1.進級・進学に向けてご相談が増えてくる今の時期
私は発達科学コミュニケ―ションのトレーナーとして活動していますが、4月の進級・進学に向けて、お母さん達からのご相談で
発達障害・グレーゾーンのお子さんの困りごとが気になる…
発達障害・グレーゾーンのお子さんの困りごとが目立ってくる…
そして、お母さん自身が焦ってくる…
といった内容が増えてくる、そんな時期になります。
新学期は1年の中でも凸凹キッズが一番不安やストレスを抱えやすい時期です。
新学期が始まる前までに心配事をゼロに近づけたいと思いますよね。
今回は、私が受けたご相談の中から、
『子どもとの会話がかみ合わない!』ということをテーマにお伝えしますね。
記事の内容から子育てのヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。
2.なんでそうなるの?会話のやり取りがかみ合わない発達障害・グレーキッズ
お母さんが「明日の時間割は揃えたの?」と聞くと
お子さんは「明日は漢字のテストがあるんだ」と答える。
お母さんが「洗濯物を部屋に持っていってね」と言うと
お子さんは「わかった」と言って部屋から服を持ってくる…
など、発達障害・グレーキッズと
・会話がかみ合わない
・何を言ってるの?と思ってしまう
・会話が成立していない!
こんな状況ってないですか?
なぜ、こんな風に会話がかみ合っていないのでしょうか。
そもそも、発達障害・グレーキッズが質問を最後まで聞いていないということが原因の一つではありますが…
脳の働きの面から言いますと、
『聞いたこと』→それを→『理解すること』
この連携がうまくいっていないんです。
本来、聞いたことを理解できるから、行動ができるわけなのです。
しかし発達障害・グレーキッズは、聞いたことを理解できていないので、自分の都合の良いように解釈して受け答えをしたり、行動することがあります。
または、聞いたことを理解できないまま、わからなくて動けないこともあるのです。
聞くことと理解することの連携がうまくいっていない発達障害・グレーキッズはたくさんの情報をキャッチすることも苦手なんです。
3.その声かけでは情報がこぼれ落ちてしまいますよ!
こんな風にエンドレスに言い続けたことはありませんか?
「学校から帰ってきたら、ランドセルを置いて、手を洗って、うがいして、ハンガーに服をかけて、お手紙を出して…」
やってほしくて言ったことの中で、発達障害・グレーキッズが理解できているのは最初の1つか2つぐらいなんですよ!
話が長ければ、長いほど、子どもたちの脳はキャパシティ・オーバーになって、情報がポロポロこぼれ落ちているのです。
コップに入る水の量は決まっているのに、容量以上の水を入れ続けているような状態です。
なので、たくさんのことを伝えても処理しきれていないのです。
そして、理解することも苦手なので、受け取った言葉を理解して適切な受け答えができなかったり、行動するまでに時間を要したりします。
その上、急かされたりすると…
理解することが途中でシャットダウンされてしまいます。
その結果、質問とはかけ離れた言葉で受け答えしてしまうこともあるのです。
なので、聞くことと理解することの連携がうまくいっていない発達障害・グレーキッズには、大人同士の会話と同じような情報の多さで長々と話しかけるのはNGなのです。
こんな状況が思い当たるお母さんに手渡したい、鉄則を最後にお伝えします。
4.お母さんが『聞くこと』と『理解すること』を連携させてあげるための鉄則とは?
まず、声をかけるときは、シンプルに・ストレートにしましょう。
脳がちゃんと情報を受け取れるよ〜という会話をしてあげるんです。
子どもたちの脳が言葉を理解して動けるようにしてあげるということです!
ポイントは
・一度にたくさんのことを話さない
・質問はシンプルに短く
・早口、矢継ぎ早な話し方はNG
・曖昧な言葉や伝え方をしない
・会話がかみ合ってなくても怒らない
です。
つまり…
ちゃんと子どもが言葉を聞いて、
理解できる質問をすること、
答えられるまで待ってあげること、
イラッとしないこと、
これが鉄則です!
伝わる言葉を選んで、感情的にならずに、焦らずに、この鉄則を一つずつ抑えながら、お子さんと穏やかな会話を心がけてくださいね!
執筆者:山南あや
(発達科学コミュニケ―ションリサーチャー)
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