不登校の子どもの将来が不安なお母さんが自信を持てる!我が子の将来のビジョンの描き方

わが子が「学校に行きたくない」または不登校になると将来が不安になりますね。現在活躍している、かつて不登校だった方たちのお母さんはどのような対応をしていたのでしょうか?子どもが自分らしくイキイキと活躍する将来のビジョンの描き方は、こちら!

1.学校に行かないとちゃんとした大人になれない!?

お子さんが「学校に行きたくない!」と言ったり実際に不登校になったら、子どもの将来が不安になるお母さんが多いと思います。

将来、大人になったときに社会人としてやっていけないかもしれない、という恐怖に襲われるかもしれませんね。

そんな不安から、ついお子さんに苦手なことを克服させようとしてガミガミ言ったり、無理やりやらせたりしてしまいませんか?

このガミガミや無理やりが逆効果とは言われても、お母さんの不安や恐怖が拭えずにコミュニケーションの悪循環から抜け出せないのはよくあるケースです。

お母さんが不安や恐怖を感じるのは“学校に行かないと、ちゃんとした大人になれない”という思い込みがあるからです。

その思い込みは、子どもの時に不登校だった人達の活躍を知ることで手放せるかもしれません。

そこで、今回は「元・不登校」の方の活躍に注目し、学校に行けない時期があったけれど今は自分らしくイキイキと輝いている方のエピソードから、将来のビジョンの描き方をお伝えします。

 2.子どもが将来のビジョンを描けるようになった2つのケース

書籍「学校は行かなくてもいい」(著:小幡和輝さん 健康ジャーナル社2018年)から、不登校に親御さんが理解を示したことで、子どもが大きく成長した2つのケースをご紹介します。

◆今は教員として活躍されているMさん

小学校の頃からクラスの女子とうまくやるのがとても苦手だったMさん(女性)は、中学1年生の春から不登校になりました。

・トイレには、みんなで行かないといけない
・リーダー格の子が好きと言ったバンドを、全員が「好き」と言わないといけない

特別いじめがあったわけではないけれど、女子特有の世界に馴染めなかったそうです。

違和感を感じ続け、Mさんは学校に行けなくなりました。そして学校に行かなくなったことで、お母さんが悲しむのでは、と自分を責めるようになりました。

そんなMさんですが、自分の居場所を山村留学という形で見つけました。山村留学とは子どもが親元を離れて田舎で集団生活や自然体験をすることですが、3年間をその場所で過ごしたそうです。

Mさんは今では、高校教員として活躍されています。

Mさんは「焦らなくていい」「たくさん道はある。もっと視野を広く持って、いろんな価値観に触れてほしい」、そして「子どもが悩んでいたら、誰よりも親が味方であってほしい」と語っています。

Mさんのお母さんは、Mさんに「学校なんて行かなくていい」と言ったそうです。悩んだ末の言葉だと思いますが、親としてとても勇気の要ることだと思いませんか?

まだ日本の教育制度の中では、学校に行かないという選択をすることに「学校に行かなくて、将来大丈夫?」と抵抗を感じるお母さんも多いでしょう。

でもMさんはそんな思い込みを吹き飛ばすかのように、自分の夢を見つけ教員のお仕事に夢中で取り組んでいます

将来のビジョンは「歌って踊れる先生になること」だそうです。そんな先生の姿を想像したらワクワクしますね!

Mさんのお母さんは、Mさんが将来自分の力できっと活躍できるようになることを信じて応援されてきたはずです。親として見習いたい姿だなと純粋に感動してしまいました。

◆独学で語学の資格を取って社会人となったHさん

小さい頃から考えることと海外の文化が好きだったHさん。理屈っぽいところがあり、すぐに「なんで?」「なんで?」と質問するタイプで、理由が納得できないと、とことん追求したそうです。

そんなHさんには、「これはこういうものなんだ」と教えられ、それを受け入れることを求められる、学校の授業は合いませんでした。

・自由時間でも、席は立ってはいけない
・教科書のページの先読みはNG
・授業内容はすでに理解しているのに、授業に出なくてはならない

高学年になるにつれて、納得できないことや息苦しく感じることが増え、学校を飛び出しました。親御さんに「学校に行きたくない」と相談し、理由も打ち明けると、こんなお話をされたそうです。

・あなたの人生だから、自分で責任を持つなら行かなくてもよい
・ただし、将来仕事に困らないように、勉強はしなさい
・スキルを身につけなさい。それを証明できる資格をとりなさい

