1.漢字の宿題に苦戦していませんか?
夏休み、お子さんが苦手な分野の宿題に苦戦していませんか?
なかなか取り組まない様子を見ると、ついつい「ちゃんと勉強しなさい!」と言いたくなりますよね。でも、子ども達は自分の苦手分野の勉強につまづくことで、やる気をなくしているかもしれません。
発達障害の特性がある子ども達は、漢字が苦手なことが多いです。
みなさんだったら、漢字がわからず困っているお子さんにどんなアドバイスをしますか?
●覚えるために、たくさん書きなさい
●辞書を引きなさい
●教科書に載っているから調べなさい
きっと、こんなアドバイスをしますよね?
でも、発達障害の特性がある子ども達の場合は、勉強の仕方にも工夫が必要です。
2.発達障害の子どもが漢字が苦手な理由
我が家の注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの息子も漢字の宿題に苦戦していました。
息子の場合は、言語に関する勉強や情報整理がとっても苦手です。
発達障害の特性がある子が、漢字が苦手な理由は他にもいくつか考えられます。
●見る力が弱く、漢字の形を覚えることができない
●協調運動が苦手で「書く」作業がスムーズにできない
●学習障害があって文字を読むことが難しい
子ども達は、私たちが想像しているよりはるかに負担感を感じているのです。
ただ「たくさん書きなさい」「辞書を引きなさい」と言うだけでは、漢字への苦手意識がさらに強くなってしまいます。
3.非常識?でも効果バツグンの○○○活用術
息子が苦戦していた漢字の宿題は、「読み」を調べるというものでした。
辞書を引けば済むところではありますが、言語に関する学習が苦手な息子にとっては、それすら苦痛だったのです。
そこで!私が繰り出した裏ワザがこちら!
スマホの漢字辞典手書きアプリです!
使い方は、スマホ画面の枠の中に指で漢字を書くだけです。
そうすると音読み、訓読み、画数、部首、熟語のバリエーション、さらに表示された熟語をタップするとそのヨミと意味まで出てくるのです!なんて優れモノなんでしょう!
…って、それはさすがに反則でしょ!とお感じの方も多いかもしれませんね。
私も、ずっと「勉強とは学校が決めたやり方でルールに従ってやるべきである!」と思っていました。だから息子にも
「辞書を引きなさい」
「部首を考えなさい」
「画数を数えなさい」
「覚えるまで書きなさい」
と、言い続けていました。ところが、発達障害の特性がある子ども達の中には学習の一部の能力だけに困難がある場合があります。
努力ではどうにもならない脳の苦手分野をガミガミ言いながらやらせるのは、子どもの勉強への抵抗感を強めてしまうだけでなく、自信とやる気を失わせ、親子のコミュニケーションを悪化させる原因にもなります。
だから、息子の特性を知った私は「スマホアプリ」を活用するという裏ワザに踏み切ったのです。
息子にやらせてみると…
●慣れ親しんだスマホだから抵抗感なく取り組める。
●字を雑に書くと認識されない。もちろん間違った字も認識されない。何回も消して書く、を繰り返すので書く練習になっている。
●宿題を終えられた、という達成感が得られる。
といった様子でした。
もちろん、これはあくまでも一例です。
息子の言語学習が苦手という特性を考えたときに、負担を感じさせずに”うっかり”勉強をさせる方法…ということでたどり着いた対応策でした。
これは、今の教育現場では支持されないやり方かもしれません。
でも、目が悪い子が眼鏡をかけるように、発達の特性のある子がICT(情報・通信に関する技術の総称)を使って苦手を補っていく、それが当たり前になる時代を私は作りたいと思っています。
だからと言って、みんなでアプリを使いましょう!という話ではありません。
大切なのは、勉強に限らず日常生活も含めてお子さんの特性・個性をお母さんが理解して、やる気を引き出してあげることです。
発達障害の特性のある子どもは「得意」「不得意」の凸凹が大きい、そのことを理解せずにお母さんのやり方を押し通してますますエネルギーを減らしてしまうのか、お子さんの得意とうまくマッチさせてやる気を引き出すのか、ここはお母さんの腕の見せ所です。
今までの常識にとらわれず「苦手」と「得意」をマッチさせて、やる気を引き出してあげてくださいね。
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
常識にとらわれない、子どものやる気の引き出し方のコツお伝えしています!