しやすく、不安が強くなりやすい吃音のある小学生の息子がいます。

 

 

息子は、ちょっとした失敗を引きずりやすく、同じことにならないために、あえてやらない選択をすることがありました。

 

 

そんな日常の中で、私自身も「どうしよう」と焦る瞬間があります。

 

 

ある朝、家を出る準備をしているときに、「休もうかな」と言い始めたことがありました。

 

 

正直、「どうするのか早く決めて」と言いそうになりました。

 

 

 

ですが、そのとき、 焦っているのは“子ども”ではなく “自分”だと気づきました。

 

 

このまま急かしたら、子どもは考える余裕を失いとりあえずやり過ごすか、動けなくなるそんな状態になることが浮かびました。

 

 

そこで一度立ち止まり、 「今、本当に急いで判断する必要があるのか?」を自分に問い直しました。

 

 

すると、子どもの状態と自分の不安を分けて見られるようになりました。

 

 

「子どもは今、何に困っているのか」「私は今、何を怖がっているのか」同じに見えていた不安を整理することができました。

 

 

すると、 「休ませる・行かせる」という二択だけではなく、 どう関わるかという選択が見えてきました。

 

 

そのおかげで、 急かさない。 まず落ち着いて関わるという選択ができました。

 

 

そのことで、子どもは少しずつ表情がゆるみ自分でどうするかを考え始めました。

 

 

ここで実感したのは、 先に判断を出すことよりも、 子どもが考えられる状態をつくることの方が先だということです。

 

 

時間がないときほど、 早く決めなきゃ。 早く動けるようにしなきゃ。と思いやすくなります。

 

 

でも実際には、 判断を急ぐほど、 子どもは考えられなくなることがあります。

 

 

だからこそ、 先に整えるのはママの気持ちの整理です。

 

 

ママ自身が落ち着くことで、 雰囲気が変わり、 子どもも落ち着くことができ、 自分で選べるようになっていきます。

 

 

この「落ち着いた状態に戻れる感覚」が、不安が強いときでも動ける力を少しずつ育てていきます。

 

 

ママが子どもの不安への対応に迷ったときに使える3つのポイント

頭の中がどうしようでいっぱいになってしまっている時にこそ、大切にしているポイントを3つご紹介します。

 

 

1 時間を決めて待つ

「今すぐ決めなければいけない」と感じるときほど、まだ判断できる材料が揃っていないことがあります。

 

 

そんなときは、「あと5分だけ様子を見る」と、時間を区切って立ち止まってみてください。

 

 

 

 

この時間が気持ちに余裕を持たせ、子どもの表情の変化に気付けたり、今いちばん困っていることが浮かび上がったり、ママの焦りが少し落ち着くような変化が起きることがあります。

 

 

2 不安を切り分ける

子どもが不安そうなとき、ママの中にも「このままで大丈夫かな」「あとで困らないかな」という不安が浮かんできます。

 

 

この2つが混ざったままだと、何に対応すればいいのかが分からなくなり、 判断がますます難しくなります。

 

 

そこで一度、「これは子どもの不安?」「それとも私の不安?」 と、心の中で分けてみてください。

 

 

子どもの不安が整理されると、今、何を支えればいいのかが見えやすくなります。

 

 

同時に、ママ自身の不安も、少し距離を取って扱えるようになります。

 

 

3 正解を探さない

判断に迷うときほど、「どっちが正しいんだろう」と正解を探してしまいがちです。

 

 

ですが、その時その時で状態に合った選択は違ってくることもあります。

 

 

大切なのは、一度決めた選択に縛られすぎないこと。

 

 

正解を探すよりも、今の状況にあうものを探しながら進める親子関係をつくることが、不安と向き合う力を育てていきます。

 

 

子どもが立ち止まる朝、ママが迷うのはとても自然なことです。

 

 

それでも、 「今は判断できない状態かもしれない」そう立ち止まれるようになったことで、 親子の空気が、少しずつ変わってきました。

 

 

今、必要なのは「正しい判断」ではなく、判断できる状態に戻ること。

 

 

ママがその状態に戻れたとき、子どももまた、考えて選べるところへ戻っていきます。

 

 

安心して選べるゆとりがある状態が、吃音を落ち着かせるベースになります。

 

 

お子さんが立ち止まった時、ママが深呼吸をしてまずは自分を整えてみることで、少しほっとできるかもしれません。

 

 

頭のモヤモヤが少しずつ晴れて一緒に考えるゆとりがうまれてくることもあります。

 
 
執筆者:こじま さとこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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