美容院に行きたがらない発達障害グレーゾーンの不登校さんが自分から「美容院に行く」と言うアプローチ法

不登校になると毎日ダラダラ生活。身だしなみを整えない発達障害グレーゾーンの子に『美容院くらいは行って欲しい』と思うママはいませんか?美容院に何度誘っても行かなかった子が、自分から「行きたい」と言うようになるアプローチ法があります!

1.不登校後、美容院に行かないお子さんにどう提案すればいいか悩んでいませんか?

不登校になると時間に拘束されることがないので、朝起きる時間が遅くなり、生活リズムもバラバラ。着替えずパジャマのまま過ごし、一日中ダラダラ過ごす姿にうんざりというお母さんもおられると思います。

ましてや、髪が伸び放題だと、

「身だしなみくらい整えようよ。」

と美容院に行って欲しいと思うお母さんは多いのではないでしょうか。

一方、お母さんから美容院の提案をしても

✔️「誰にも会わないから、これでいい。」
✔️「めんどくさい。」

などと言って結局、先延ばしか、ママがおうちでカットなんてこともあると思います。

そんなお子さんに、目線を変えてアプローチをすると、自分から

「そろそろ、髪切りに行きたい。」

と言うようになるオススメの方法があるんです!

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2.なんで行きたがらないの?美容院に行きたがらない4つの理由

なぜ、不登校の発達障害グレーゾーンのお子さんが美容院に行きたがらないのでしょうか。

大きく分けて理由は4つあります。

1つ目は、不安!

✔️学校に行ってないのに、外を歩いていてたら変に思われないかな
✔️美容院の人が話しかけてきたら嫌だな
✔️美容院の人に学校のことを聞かれたらどうしよう
✔️友だちに会ったら嫌だな

「そんなの大丈夫だよ!」と言っても、元々不安が強い発達障害グレーさんも多く、こだわりが強いという特性があれば尚のこと、なかなか意見を変えることが難しく行動に移せません。

また、多少のコミュニケーションが求められる美容院は、ハードルが高く感じるのも納得できます。


2つ目は、めんどくさい!

不登校になり、行動量が落ちているお子さんにとって、いつもと違うことをするには大きなパワーが必要です。私たちが考える「ちょっと美容院に行こうよ!」という感覚ではなく、一大決心をしないと行けません。

また、“美容院へ行く”という行為は、

✔️着替えるなどの出かける前の準備
✔️「車に乗る」や「歩く」などの移動

など、長い拘束時間多くの工程があり、行動量が落ちている子にとって、めんどくさいと感じるのも不思議ではありません。


3つ目は、待つのが苦手!

発達障害の子は、時間感覚が希薄な場合も多く、”時間の経過や長さを理解することの難しさ”がみられることがあります。時間がどれだけ過ぎて、あとどれくらい待てばいいかがわからなくなり、イライラしたり、不安になったりします。

待ち時間は、発達障害のある子にとってはとても辛いものなのです。

”急な予定の変更が苦手”という特性を持ち合わせると、想定外の待ち時間になると対応できず、イライラがMAXになってしまうこともあります。


4つ目は、感覚過敏!

耳元で聞こえるハサミやバリカンの音が苦手、髪を切る時に付けるケープやタオルの首の周りの感触が苦手、人に髪を触られる感触が苦手、など、感覚過敏のあるお子さんにとって美容院は、不快を感じやすい場所かもしれません。

たかが美容院と考えてしまいがちですが、発達障害のある不登校のお子さんにとっては、挑戦するには越えないといけない壁がいくつもあるのです。

そんな難関の美容院に、自ら「そろそろ、髪切りに行きたい。」と言うようになった我が家の息子のエピソードをご紹介します。


 

3.不登校の発達障害グレーゾーンの息子が自分から「そろそろ髪切りに行きたい」と言ったエピソード

我が家の中2の息子。

私が何回声をかけても、

「ロン毛でいい、誰にも会わないから。」

と美容院に行こうとしませんでした。

中学生にもなると、無理矢理どこかに連れて行くことは到底できず、諦めモード。

​​そんな、自分の容姿に関心がなく、1日ダラダラ過ごす息子でしたが、私が対応を変えると、

「そろそろ、髪切りに行きたい。」

と言ったんです!

