1.先生からの登校刺激に要注意!
2学期に入り、子どもが「学校に行きたくない」と登校をすることを嫌がる日が増えていませんか?
そんなときに注意して欲しいのが、学校の先生からの登校刺激です。登校刺激とは、学校を休んでいる子どもに対して大人や友達から学校に来れるよう誘うこと。
最初は朝の電話連絡のみで済んでいたものの、休みが長引いてくると先生も心配になり電話がかかってきて、
「お家に行ってお子さんとお話してもいいですか?」
「少しお電話でお子さんと話せますか?」
「放課後でもいいので一度お子さんと来てください。お話ししましょう。」
と、子どもに直接会いたいと言う先生も多いのではないでしょうか?
「先生になんとか言ってもらえれば甘えていないで行けるかも⁉」
と思い…
「はい、お願いします!」
と言いそうになるのですが、ちょっと待った‼です。
我が家では、子どもの気持ちを無視して私が先生と勝手に約束をしてしまったために大変なことになりました。
自分の気持ちをうまく伝えられず、大人の言う通りにするしかない子ども達が傷つくことのないように…我が家のエピソードをお伝えしますね。
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2.行きたくない理由を伝えられないと起こる体のSOS
我が家の息子が本格的に不登校になったのは、小学4年生の秋でした。
熱を出したことをきっかけに、熱が治まっても学校に行きたがりませんでした。
朝になると深刻な顔をして「行かない」と言う。でも昼間は割と元気!
もともと、熱を出すと1週間は休んでエネルギーチャージしてから学校に行ける子だったので、そのときも「そのうち行くだろう」と思っていたのです。
けれど、その後もほとんど行けない日が続き、先生から心配のお電話が。
「お母さん、このままじゃ不登校になってしまいますよ!放課後で良いので連れてきてください。色々と相談しましょう。」と言われました。
数日後、息子を連れて先生の待つ教室へ行ったときに息子が言われた言葉です。
「休んでいるとき家で何してるの?」
「お母さんも毎日学校に電話するの大変なんだよ。」
「みんな多少は疲れていても頑張って学校に来ているんだよ。」
その言葉を聞いて、「子どもにそんなこと直接言う⁉」と思ったものの、息子が、
「家にいるときはテレビ見たり本読んだりしてる。」
「明日は学校行きます!」
と笑顔で先生と約束をしていたので、私が甘やかしすぎていたのかなぁと思いました。
しかし、帰宅後から息子に異変が。
お腹が痛い、頭が痛い、足が痛い、眠れない…
と不調のオンパレード。そして翌日からも学校には行けず、以前にもまして学校を休むことへの罪悪感を募らせ笑わなくなってしまいました。
3.自分の気持ちを出せない子どもの頭の中は?
発達凸凹の子ども達は、感情を司る脳の場所が未熟なことがあります。
感情を司る脳の働きには、
・自分の気持ちを感じる(インプット)
・自分の気持ちを出す (アウトプット)
これらの役割があります。
ASD(自閉症スペクトラム)やHSC(人一倍敏感な子)、ギフテッド等の、繊細で敏感なタイプの子ども達の中には、過度に相手の気持ちを感じ(インプット)すぎてしまう子がいます。
たくさんのことを感じて、自分が感じた気持ちもアウトプットできればバランスが良いのですが、アウトプットする力や言葉で伝える力が未熟だとネガティブな感情はどんどん子どもの中に溜まっていってしまいます。
学校に行けない、理由も話してくれない、というのは「もう限界なくらいに学校へ行くと辛い気持ち」なのに、子ども自身が自分の気持ちがわからない、どう伝えていいのかわからないという状況です。
大人に言われたからとりあえず「はい」と言うしかないのです。
4.登校刺激は慎重に!おうちで感情スキルを磨こう
我が家の息子のように、自分の気持ちを押し殺してしまわないようにするにはどうしたらよいでしょうか?
◆先生から提案があったときは子どもに確認してから返事をする
親としては、子どもに学校に行けるようになってほしいと思うもの。先生も、子ども達が不登校になったら大変!楽しく学校に来て欲しいと願っているのだと思います。
なので先生が、
「訪問してお話してもいいですか?」
「放課後学校に来て話しませんか?」
などと登校刺激をしてくると、それをきっかけに行けるようになるかも知れないと期待して「わかりました」とお母さんが返事をしてしまうかもしれません。
普段から先生と良好な関係を作ることができていて、子ども自身も先生のことを信頼しているのならオーケーですが、そのようなケースは少ないのではないでしょうか。
子どもが先生と会いたい気持ちがある場合を除いては、勝手に親が判断しないほうが良いですよ。
「子どもに確認してみますね。」
「一旦子どもと相談してからまたご連絡します。」
と時間に余裕を持たせて子どもの話を聞いてあげましょう。
子どもに聞いてみたけど、
「…」と無言だったり、「どうしようかなぁ。」と判断できそうもないときは、何か不安がある時です。
「今回はやめておこうか。」
と割り切ることも必要です。子どもの心と体の安全が第一‼
エネルギーを貯めて元気になるまでは、たとえ大人からの誘いで登校できたとしても長続きはしないものです。
◆「やりたくない、行きたくない」を言える子にしよう!
例えば、「今日のご飯まずそう!食べたくない」と子どもに言われても、受け止めてあげてください。
「そっか〜。どれがまずそうなの〜?」
「どんな味がしそう?」
「食べたらどうなっちゃうの?」
等と、子どもが嫌だと言ったことからどんどん会話を広げてあげましょう。
次第に、子どもは、
「嫌だって言ってもいいんだ!」
「嫌なことを聞いてくれるんだ」
「嫌なことを話すと、こんな風に思っていたんだってわかるな。」
と、自分自身の感情にも気づけるし、話し言葉でアウトプットできる力が身についていきますよ!
感情のコントロールスキルを育てていく上で、一番重要なのは荒治療しないこと!安心できる場所で、安心できる人と1対1で会話を積み重ねていくことで成長していきます。
5.お家で感情をアウトプットする力が伸びた!
4年生のときは、先生に自分の気持を伝えられないイエスマンだった息子も現在は中学2年生。
今では、
「1年生のときの先生は鬼教師だった!」
「2年生の発表会のときは熱が出たのに出席させられたんだよなー!」
と過去の先生話を笑顔で笑い話にできるくらいになっています。
現在所属しているネットの学校では、毎月先生と1対1で勉強のことや楽しんでいることについて話す時間があります。
信頼できる人には自分が考えていることや悩んでいることを話すことができるようになりました。
どうしても出たくない授業は、「やりません!」と自分で報告もできています(笑)
先生にも言えないし、自分でもモヤモヤしていてよくわからない感情を抱えているようなときにも、「ちょっと相談いい?」と相談してくれるようになりました。
感情をアウトプットする力は大人になっても成長していく力です。1日やったからすぐに伸びる力ではありません。おうちでの関わりの中でお母さんと話すことで確実に伸びていきます。
みなさんも、学校を休んだ時間を、おうちで子どもが成長する時間に変えていきませんか?きっと将来役立つ力となりますよ!
執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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