得意なことがない?思春期の発達障害・グレーゾーンの子どもが行動し始める会話術

思春期のグレーゾーンの子どものやってみよう!の気持ちはこれから先の進路選び、学校生活、生き方にも大きな影響を与えます。これといって得意がない場合でもお母さんが家で会話を工夫することで、お子さんの興味関心を見つけ動き出す会話術をお伝えします。
 

1.得意がない子どもの興味関を広げてあげたい

「お子さんの興味関心があることをたくさんやらせてあげてくださいね!」

これ、発達科学コミュニケーションの大原則なので、私もよくお母さん達にお伝えしています。

これを話した時「うちの子は得意なこともないし、何を提案してもまーったく興味を示さず何にもやらないんです」というお声を時々いただきます。

お子さんがチャレンジに対してネガティブになってしまっている状態です

発達障害グレーゾーンの子どもたちの「やってみよう」の気持ちは、これから先の進路選び、学校生活、生き方にも大きな影響を与えます。

たとえば、小学校高学年・中学生になっていざ進路を考えよう、となったときお母さんがお子さんを学校説明会に誘ってもまったく何も興味を示さない…

ということが起きるとこれからの人生の大切な話をできない状態になってしまうわけです。

これは、正直、今勉強ができないことよりも、学校に行かないことよりも、実は大きな「悩み事」です。

いろんな選択肢、いろんな可能性があったとしても、その状態ではお子さんの成長のきっかけを作ってあげられないからです。

そこで、子どもが興味を持って「動き出す」方法をお母さんに知ってほしいと思います。

2.発達障害グレーゾーンの子がお母さんからの誘いを断る理由

思春期の発達障害グレーゾーンの子どもたちが、お母さんの誘いや提案を受け入れたくないのには理由があります。

理由①:お母さんからの提案がいつも嫌なことだから

お母さんが言うことが子どもにとって嫌なことが多いので、子どもが「聞かない」ように脳のシャッターを下ろしてしまっている状態です。

いつもあれしろこれしろと指示が多すぎたり求める要求値が高かったりすると起こりがちです。

理由②:完全に自信喪失

大きくなるまでに叱られたり注意されたりうまくできなかったり「失敗体験」をたくさん積んできた子は、色々提案されても、行動が起こせなかったり、起したとしても遅いということもあります。

それは、どうせまた失敗する、どうせまた叱られる、そんなネガティブ思考になっているからです。

だから興味も示さないし行動も起こさないわけです。

理由③:実はちょっぴり興味があるけど、どう表現していいかわからない

本当は興味があるのだけれどその気持ちをうまく表現できず、興味がないと思われる。

自分の感情の「出し方」がわからないタイプ。

普段から感情を表現するコミュニケーションがとれていない可能性が大です。

大人は行動を起こすとき「すべき」と考えて動けますが、子どもは「したい!」「やりたい!」の感情が盛り上がってこそ行動を起こしやすいのです。

普段からお母さんからの指示が多かったりガミガミ言うことが多いと、この感情の盛り上がりがなくなってしまうのです。

3.子どもが行動し始める会話術

今は勉強が苦手でも、不登校でも、子どもたちは接し方さえ間違わなければ変化・成長していきます!

義務教育終了後にはいろんな選択肢が広がっています。焦らずにお子さんのペースで、お子さんに合った環境で、良いところを伸ばすことからスタートしましょう!

今、勉強が苦手だったり学校に行けないことよりも、親子関係がぎくしゃくしてしまってお母さんの声かけや誘いが全く届かない状態になってしまうことのほうが問題です。

お母さんがあれこれお子さんに提案しても、その状態ではお子さんの成長のきっかけを作ってあげられません。

指示ばかり、命令ばかり、苦手なことばかりをやらせるコミュニケーションのままでは、お子さんの自己肯定感が育ちません。

接し方を変えて、お母さんの声かけがお子さんの脳に届きやすい状態を作りましょう。

もしお子さんが、自分の感情を表現したり人に伝えたりすることが苦手なのであれば、こんなコミュニケーションもオススメです。

実はお母さんが普段から感情表現が乏しかったりすると、お子さんの感情表現が乏しいケースが多いのです。

◆感情のバリエーションを増やす

お母さんが「感情」を表す言葉を日常会話の中で意識して使って、お子さんの「感情」のバリエーションをしっかり増やしてあげましょう。

「楽しい」
「うれしい」
「これは大変だったわー」

なんていう感情表現をオーバーすぎるくらいやってもらっていいです。

お母さんが喜ぶ姿を見て、喜ぶ時にはこれくらい表現していいんだ!

楽しい時にはこう表現したらいいんだ!とわかるようになります。

子どもたちは、素直に気持ちを表現するお母さんを見て、自分の感情に「ラベル」をつけることが上手になっていきます。

こうして、自分も感情は表に出していいんだと覚えていくのです。

◆会話から得意を見つけましょう

指示や注意ばかりではなく、子どもの得意を見つける会話をしましょう

例えば陸上が得意なお子さんとの会話で、子どもが「今日、走り幅跳びで●m跳べたよ」と話してくれたとき、

「何回くらい跳んだの?」
「跳ぶときのコツってあるの?」

など、お母さんが質問して、質問に答えてくれたら、さらに興味関心を示します。

「へぇ~!●回も跳ぶんだね!」
「助走の歩数まで測ってるんだね!」

こんなふうに子どもの答えに対して「すごい!」という感情を乗せて返せばOKです!

子どもがお母さんの返答に乗ってきて、あれこれ話してくれたらそれが得意なものである可能性が高いです。

そうなれば、そのことについての会話をお家で増やすことで、お子さんの得意をどんどん磨くことが出来ます。

もし、子どもの得意なことについてお母さんが詳しくない場合は「お母さんにも教えて」のスタンスで充分です。

お母さんが知らないことの方が実は、子どもは否定されずに自由に話せて楽しいということもあります。

家庭での会話のコツを知って、お子さんの得意発見につなげていきましょう!

1つでも2つでもお子さんにとって気持ちが上がる得意なことがわかれば、それをきっかけにしてチャレンジさせてあげればいいのです。

思春期になるとどうしてもお子さんとの会話が少なくなってきてしまいがちですが、お子さんが興味を持って動き出す会話術、ぜひ試してみてくださいね!

 

執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

お子さんの成長が加速する親子のコミュニケーションの情報、発信しています!

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