私は思わず「自分から言った〜〜!」と飛び上がりそうになりました^^

直接的なアプローチはせず、息子の苦手を理解しながら課題を見つけ出し、苦手をクリアすることに注目した私がどんな対応をしたのか、お伝えします!




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4.目線を変えると上手くいく!発達障害グレーゾーンの子が自ら「行きたい」と言うアプローチ法

美容院に行かないからと、美容院を変えたり、行くように何回も声をかけたりしても発達障害グレーゾーンの不登校の子はなかなか動き出せません。

私がやったことは3つあります。

◆誘う言葉を一切封印

発達障害の特性の中に​​​​、相手の話の意図が上手くつかめず誤解しやすい”というものがあり、アドバイスや誘いの言葉を『命令』として捉えてしまうお子さんがいます。

こちらが良かれと思って言う言葉も「命令しやがって」と捉えられると、反発しか生まないのでアドバイスや誘いの言葉は一切封印。

息子の姿を見ていて、

「髪、伸びてきたなぁ。切ってスッキリして欲しいなぁ。」と思っても、

✔️「そろそろ、髪切りに行かない?」
✔️「そろそろ、切ったほうがスッキリすると思うけど。」

などの、お誘いやアドバイスの言葉は言いません

髪を切るか切らないかは、彼の問題」と割り切り、一切口出しをやめました。


◆ストレスなく待つ手段の発見

待つのが苦手という元々の特性は、背が高い、低いなどと同じく、”生まれつきの性質”なので変えようがありません。

なので、我慢できるようにするのではなく、うまくやり過ごす方法を見つけることが大切です。

そこで、対処法。

待ち時間に何か夢中になれることを予め決めておくと、イライラすることが少なくできます。

例えば、我が家の息子の場合、待ち時間にはスマホゲームかYouTubeを見ると本人が決めました。

それからは、自分は待てる」という自信が生まれ、待つかもしれない場所にでも進んで行くようになり、レストランでの待ち時間遊園地での待ち時間もイライラせずに待てるようになりました。

◆息子を丸ごと肯定

不登校を決めたのは彼自身。でも、”みんなできていることができてない自分”に不安を感じ、イライラして過ごすことが増えました。そして自信が持てなくなり、外出の頻度も減っていきました。

そこで、

✔️夜更かししても、
「昨日、友達と楽しそうにゲームしてたね!」

✔️朝起きず、お昼に起きてきたとしても、明るい声で、
「自分で起きられたね!」

と、今できていることを言葉で伝えました。

本当であれば小言の1つや2つ言いたくなるところですが、そこをグッと我慢。

”学校に行ってなくても、劣っている訳ではない”ということを伝え、不安を減らす取り組みを徹底しました。

直接的に美容院へ行くことを勧めるではなく、目線を変えたこれらのアプローチを続けることによって、不安が弱まり自信が育ちました

すると、外出のハードルが下がり、いろんなことへのやる気が育ち、美容室へも自分から行くようになったのです。

ぜひ、発達障害グレーゾーンの不登校のお子さんが、美容院に行かずにお困りであれば、

✔️待つストレスを減らす方法を一緒に見つけ”待てる”という自信をつけてあげる
✔️不安を減らし外の世界に挑戦する”やる気”を育てる

まずは、この土台の力を授けてあげることからはじめてみてください!

時間はかかるかもしれませんが、抱えている課題をクリアすることを意識すると、今までできなかったことが嘘のようにできるようになりますよ!

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執筆者:沢木十和子
(発達科学コミュニケーション トレーナー)

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