1.学校の先生に配慮のお願いや相談が伝わらないワケ
学校でのトラブルが多く、学校との相性が悪い発達障害グレーゾーンの我が子…
先生や学校にお子さんのサポートや配慮のお願いを相談されている方もいらっしゃるかと思います。
それなのに、あまり手応えがない…と感じることはありませんか?
もしかしたら、この記事を読んでくださっているお母さんの中にも
「年度末に学校の先生と面談したけれど翌年に申し送りがされていなかった…」
「進級して新しい担任の先生とお話をしてみたけれど手応えがいまいちだった…」
という体験をされている方がいらっしゃるかもしれません。
2016年4月に施工された障害者差別解消法により、障害のある子どもが他の子どもと平等に学べるよう、国公立学校は「合理的配慮」をすることが求められるようになりました。
さらに、2024年4月には同法の改正により、私立の学校や企業にも義務付けられます。
合理的配慮の例※1としては
・パニックを起こす可能性があるので授業中に指名しないでほしいという要望には各担当教員が事前に情報共有をした
・読み書きに時間がかかる児童にはタブレット等で黒板を撮影できるようにした
・周囲の物音に敏感なため集中して学習に取り組めないため、教室内で耳栓を使用や、別室へ移動し静かな環境で課題に取り組めるようにした
(※1参考:内閣府「障害者差別解消法【合理的配慮の提供等事例集】」より抜粋)
これらはあくまでも挙げられている例を抜粋したものです。「学校側に経済的、体制的に無理のない範囲での変更や調整」※2とされているため、どの程度対応してもらえるかは、学校側との相談が必要です。
(※2参考:文部科学省「3.障害のある子どもが十分に教育を受けられるための合理的配慮及びその基礎となる環境整備」より抜粋)
学校の先生は1クラス30人、40人いる生徒をまとめています。それをもし自分がやるとしたら…想像を絶する大変さだと推測できます。
学校の先生が置かれている環境がとても厳しいことはご存じのことと思います。
先生のなり手不足、人手不足、授業以外の業務も煩雑で多く、いつもサービス残業状態。
結果的に、過重労働で心や体がボロボロになってしまう、など課題は山積みです。
それにもかかわらず、先生たちは発達障害グレーゾーンの子どもたちの対応も迫られるのです。
とは言っても、発達障害についての「知識がない」、発達障害について学ぶ「時間がない」という先生もきっと多いと思います。
そして、学校側が一番困ってしまうのが「学校側で何とかしてください」のパターンです。
学校の先生は教育のスペシャリストですが発達の専門家ではありません。
教員の資格をとるために発達の勉強はマストではありません。
だから、発達障害の子どもとの関わり方がわからなくてもある意味しかたがないのです。
中には、興味をもって勉強をされている先生もいらっしゃいますが、それは業務外で自分の時間を使ってされていることがほとんどです。
正直なところ、学校の先生も発達障害の子やグレーゾーンの子のことはあまりわからないのです。
では、どうすれば我が子の発達の特性を先生に理解していただけるのでしょうか?
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2.発達障害グレーゾーンの子どもへの対応は先生も試行錯誤
発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)講座受講生の、小学校5年生男子のお母さんUさんの体験談をご紹介します。
息子さんの登校しぶりもあって、Uさんは学校の先生によく相談をしていました。
ですが、お子さんは学校での友達関係や勉強の苦手さがあって、学年が上がるにつれて登校しぶりが増えていきました。
ある日、運動会の練習をしているときに自分の思い通りにならなくてかんしゃくを起こして活動から外れてしまった息子さん。
このとき、学校の先生は追いかけていって諭して集団に戻す、という対応をしてくれていました。
ですが、お子さんのイライラがなかなか落ち着かずに先生も困っておられました。
なぜうまくいかなかったかというと、Uくんのかんしゃくを落ち着かせる方法は諭して集団に戻すやり方ではNGだったからです。
だからUさんは、「こういう対応にしてください」とお家で取り組んでいる方法を具体的に伝えるようにしました。
すると、先生も適切に対応できるようになり、お子さんは学校で落ち着いて過ごすことができるようになったそうです!
