1.「なんでできないの?」と言ってませんか?
子どもがなにかをやるときには、必ず理由があります。
それが無意識だったとしても、その無意識には癖があるかもしれない。
それを見つけてあげられたら、その子はそこを乗り越えられるかもしれません。
そこを乗り越えることで、次にできることも増え成功体験が確実に増えます。
そうしたらどうですか?
大人のこれしてほしい、あれしてほしいと要求が高いときに、ついやってしまいがちな「なんでできないの?」などの否定の声かけ。
その声かけ1つで子どものやる気を削ぐか、一呼吸おくことで、その先の成功体験を増やす体験をさせてあげられるかは、周りの大人の対応しだいです。
今回は、大人の要求値から出てくる『なんでできないの!』などの言葉を、変換して伝えることの大切さについてお話しますね。
2.娘がこころ折れそうになるのを食い止めた母の視点
わが子でこんなことがありました。
これは発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学ぶ随分前のことですが、現在19歳の長女がバレーボールの少年団に入っていた頃。
小学5年の3月に全国大会に行きました。
上の学年の先輩たちが非常にレベルがたかく、その中でプレイしていたわけなのですが、練習時いつも取れているボールがレシーブできない、ボールが取れない、そんなことがありました。
ボールをレシーブして、それを繋げてアタックして得点を得ていく。
これがバレーボールです。
ところが、今まで全く問題なく取れていたボールがどんどんレシーブできなくなっていく…
私はどうしたんだろう?と思いました。
何せ強豪チームですから、監督はともかくとして周りの保護者も
『なんで取れないんだ!』『何やってんだよ!』『ちゃんと取れ!』と横から観戦するわけです。
わが子とは言え、この時はどうしたんだろう?と不思議に思いました。
少し前まで取れていたボールなんです。
なんでできないの?という視点ではなく、何かあったのかな?という視点で、娘と帰りの車の中で話しました。
そうしたら、返ってきた言葉が『あんまり良くボールが見えない』と言うのです。
そして、早速翌日に眼科へ行きました。
すると長女の目は、視力が落ちてしまっていたのです。
私は「見えなくなっているなら見えないって教えてくれればいいのに。」と長女に話すと、診察室のドクターが「お母さんそれは難しい話よ。目ってね徐々に悪くなるの。だから本人もだんだんと見えなくなっているからわかりづらいのよ。」と言われました。
そこから、メガネを使い距離感も感覚が掴めるようになると、レシーブできる娘に戻りました。
これを私まで『なんで取らないの?』なんて言っていたら、娘はどうなっていたことでしょう?
きっと、こころ折れていたのではないかと思うと、気づけてよかったです。
3.子どもを伸ばす言葉にチェンジする
どうですか?
みなさんのおうちやお子さんを取り巻く環境で、このようなことってありませんか?
スポーツをしていると、コーチや応援に来ている保護者に心無い言葉を言われることありますよね。
そんなときは、お母さんも一緒になって「なんでできないの?」ではなく、違った視点を持ってほしいです。
子どもの気持ちになって「どうして~できないのかな?」を考えてください。
人は、本当は、こうしてほしいのに、こうなってほしいのに、「なんで~してない」「なんでこんなことをするの?」「なんでできないの?」と否定の言葉を使ってやらせようとしてしまいがち。
ですので
「なんで取れないんだ!」「ちゃんと取れ!」→「取れるよー!取っていこー!」
「何やってんだよ!」→「ドンマイ!!」
などに変換して、お母さんは応援していく、または、違った視点からの可能性を考えてみる。
これをぜひやってみて欲しいと思います。
“お母さんだけはあなたの味方”とお子さんに伝えられれば、お子さんはぐーんと伸びていくことができますよ。
執筆者:遠藤有里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)