1.不登校で家庭崩壊しそう…家族みんなに気を遣う毎日から逃げ出したい
不登校の子どもに声をかければ怒りだし、暴言が返ってくる。
兄弟に嫌がらせをする息子。
耐えきれずストレスを抱える兄弟。
もう自分一人では手が回らない。
夫に相談しても嫌な顔をされて話がかみ合わない。
「このままでは家庭崩壊してしまうかもしれない」と感じるほど、家の中で気を張り続けていませんか。
沢木十和子さんも、長男の不登校に加え、兄弟の衝突や夫婦のすれ違いに悩んでいました。
長男のイライラが弟に向かい、弟からは「俺ってこの家に必要ない存在なの?」と泣きながら言われたこともありました。
夫に話しても、お互いのしんどさがぶつかってしまう。夫が不機嫌になると、その態度にもビクビクしていたといいます。

当時を「一言で言うとぐちゃぐちゃ」と振り返る沢木さん。けれど今は、子どもたちを夫に安心して任せられるようになりました。
家族がチームになるまでに、何を見直し、どんな変化を重ねたのでしょうか。動画でその過程をたっぷりお話してくれています。
お話しする人
沢木十和子さん
発達科学コミュニケーショントレーナー
3人の子どものママ。長男の不登校や兄弟の衝突、夫婦のすれ違いを経験し、家族で協力できる関係を築いてきた過程をお話しします。
聞き手
清水畑亜希子さん
発達科学コミュニケーションマスタートレーナー
沢木さんの当時の葛藤や実践を振り返りながら、親子と夫婦の関係が変わっていったきっかけをひもときます。
2.登校と勉強を何とかしたい。その焦りに気づいたのは息子からの言葉
長男が学校に行けなくなった頃、沢木さんが特に気にしていたのは、高校受験に向けた出席日数と勉強の遅れ。
少人数制の学校へ転校し、最初は元気に通い始めほっとしたものの、2週間で行けなくなりました。ほっとした分、再び通えなくなったことに大きく落ち込んだといいます。
出席日数が難しいなら、せめて勉強だけでも。タブレット教材やオンライン家庭教師、別室登校など、次々と方法を探しました。
息子のためにと考えていた提案でしたが、振り返ると、自分の不安を埋めようとしていた面もあったと沢木さんは話します。
その間に、息子さんは歯磨きや入浴も以前のようにはできなくなっていきました。
転機は、本人が希望して一緒に買った数学のワークでした。
取り組んでいない様子を見て「やったら?」と声をかけると、息子さんは涙と大声で訴えました。
「やりたくてもできねえんだよ!」

その言葉に、沢木さんは言葉を失いました。
取り組めるものを探す前に、息子の今の状態を見る必要があった。そのことに気づく、大きなきっかけになりました。
3.見守るだけでは苦しかった。子育てを伴走してくれる先生の支えがあったから乗り越えられた。
その後、沢木さんは不登校のサポートについて調べ、「見守りましょう」「そのまま受け止めましょう」という情報に触れ、何も言わないようになりました。
ただ、何気ない会話でも息子さんが急に怒ることがあり、声をかけること自体がしんどくなっていました。部屋から下りてくる足音がすると、緊張する。刺激しないように、極力関わらずに過ごしていたといいます。
そこから取り組んだ発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)。学んだ関わり方をもとに、息子さんの話を否定せず聞くようになりました。動画では、この実践「ホームカウンセリング」を頑張った様子を振り返っています。
腹が立つ言葉を受け止めるのは簡単ではなく、言い返してしまったこともありました。そのときには発コミュのトレーナーへメールで相談し、関わり方を確かめていました。
うまくいかない場面も相談でき、進む方向を示してくれる人がいたこと。それが、沢木さんの支えになっていました。
少しずつ、息子さんが目を見て話してくれるようになり、沢木さんが口を開いたときの「うるせえ」という反応も減っていきました。仕事に出るときの「行ってきます」に、返事が返ってくるようにもなりました。

学校に行くかどうかだけを見ていたら、見逃していたかもしれない変化。沢木さんは、日常のやりとりの中に手応えを感じるようになりました。
4.夫婦で小さな変化を共有し、安心して任せられる関係へ
子どもの変化に気づくようになると、旦那さんに伝える内容も変わりました。
それまでは、その日に起きたトラブルや大変だったことを聞いてほしいという想いで旦那さんへ話をしていたそう。
けれど、そこに、子どものできていることや、以前と変わったことを伝える会話が増えていきました。
すると旦那さんからも、以前の様子と比べて子どもの変化を認める言葉が返るようになりました。旦那さんが相談所に一緒に来てくれるようにもなったといいます。
沢木さんは、旦那さんがしてくれたことにも目を向け、感謝を伝えるようになりました。旦那さんを否定する言葉が多かった頃との違いを、動画の中で振り返っています。
旦那さんも、子どもたちと過ごす日々を重ねました。外出先で三男が熱を出したときには、ホテルの氷や濡れタオルを用意して対応。映画館で子どもが嘔吐したときにも、対処してくれました。
そうした経験が旦那さん自身の自信につながり、沢木さんも安心して任せられるようになったのです。
夫が経験を積み、子どもたちも父親を頼る。家族それぞれの関わりが重なっていきました。

弟たちにも個別に向き合う時間をつくり、感謝を伝えてきた沢木さん。その歩みを「みんなで乗り越えたって感じです」と語っています。
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5.家族がチームになるために、今日から見直せる3つの視点
今回の動画の中のエピソードからわかる大事なポイントは、家族全員を一度に変えようとするのではなく、今の関係を見つめ直した沢木さんの視点です。
◆登校以外の変化にも目を向ける
返事があった、目が合った、同じ部屋で過ごせた。そんな出来事も、親子のやりとりの変化です。例えば、その日にあった小さな変化を一つ、書き留めてみるところから始められます。
◆夫へ子育ての様子を共有するときは、子どもの小さな変化を伝える
大変なことを隠したり、明るく話したりする必要はありません。話せそうなときに、例えば「今日は声をかけたら返事があったよ」と、実際にあったことを一つ添えてみる。子どもの今を、一緒に確かめる会話につながるかもしれません。
◆ママ自身も、一人で抱えずに頼りながら進んでいく
沢木さんにも、うまく対応できず相談した時期がありました。家族の話を聞くママ自身にも、話を聞いてもらう相手が必要です。まずは相談できる相手に、家庭で起きていることと自分のしんどさを伝えることからでも構いません。
今回の体験は、ママが一人で我慢すれば家庭が変わるという話ではありません。
沢木さんは子どもの発達の知識があるトレーナーの支えを得ながら試行錯誤し、夫も子どもたちも、それぞれ成長させてあげることができました。
ご家庭の状況とママ自身の余裕に合わせて、できそうなところから考えてみてください。
▼登校や勉強をどう進めるか考える前に、まずは子どもの今の様子に目を向けたい。そう感じた方へ

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執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
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