1.発達障害の困りごとを抱えていた不登校の小学生Eくん
お子さんが不登校になると、どうやって過ごさせてあげたら良いのか悩みますよね。
今日ご紹介するのは、不登校だった状態から再登校できるようになった、小学校4年生のEくん親子のストーリーです。
このお話から、不登校のお子さんだけでなく、発達障害の特性を持ったお子さんが動き出すためのヒントが見つかると思います。
Eくんは
・マイペースで集団にあわせるのが苦手
・新しい場所や環境に抵抗感がある
・聴覚や視覚の刺激に敏感
こんな発達障害の特性による困りごとを抱えていました。
集団での生活を重視されがちな学校生活は、発達の特性を持つお子さんにとっては実はとても辛い環境。
Eくんは学校に行かないといけないのはわかっていて頑張るんだけどやっぱり行けない。
一方、お母さんも
「あとちょっと頑張ったらできるのではないか」
「慣れたら行けるようになるのではないか」
そんな葛藤を抱えていました。
ですが、学校に行こうとすると涙がでてきたり体調がわるくなったり…
そんな様子を見てお母さんも「学校に行かない=不登校の選択」をする決断をされたそうです。
そしてお母さんは
「うちの子が不登校なんて」
「勉強が遅れたらどうしよう」
そんな「ネガティブ」な感情は一旦封印して前向きに過ごす道を探ることにされたそうです。
2.楽しい時間を経験して脳をたくさん使う
不登校を選択して最初にやったのは、好きなことをたくさんして楽しい時間を経験することです。
お子さんが好きな生き物に関わることを一緒に体験したり、調べたり、お子さんの好きな場所へ一緒に出かけたり、大好きなサッカーをやらせてあげたり。
「遊んでるだけじゃん!」と思うかもしれませんが、明るい雰囲気で前向きな雰囲気で過ごすメリットがあります。
それが脳をたくさん使っている状態になっていること。
発達障害の特性を持つお子さんには、特に「楽しい!」ことが脳を喜ばせ、発達させるポイントなんです。
そうなると活力も次第にUP!
自分の気持ちを語れるようになったり、それまでは嫌がって避けていたことに取り組み始めたり、変化がみられるようになりました!
Eくんは
「1日家にいるとエネルギーを持て余すからなんとかしなくちゃと思ってる」
自ら話してくれたそうです。
そんな風に考えられるのってすごくないですか?!
そのEくんの言葉をきっかけに、お母さんはフリースクールへ行く道を提案されたそうです。どのフリースクールがEくんに合うのかたくさん調べて親子でよく話し合われました。
お子さんが「行ってみる!」と決断したからこそのステップです。
うっかりやってしまいがちなNG対応は不登校になった!やばい!急いでフリースクールに入れなくちゃというパターン。
大事なのは、お子さんがエネルギーを回復して物事と向き合える状態になっていたということ。
そのステップなしでフリースクールに通わせてもうまくは行きません。
最終的にEくんはフリースクールで自分が学びたいことをたくさん学んで楽しい時間を過ごし、自信を回復して再登校できたそうです。
3.再登校できたカギは“正しいことより楽しいこと”を優先したこと
発達障害グレーゾーンの子どもたちにとって、学校という場所は苦痛を伴う場所になってしまう場合もあります。
再登校を焦るよりお子さんの「行きたくない」の正体と向き合いながら、お子さんに合った環境で安心して過ごす、自信を回復する、これが一番大切なことです。
これは何も、不登校や行きしぶりのある小学生に限った話ではありません。
発達障害の特性を持った子が、イライラしたり、やるべきことをやらなかったりするのは「もう無理なんだけど!」と脳がアピールしている状態で、そういった意味では行きしぶりや不登校と同じ状態です。
だから「正しいことより楽しいことを!」なのです。
勉強は午前中にやらないといけない!=お母さんにとっての正しいこと
よりも…
午前中から一緒に散歩行こうか?体使って運動しようか?=楽しいこと
それが大切な理由をわかっていただけると嬉しいです。
発達凸凹の子の不登校や行きしぶりは、お子さんの年齢が上がってくると、進路、学び、生き方などの問題もでてくることでさまざまな不安も大きくなってきます。
今の学校や偏差値重視の日本の教育ではなかなか『評価 』されないこともある発達障害の特性を持つ子どもたち。
ですが、ちょっと視点を変えて考えてあげれば、発達障害グレーゾーンの子どもたちは動き出します。
そして、将来の可能性もぐーんと広がってきますよ!
執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
不登校・行きしぶりのお子さんへの向き合い方のヒントがわかります!
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