ある場面を想像してみてください。
あなたが毎日している家事に対して、ご主人様やお姑さんから、
「予定忘れないようにちゃんと管理してね」
「汚れ残らないように気をつけて掃除してね」
「頑張れば、ちゃんとできるようになるよ」
と優しく、笑顔で言われ続けたらどうですか?
素直な方は、最初は、「その通りだな」と思う方がいるかもしれません。けれども、それが毎日続いたら、
・失敗しないようにしなきゃ
・ちゃんとやらなきゃ
・頑張り続けないといけない
そんなふうに、少しずつ感じ始めると思いませんか?

そして気づいたら、
「できていない自分はダメ」
「ちゃんとできないなら
やらない方がいい」
そんな気持ちが、心(脳)の中に育っていくと思いませんか?
実はこれ、子どもにも同じことが起きています。
「忘れ物しないように前日に確認しなさい」
「こぼさないように気をつけなさい」
「頑張って練習すればできるようになるよ」
どれも正しい言葉です。
けれども、ことばの発達が途中の吃音・ことば・発達グレーの子ども達にとっては、逆効果な声かけです。なぜなら、“うまくできること”に意識が向き続ける関わりだからです。
こんな関わりが続いた子どもの中には、
・間違えないようにする
・うまくできるようにする
・できない自分を避ける
という思考の癖が育っていきます。この癖が強くなると、
・話すことをためらう
・自分でやる前に止まる
・失敗を避ける
そんな変化が、日常の中で少しずつ増えていきます。

「ことばのことを言っていないのに、そんなふうになるの?」
と思われるかもしれませんが、脳の中は繋がっています。
そして、ことばの発達は、この「思考の癖」に大きく影響を受けます。本来、子どもは、自分で考えて、やってみて、失敗して、またやり直す中で、ことばも、発達も、自然と伸びていく力を持っています。けれど、関わり方が少しズレるだけで、その力が使われないまま、止まってしまうことがあります。
ここで一つだけ、脳科学で証明されていることがあるのでお伝えします。
今の関わりのまま続けた先と、関わり方を変えた先では、子どもの中に育つ思考の癖は、まったく違うものになります。
そしてそれは、特別なことではなく、日々の小さな関わりの中で決まっていきます。もし今、「うちも同じかもしれない」、「ちょっと気になる」そう感じたなら、それは、見過ごしていいサインではありません。この違いが、これから先の成長にどう影響していくのか。一度、整理してみてくださいね。


