1.発達障害・グレーゾーンの子どもにガッツが見られない理由
もうすぐ冬休みですね。お休みの計画を立てているご家庭も多いと思います。
さて、今日は「子どものやる気」についてのお話です。
「うちの子がガッツを出しているところを見たことがない!」というお母さんはいらっしゃいませんか?
実は、私も息子が部活の試合で「次こそは勝つぞ!」や、テストで「次こそはいい点とるぞ!」など、奮起している場面に遭遇したことはありません。
小中高と、長期休みの間も、宿題の「量」とか「期限」をまったく気にせず毎日のんびり過ごしていました。
いつも変わらずマイペースな息子。
子どものやる気がない様子に、お母さんのイライラは募るばかりですよね。
「超」のつく負けず嫌いの私には、息子が奮起しない理由がいつもわからず、「えーっ!どうしてその状況でガッツを出そうとしないんだ?!」と感じていました。
もどかしくて、「もっと気合い入れなよ!」なんて言ってしまうこともありました。
でもここで、知っておいてほしいことがあります。ガッツが出せないのは気合いのせいではありません!
決して意図的に怠惰にしているわけでは無く、発達障害の特性の1つなのです。
発達に凸凹のある子の中には、ガッツが見えやすい子もいますが、いつまで待ってもガッツが見えてこない子も結構多いのです。
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2.脳の特徴がマイペースに見える原因だった⁉
発達障害・グレーゾーンの子どもが自分からやる気を出さない理由の1つには、脳の特徴が影響しています。
学習障害(LD)や、自閉症スペクトラム(ASD)の子どもには、マイペースな子どもが多いです。
そのような子の脳は、感情をつかさどる部分の発達がゆっくりしていて、とくに他人の気持ちよりも自分の気持ちを感じる部分が弱いという特徴があります。
怠けているわけではないのに、自分の中に燃え上がるようなファイトがそもそも湧きにくかったり、湧いていても、自分でそれをキャッチする働きが弱かったりします。
そのためにマイペースな感じに見えてしまうのです。
実は以前の私は、子どもの年齢が上がるにつれ、「自分で考えて行動してほしい」という子どもの理想像を描いていました。
もちろんそれができる子どもは自分で考え、実行することで、成長と自信を手にしていきます。
でも、発達の特性のある子どもの中には「自分で考えて」ということそのものが難しいタイプの子がいます。
それを知らずに「難易度の高いことを求めてできなかったときに怒る」これが昔の私の姿でした。
発達科学コミュニケーションを学び、子どもの特性を理解して初めて、子どもができること以上を要求する対応では効果がないことを知ったのです。
3.子どもをやる気にさせるには“体験型”の遊びがおすすめ!
では、そんな子どもにはどうやって向き合っていくのが良いのでしょう?
♦子どもがストレスを感じない指示の出し方
コツは、子どもにストレスを与えない指示出しをすることです。
まず大切なのは「どうしてできないの?」「何度言ったらわかるの?」というお母さんの感情を封印することです。
感情に流されず淡々と次にやることの指示を出し、1つずつ出来るたびに褒めましょう♪
お母さんが感情をフラットに保つことで、子どももネガティブな反応をしなくなり行動に移しやすくなります。
さらに行動に移したことで、褒められる。この繰り返しが子どもにチカラを発揮させるシンプルなコツです!
怒ったり急かしたりせず、お母さんも淡々と1つ1つにフォーカスして「次はこれだよ」と指示を出しましょう。
正しいやり方ですれば、指示を出すことは悪いことではありません!
指示ばかりの会話はもちろんNGですが、肯定的なコミュニケーションを重ねた上での、わかりやすい指示は子どもを発達させるのに必須です。
♦「遊び」のチカラを使えば子どものやる気アップ!
子どもに指示を出すといわれれば、すぐに勉強に関する指示が思い浮かぶかもしれません。
勉強の遅れがある発達障害・グレーゾーンの子なら、お母さんは勉強をさせようと焦りがちですよね。
でも、勉強が苦手な子どもに、勉強を強化するだけの声かけをしてもやる気はなかなかでません。
ではどうしたらいいのか?子どもをやる気にさせる方法、それは「遊び」です!
では、なぜ遊びが大事なのか?どんな遊びを選ぶのが良いのか?
「遊び」には、「言葉を使った言語系の遊び」と「言葉を使わない非言語系の遊び」の2種類があり、どちらも大切です。
でも、勉強が苦手な子どもの脳をガラッと発達させたいと思ったら、屋内で体をあまり動かさずにする言語系の遊びより、屋外で目や体を使って感じる非言語系の遊びがおすすめです。
非言語系の遊びとは、アスレチック・スポーツ・キャンプ・釣り・収穫などいわゆる「体験型の遊び」です。
ウインタースポーツのできる地域であれば、スキー、スノボー、雪合戦、そり滑り、なども入ります!
冬休み期間開催している屋内での体験型のイベントなどもありますね。外での活動がどうしても苦手な子には、無理なく参加できそうな遊びをママが探してあげるのがポイントです。
非言語系、体験型の遊びは、「空気を読む」「はっきりと言葉で示されないことを理解する」など、発達障害の特性がある子どもたちが苦手な傾向がある部分を、伸ばすことができます。
発達障害の子どもは、コミュニケーションをはじめとした様々な社会経験が少なく、自分の気持ちや感情を意識する機会があまりないために、マイペースになっているとも考えられます。
非言語の脳の領域は、残念ながら年齢が上がれば上がるほど日常の生活では刺激しづらく、どうしても苦手が苦手なまま残りやすくなってしまいます。
最近は、子ども達はどうしても体験が少なくなってきています。
冬休みは、ぜひ、家族で体験型の遊びをする機会を持てるようプランを立ててみてはいかがでしょうか。
遊びの提案も指示の1つです。
普段使っていない脳の領域を刺激して、マイペースな子どもをやる気にさせましょう!
昔の私は、長期休みが来るたびに息子の宿題の計画を立て、スケジュール通りに子どもにやらせようと躍起になっていたタイプです。
でも、息子の脳にとっては逆効果になることがあると知り、方針を変え、体験型の遊びを意識的に取り入れるようになりました。
自分では良かれと思ってやっていることも、発達科学コミュニケーションの観点から見ると、逆効果になってしまっていることが意外と多いことを、知ってほしいと思います。
この冬休みは、子どものやる気を引き出す「遊び」の提案をしてみてくださいね!
執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
子どものやる気を引き出すアプローチの方法、学べます!