1.夏休みの宿題のお悩みといえば「作文」
夏休みの宿題というと、日記や読書感想文と、作文をする機会がたくさんありますよね。
この作文、苦手なお子さんも多いのではないかと思います。
作文になかなか取り掛からないお子さんにどうやって書かせようか、頭を悩ませていらっしゃいませんか?
発達障害・グレーゾーンの子どもも、作文が苦手な子が多いです。
そこで、今回は「親子の会話で伝える力がのびる!夏休み作文クリア大作戦」をお届けします!
2.発達障害・グレーゾーンの子が作文が苦手なワケ
作文って、実はマルチタスクです。
日記であれば出来事を振り返りながら、読書感想文であれば本の内容を思い出しながら、文章を組み立てて文字を書いていくのですから、複数のタスクを同時にこなしていかなければなりません。
発達障害・グレーゾーンの子は、このマルチタスクが苦手な子が多いのです。
たとえば、書くことが苦手な子の場合は、文字を書くことに精一杯で、思考する脳がストップしてしまいます。
また、注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子の場合は、こまかい内容を覚えてなかったり、文章を整理して組み立てることが苦手な傾向があります。
自閉症スペクトラム(ASD)タイプの子は、答えがないものをどう書けば良いのかわからなかったり、「どう感じたか?」を書くように言われても感想が思いつかない、なんて事が起こります。
発達凸凹の子が、ひとりで作文の課題をこなすのはハードルが高いのです。
苦手な子に、大人が思うレベルのことを求めると、「嫌だな」「うまく書けないし、思いつかない」とマイナス思考になってしまって、余計に書けなくなってしまいます。
脳はネガティブなことに関しては、思考をストップさせてしまうのです。
では、どのように夏休みの作文の宿題をサポートすれば良いのでしょうか?
子どもの脳を働かせて、作文をサクッと終わらせるコツを次の章でご紹介します。
3.作文の宿題を親子の会話でサポート!
苦手な子に、ただ「作文を書きましょう」と言っても、「何を書いたらいいの?」と思考がストップしてしまうのです。
思考をストップさせず、頭の中の情報をうまく引き出してあげるには、「お母さんが質問して答えをどんどん出させる」のです。
作文は、インタビューするとうまくいきます!
お子さんとの会話をしながら、感情や気持ちを引き出して、言葉にさせてあげるのです。
お子さんが話したことを肯定して聞きながら「そうなんだ、じゃあ、◯◯は?」と質問してどんどんアウトプットさせてあげてください。
会話が苦手なお子さんであれば、お母さんの質問で自分では気づいていない感情をわからせてあげたり、
気持ちを言えるようにしてあげます。
おしゃべりなお子さんであれば、「それは、こういうことなんだね。」と話をまとめてあげたり、何を伝えたいのかを整理してあげるのです。
お母さんは、会話の中からキーワードを拾って、メモしておいてあげましょう。
それをちょっとまとめてあげて、「こんなにアイデアあるじゃん」と見せてあげることで自信がつくし、ちょっとやってみようかなと思わせてあげることができます。
作文に対する苦手さが強ければ、お母さんがまとめて下書きみたいに書いて、うつさせてあげても良いのです。
自分でやってみる、書いてみるという行動にうつすことができれば、脳は働き出すし、子どもにとって「作文をイヤイヤでなく書けた」と成功体験にもなります。
普段の親子のコミュニケーションでも、会話をしながら、感情や気持ちを引き出して言葉にさせてあげることを心がけていると、作文を書くときに「自分は何を伝えたいのかな?」と考えられるようになってきます。
会話のキャッチボールをすることで、情報を整理したり、アウトプットする力も伸びてきます!
自分の考えや気持ちを的確に伝える力は、生きていく上で必要な力です。
夏休みのこの期間に親子の会話を増やすことで、作文の苦手さを少しでもなくして、楽しいお休みを過ごしてくださいね!
執筆者:山南あや
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)