発達障害自閉症スペクトラム・アスペルガータイプの子どもが「学校行ってもいいかな」と思えるきっかけは○○にあり

登校しぶりのピークが過ぎても、発達障害自閉症スペクトラム・アスペルガータイプやADHDタイプのお子さんが「やっぱり学校に行きたくない」と言うのには本人なりの理由があります。1つのできた!体験から「学校行ってもいいかな」と思えるきっかけ作りは○○で!
 

1.発達障害の子たちが2学期に学校に行けなくなってしまう理由

夏休みが明けて「学校にいきたくない!」と言っていたお子さんは、その後落ち着きを取り戻しましたか?

一般的には、夏休み明けに登校しぶりや不登校が起きやすいのは知られていますが、そのピークをすぎても発達障害グレーゾーンのお子さんは抱えている悩みによって「やっぱり行けないよ!」という子もいます。

この時期に学校に行けなくなってしまう理由は…

①不安の強さから行事多いの嫌だな、と感じる
②飽きてしまった
③自己肯定感が下がるできごとを積み重ねてきた

主にこの3つです。

自閉症スペクトラム(ASD)タイプの子は「いつもと違う」ことがとっても苦手。

苦手ながらに頑張って学校に行っているのにそこにきて「行事」が入ることで、自分の中での学校生活のペースが乱れてしまうんですね。

加えて「みんなと一緒にやるのが苦手」とか「音や光に過敏」など他の困りごともあるので、行事の練習は二重、三重に、辛い!

夏休み明けがすぎてほっとひと息ついていると、行事のシーズンがやってきますのでASDの子にとってはまだまだしんどい日々が続くわけです。

一方、注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子は進級直後などは環境の変化にワクワクしながら過ごしています。

ところが、2学期や3学期を迎えるとその環境に飽きが来るのです。

何か褒められたり認められたりする機会が学校でたくさんあれば、テンションが上がってやる気スイッチが入りやすいタイプなのですが、ADHDタイプの子はどちらかというと

「できないこと」
「やらないこと」

を注意されることが多いので、なかなかやる気スイッチが入るきっかけがないんです。

もし、登校しぶりがお母さんが思うように落ち着かなかったとしても

「学校に行って!」

と無理強いするだけでなく、お子さんが「よっし!ちょっとドキドキするけど行ってみようかな」と思えるようにお子さんの気持ちを前向きにしてあげることが大切です。

2.自閉症スペクトラム・アスペルガータイプやりきったストーリー

行事の度に荒れて学校に行かなかった子が、小学校最後の運動会で頑張ってやりきった変化のストーリーをご紹介します。

Y君(小学校6年生)は、ASDタイプのパステルキッズです。

日常のペースを乱される“行事”が大の苦手で、様々な行事の練習が始まると毎年、 嫌がって、暴れて、学校に行きたがらないという状態でした。

・いつものペースを乱される
・大きな音や刺激がある環境
・興味のない踊りや歌をみんなに合わせて覚えないといけない

そんな「変化」がASDタイプのY君には辛かったのです。

お家で過ごしていても暴言が多かったり、勉強をほとんどしなかったり、お母さんもお子さんの将来を案じてあれこれ言う毎日でした。

そんなときに、お母さんが発達科学コミュニケーションを受講されて接し方を変えたら…Y君はこんなふうに変わりました。

・行事の練習がある日も頑張って学校へ行くように
・自分の競技に参加するだけでなく6年生として係の仕事でも活躍
・休まずにやりきれた!

これだけでも驚きの大成長なのですが、さらに運動会の1週間後、お子さんはお家で宿題に取り組むようになったのです!!!

そして、嫌なことがある度に、イライラして暴言を吐いていたのもその回数が激減しました。

不安なことや嫌なことがあるときは、自分の気持ちを言葉にして伝えることができるようになったのです!

そうやって、自分の気持ちを言葉にするようになってから、嫌なことと向き合う力もついて新しいチャレンジや自分の意に反することでも「いやだけどまずはやってみる」と心を整えて向き合えるようになりました。

3.「学校に行ってもいいかな」のきっかけ作りは○○です

1つの「できた」をきっかけに、苦手だった他のことを頑張りだすことが発達障害グレーゾーンのお子さんにはあります。

さきのY君のお母さんがやってくださったのは

①お子さんの自己肯定感を高める声かけ
②お子さんが感情的な態度を見せた時の効果的なスルー

この2つだけでした。

お母さんが思う100% ばかりを褒めるのではなく、当たり前のことをしっかり認めてあげること、そして、お子さんに興味関心をしめしながら会話を重ねてたことがお子さんの自己肯定感の回復に役だったのです!

お子さんが暴言を吐いたりイライラしたりしているときは、しばらく距離をおいてスルーしながら落ち着いた時に

「落ち着いたね」
「おやつでも食べようか」と一声かける。

このステップで対応してくださいました。

お家でお母さんとのやりとりで自信を回復したお子さんの中には、学校などの「外」でも頑張れるようになっていきます。

一番身近で、一番大好きなお母さんが認めて肯定してくれる。

お家が安全基地になる。

発達障害グレーゾーンのお子さんが「苦手」なことにもチャレンジするきっかけは、実は「お家」にあったのです!

 

執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

 

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