作文を書けない発達障害の子どもの「わからない‼」を3日で解消!学習障害のある子が作文好きに目覚めるコツ

作文が書けない、作文が大嫌い…そんな発達障害の子どもの困りごとは、発達の特性を理解してあげるとうまくサポートができるようになります。長々と時間をかけても書けなかった作文が、1日30分、3日のトレーニングで作文好きになれた方法をお伝えします。

1.作文が書けないのは書き方が合っていないから⁉

作文を苦手と感じている発達障害の子どもは多いのではないでしょうか?

お母さんも、子どもが作文を書こうとして癇癪を起こしたり、夏休みの読書感想文などでまったくやろうとしなかったりする様子を見ると、

「さっさと手を動かして書けばいいのに…」
と、イライラしてしまいませんか?

作文を書けない子には、「書けない理由」があるのです。やみくもに書かせようとしても意味がないのです。

「何を書いていいかわからない」
「どうやって書くのかわからない」
「言葉が思い浮かばない」
「正しく書けているのか心配」

こんな理由にプラスして、読み書きの障害を持つ子であれば、書くという作業自体が難しいのに作文を考えながら書くというのはとってもとっても大変なことだということを、お母さんは理解してあげる必要があります。

書けない理由は、脳の特性によるものです。

なので、脳の特性がわかれば、その子の脳に合わせてあげることで書けるようになるんです!

今回は、作文が大嫌いで不登校になった子が、4年ぶりの作文で作文好きになったエピソードをお伝えします。

2.不登校になってから一度も作文を書いていなかった結果…

我が家の中学3年生の息子は、小学4年生で不登校になりました。小学3年生頃から、発達障害?読み書きが苦手なのかな?と気づくようになりました。

また、興味のないことをやるのが苦手ということもあり、作文を書く課題があるときはいつもイライラしていました。

イライラしながら、時間がかかってでも書くことはできていたので、私はいつも「なんでも嫌がらないで楽しんで書いてごらん!」と余計な言葉をかけてしまっていました。

不登校になる直前も、発表会の感想を書く宿題があり、発表会で疲れきっている息子に「明日までにこの作文書かないと学校行けないでしょう」と言い、息子はイライラが炸裂し大癇癪。

翌日から発熱し、そのまま不登校になってしまったのです…

不登校になったのは、その他にもいろいろと原因はあるのですが、それほど嫌いだった作文。不登校になってからはほとんど書く機会がなく、中学3年生になりました。

そんな息子が先日、「作文の練習をしたい!」と言いました。通信制高校の進学を希望していて、試験科目が面接と作文だったのです。

ためしに、最近見た映画の感想文を書いてみてもらったところ、全然書けませんでした…

「どうやって書けばいいんだ?」「全然言葉が出てこない」と言いながら、書いては消し、書くことを中断して喋り、かれこれ3時間経過し断念…

3時間もかけて、出来上がったのは、タイトルと名前の他に3行程度の文章でした。

こんなに書けないんだ‼と私もびっくり。息子が傷つかないように表情には出しませんでしたが、この先の進学や就職で困るだろうとサポートすることを決意したのでした。

3.発達障害の子どもの脳の使い方に合わせた書き方の3ステップ!

発達障害の特性のある子が、作文を書く時、頭の中で考えたことをまとめて、書き言葉にしていくのはとても複雑な工程なんです。

作文を書くときに必要な工程を、細かく分けてあげることをオススメします!更にお子さんが、目で見る力が強いタイプなのか、耳で聞いて覚える力が強いタイプなのかがわかれば、ぐっと簡単に書けるようにしてあげることができます。

◆お母さんがインタビューして気持ちを引き出す

まず最初に行いたいのは、子どもの気持ちを引き出してあげること。自分の考えが正しいのかどうか不安な場合や、うまく言語化できない場合は、会話をしていくだけでうまく気持ちを整理することができるようになります。

「このときどんな気持ちだった?」
「どうして〜風に思うの?」

というように聞いてあげて、答えてくれたら一切否定せずに「うん、うん。」と聞いてあげましょう。

「そうなんだね、それから?」
「他にもある?」

と聞いてあげると、自分の考えを伝えることが不安な子は、安心して考えや気持ちをアウトプットできるようになります。

◆インタビューした内容をお母さんが原稿用紙に書いてしまう!

我が家の息子は、見て覚える力が強いタイプです。口で説明したことはすぐに忘れてしまうけれど、書いて伝えておけばちゃんと忘れずできることが多いです。

そんな息子に、いちいち「次はこう書いて〜」と説明してもイライラするだけなので、インタビューで聞き取ったことを作文風にまとめて私が書いてしまうようにしました。

「お母さんなら、こんな風に書くよ」
と伝えて見せるだけ。ただし、最初は量は少なめにして、100文字、200文字と少しずつ増やしていってあげると子どもも慣れていきます。

なんでもぱーっと読んで理解する息子は、「なるほど、こんな風に書けばいいんだね!」と自分の話した言葉が文章になった原稿用紙を見て、気持ちが軽くなったようでした。

◆真似して書いて、自分なりに整える

お母さんが書いた文章を、最初は真似してそのまま書き写してもOK!

こんな風に書けばいいんだと、全体像がわかれば、作文への不安や嫌悪感は薄れていきます。

安心して自分の考えを伝えることができるようになると、次第に自分の言葉をまとめて、自分で書けるようになっていきます!

漢字がわからなかったり、言い回しがわからなかったらスマホで調べてもOK。調べるうちにどんどん語彙力も増えていきました。

息子は、映画の感想文を書くのに3時間もかかったところからのスタートでしたが(しかも書き終わらなかった…)、高校入試に向けた作文の練習を始めて3日目には、30分で400字(原稿用紙1枚分)を自分で考えて一人で書けるようになりました!

通信制高校の入試は、作文の出来具合で合否が決まるわけではないものの、書けるように準備したことで自信をもって行くことができました。

そして、「わからない」という嫌な体験をせずに書けるようになったことで、「作文書くって楽しいね」と、作文に対する感情が180度変わってしまいました。

作文は、本来、自分の想いを表現できる楽しいもの。子どもの脳の働き方に合わせて書いていけば「嫌い」も「好き」に変えることができるのです。

最初は短い文章でOK!みなさんも、子どもの気持ちを引き出して書かせてあげる練習をしてみませんか?

執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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