親御さんの言葉に「なるほど」と納得したHさんは、自宅で勉強に励みました。Hさんは「学校は嫌い、だけど勉強は好き」だったそうです。そして独学の道を選んだのです。

学校に戻りたくないという気持ちもあったけれど、新しい知識を自分のペースでどんどん学べるというワクワク感があり、図書館に通ってたくさんの本を読み、知識をつけていったそうです。

その後、Hさんは独学でフランス語検定2級、TOEIC985点を取得しました。

「学歴なし・職歴なし・バイト歴1年」から就活をスタートし、苦戦するものの「この会社は合うと思うけどどうですか?」と紹介され、就職が決まったそうです。

私たち大人はつい「義務教育を修了し、高校を卒業して、その後は大学に入って、企業に就職するという道」から外れないようにと思ってしまいます。さらにこの道から外れることに恐怖を感じてしまいます。

でも、このHさんの親御さんはお子さんのことをよく理解した上で、学校に行かないことを受け入れ、その代わりに子どもが将来のビジョンを描けるように頑張る道を示してあげました

とても勇気のある行動だと思います。

Hさんはたくさんの学びを通してスキルを身につけ、活躍する場を自分で探し出しました。

これだけの語学スキルがあれば、これから世界に向けてたくさんの情報発信をしたり、日本に来る外国人の方に向けたビジネスをすることもできるかもしれません。

独学で身につけてきたスキルが、これから様々な場面で活かせることをイメージしたビジョンはワクワクしますよね!

3.子どもの将来を応援できるお母さんのサポートとは

今回、ご紹介したお2人は発達障害があるわけではないですが、お2人のエピソードは、思春期の発達障害・グレーゾーンの子どもが不登校になる原因やお母さんの対応を考える上で参考になるところがありました。

お子さんがつまづいた時のお母さんの対応のポイントをお話します。

◆友達関係のつまづきをサポート

思春期になると、とくに友達との付き合いが複雑になってくるので友達関係でつまづく子が多くなります

対人関係に苦手があって行きしぶりが出ている場合は、お母さんとお子さんの1対1のコミュニケーションを強化することが大切です。

この親子の1対1のコミュニケーションの成功体験が学校・社会など家庭の外に出た時のお子さんの心の基盤になります。

お母さんにはお子さんが外で弱って帰ってきたときに、受けとめてあげられる強く柔軟な心を持って頂きたいと思います。

◆本人が周囲に対して感じる違和感を受け止める

皆が周りに合わせて同じことをするのを良しとする日本の教育現場では、子どもが感じる違和感をまわりの大人に理解してもらえず、周囲に合わせられない子が「変わった子」「わがままな子」として扱われる場面が多いと感じます。

そうなってくると子どもたちは、本当に肩身の狭い辛い思いをします。そして、自己肯定感(ありのままの自分を認める力)や自己効力感(自分はやればできると信じる力)が低くなり、「僕なんかどうせやってもできない」と頑張る力が減ってしまいます

そうならないために、お母さんにはお子さんが感じていることを肯定する場面を増やしていただきたいと思います。

子どもの感じ方を頭ごなしに否定せずに、話をしてくれた時に
「へー、そうなんだ」
「それ、面白い考えだね」

と、肯定的なリアクションをして子どもの考えを受けとめてあげましょう!

いずれの場合も、普段のコミュニケーションの中で子どもをしっかり肯定してあげることがポイントです。

親子のコミュニケ―ションがうまくいけば子どもは自分を理解してくれていると感じ、家庭の外でも頑張れるようになります。

お子さんが不登校になり、将来が不安になって口うるさくいってしまうお母さん、まずはコミュニケーションを改善することからはじめてみませんか?

子どもは、どんな自分も肯定し、受けとめてくれる存在があるからこそ、自信を持って自分の人生を歩むことができるのです。

だから私は、発達科学コミュニケーションをお伝えすることで親子関係を改善するお手伝いをし、進路や不登校の子の居場所などの情報を発信しています。

学校に行かなくても活躍できる未来があること、先輩たちの活躍のエピソード、学校以外の居場所、そういった情報を知ることで、お母さんの不安も少し減ってきませんか?

現在不登校の子ども達の中には、学校に戻って学校生活を楽しむようになる子もいるかもしれない、学校ではない場所で自分の道を探す子もいるかもしれない、結果はどちらでも良いと思っています。

ただ、子どもがどんな道を進んだとしても応援できるお母さん、わが子らしい”将来のビジョンを一緒に描ける親子”を目指しませんか!

執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

子どもを応援できるお母さんになれる情報、発信中です!

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