1.発達障害や不登校で勉強嫌いになってしまった子の学び直し
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)で集中力が持続しないお子さんにとって、学校の授業って辛いですよね。
学校生活には、話の聞き逃しや忘れ物など不注意から自信を失う機会が沢山あります。そのせいで、すっかり勉強嫌いになってしまった子もいることでしょう。
また、不登校で学校に行っていないお子さんの中にも、勉強について行けなくなり、すっかり勉強嫌いになってしまった子もいるのではないでしょうか。
今回は、そんな「勉強が苦手になってしまった子」にも対応してくれる学びの場をご紹介します。
東京都教育委員会のサイトを見ると、都立高校には様々なタイプがあることがわかります。
その中でも、エンカレッジスクールは「小・中学校で十分能力を発揮できなかった生徒のやる気を育て、頑張りを励まし、応援する学校」として、学び直せる学校です。
社会生活を送る上で必要な基礎的・基本的学力を身につけることを目的にした制度で、不登校だった、もしくは学校に行っていたけど勉強が苦手でついていけなかった子が学び直すことができるのです。
高校の授業の中で小中学校の内容を教え直してくれます。
高校生なのに小学校の内容から学び直すなんて…と思うお母さんもいるかもしれません。でも、こんなふうに考えたらどうでしょうか?
勉強も学校も大嫌いで何も手をつけられていなくて、いつの間にか勉強もわからなくなって親としてどうフォローをしていいかわからない…
という状態のところに、もう一回チャレンジするチャンスがやってくるのです。良い制度だと思いませんか?
2.ADHDで勉強に集中できないタイプの子にもおすすめ!エンカレッジスクールの授業
私がお邪魔してきた都立足立東高校には、こんな特色がありました。(こちらの学校は、エンカレッジスクールに指定されています)
●30分授業
●生徒の力に応じた習熟度別クラス
●少人数クラスでの授業
特に私は30分授業に心惹かれました。ADHDで集中力のない子にとっては60分の授業は少し長いこともあります。
注意力が続く時間でしっかり学んで、休憩もしっかりする方が向いているかもしれません。
正直言うと私も昔は、勉強時間は長い方がいいと思っていましたし、できないならできるまでやればいいというスパルタ思考でした。
ですので、勉強の苦手があるADHDタイプの息子にも、努力と気合いでやらせようとしていました。
でもそれは親子のバトルを悪化させるだけで、勉強が得意になる方法ではありませんでした。
その子に合ったレベルと時間でOK!と割り切ってガミガミ言うのをやめて見守ると、子どもたちは自分のできるペースで子どもなりに頑張ってやり始めるのです。
ADHDの「集中力」の課題は、やる気や根性で変えられるものではありません。生まれ持った脳の特性です。
その特性によって自信を失わせるのではなく、できるレベルを見極めて「俺、頑張ってる!」と子どもが思えるかどうかを大切にしてほしいと思います。
学ぶ時間が伸びても頑張れるようになる
宿題の量が増えてもトライするようになる
授業中1/3しか聞けなかった話を2/3は聞けるようになる
など、子どもたちは自信がつけば、様々な「成長」を見せるようになり、そのうち「やる気スイッチ」が入り動き出します。
何が何でもたくさんやらせる、というお子さんに合わないスタイルは手放して、お子さんにとっての「ちょっと頑張ればできる」を発見できるお母さんになりましょう。
発達凸凹の子たちの成長を加速させるためにはお母さんが、目標設定を見誤らないことが大切です!
3.自信を取り戻し、その子の良さが輝く進路選びを
学校に行けない子、勉強が苦手な子、そんな子たちに必要なのは「自信」です。
その「自信」を取り戻すのにこの学び直しの制度はもってこいだと思うのです!
発達パステル(グレーゾーン)の子たちに「次は、何をできるようにしてあげようかな」とプランを練るとき、一番大事なのは「できそうなこと」を「少しずつ」クリアさせていくことです。
あとちょっとだけ頑張ったらできそうなこと、もしくは過去にできていてこれなら頑張れる、と思えること…
それらを、スモールステップでクリアしていくことで、自信がつき行動力が上がり発達が加速するのです。
「学び直し」でうまく自信を取り戻してもっと頑張りたい!と思えば、通信制高校でも進学コースや1年単位でコース変更が可能な学校もあります。
本人のやる気が取り戻せたら、いろんな可能性が広がってきますよね。
子どものやる気・自信が伸ばせる環境は探せばきっとあるので、どんどん学校説明会に足を運んでみることをオススメします。
お子さんとお母さんが足を運んで手に入れた情報や感じた印象を大切にして、お子さんの良さが輝く進路選びをしてほしいと思います。
常識にとらわれず、子どもが輝く進路を大胆に選べるお母さんになるために、こちらの記事も併せてお読みください!
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執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
子どもの進路選びで大切なポイント、お伝えしています!