正直なところ、困ったことが起きたときに「どうしたらいい?」は先生にもわかりません。
だからこそ、お母さんがお子さんの特性を理解してお家でうまくいったときの方法を先生と共有していくことが欠かせません。
実は、先生と情報共有するときにお母さんの声を先生により届きやすいものにするため、欠かせないポイントがあるのです。
それでは、先生へお願いするときに大切なポイントについて次の章でお伝えします!
3.先生へのお願いで大切なポイント3つ
学校の先生はとても多忙です。
それでも、発達障害・グレーゾーンの我が子へのプラスのサポートをお願いしたいのが、お母さんの本音!
だから、私が提案したいのは「二人三脚作戦」なのです。
お母さんが、お子さんの特性を理解し、落ち着かせる対応や頑張りやすくなる接し方を知っていれば、その方法を先生にお伝えすることができます。
お子さんにどんな困りごとがあるのか?どう対応してほしいのか?というところまで踏み込んだ情報のやり取りを先生としながら、家庭と学校の二人三脚でお子さんを取り巻く環境を整えてあげたり、サポートしたりできると、作戦会議がスムーズにいきやすくなります!
具体的に、先生にお願いするときに大切なポイントは次の3つです!
◆1 感謝の気持ちを伝える
学校の先生と連携がうまくいっていない関係性だとしても、「話し合いのお時間をとってくださりありがとうございます。」などの感謝のワードを直接伝えたり、連絡帳に一言書き添えたりするなど、上手に活用してみましょう!
◆2 伝える内容はシンプルにする
お子さんのことをわかって欲しいがゆえに書類に我が子のことをビッシリ書き連ねてしまったりしていませんか?
先生たちは超多忙!です。
ですから、短くシンプルにポイントを抑えてお伝えするところからスタートしましょう!
◆3 お家での対応をしっかり伝える
「こういう様子のときは一声こうやってかけてもらうと助かります。」など、より詳しい内容だと伝わりやすさがアップします!
例えば、授業中に周りのお友達を巻き込んで騒いでしまうことにお悩みならば、
「授業中に騒ぐときは、大声で注意するより、近くに行って小さい声で『これをやろうか』と伝える方が、切り替えがスムーズです。」
また、お子さんが学習内容によって気持ちが浮き沈みするなら、
「宿題が不機嫌になりそうな内容のときは、宿題前に“こんな問題は、こうしたら上手くできたよね”と、一緒に振り返ったり、解き方を思い出させたりすると、落ち着いてできます。」
といったように先生にお家での対応を具体的に伝えると、先生も「それならできそう」と対応しやすくなります。
もちろん、3つのポイントを踏まえた上でのお願いをしても、お子さんにとって必要なサポートが得られないケースもゼロではありません。
そんなときは、無理をさせすぎると子どもたちは、心身ともにボロボロになってしまいます。
ですから、その次は1つの場所にしばられない、1つの正解にこだわらない、発達障害グレーゾーンの子どもの発達加速を大切に考えた『休ませ方』『別の居場所の探し方』なども視野にいれていきましょう。
脳が育つ親子のコミュニケーションがあれば、仮に学校を休んでお家で過ごしていてもお子さんを伸ばしてあげる方法がありますよ。
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4.ママの味方になってくれる人がきっと身近にいます
最後に、私がリスペクトしている担任の先生との印象に残っているエピソードを1つご紹介させてください。
長男が小学校6年生のときの担任の先生が卒業のタイミングで息子にかけてくれた言葉があります。
「お母さんは清水畑君のことを誰よりも大切にしてくれているよ。お母さんに感謝するんだよ。」と。
トラブルがあり、学校からの連絡があるたびに仕事をぬけて駆けつける私の姿を見て、先生が息子にかけてくれたのです。
当時はまだ発コミュと出会う前でしたし、私もそんなに適切な対応ができていたわけでもありませんし、学校にも先生にもたくさんの迷惑をかけていました。
それでも不器用ながらに「子どものことを想う気持ち」だけは伝わっていたんだな…と感じます。
あなたの想いやガンバリにも気づいてくれる人がきっといるはずです!
そして、その想いを我が子にも伝わる形にして成長をサポートしていきましょうね!
執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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