1.お子さんが、しない・やらないのには理由があります
「全然勉強しない」
「片付けしない」
「うるさく言ってもやらない」
発達障害思春期キッズのお母さんは必ずと言っていいほど、感じたことがあるお悩みではないでしょうか?
言っても言ってもやらない・やる気のないお子さんに”うんざり”してしまいますよね。
お子さんが、
やる気がない、
物事を先送りしたがる、
いつやるかを決めない、
やるのかやらないのかも決めない
というのは、一見お母さんからしたら、
ワガママなんだから!
口ばっかりなんだから!
嘘ばかりなんだから!
と納得のいかないことかもしれません。
でも、発達障害の子どもたちは、動き始める時に、私たちの想像以上に脳に負荷をかけて、エネルギーを使います。
なので、行動する=やる気になるには時間を要することが多いです。
また、脳が覚醒している時もいつにも増して
聞いていない
聞いても忘れる
動きたくない
と、めんどくさいくん(ちゃん)になってしまいます。
思春期キッズは成長過程で心理状態もグッと発達してきますので、この時期に上手にやる気をおこさせて、行動できるようママがサポートできたらいいですよね。
「やる気」のモチベーションはどこからおこるのでしょう?
ママがおこさせるものなのでしょうか?
2.発達障害思春期キッズの”やる気スイッチ”どうしたらONできる?
まずは「やる気」のメカニズムを紐解いていきましょう!
やる気には、2つのモチベーションがあります。
一つ目は、「自分がやりたいからやる!」というやる気。
例えば、
・新しいことを知るのが楽しみだから勉強する
・部活が楽しいから練習をがんばる など
興味があるから勉強するといった好奇心、
もっとうまくなりたいという向上心、
やることそのものが好き・楽しい
という
子どもが自分でやる気を生み出して行動をしてしまうモチベーション。
これはとても理想的ですよね!
2つ目は、
「自分の意思とは別に、誰かから、何かから、行動を左右される」というやる気。
例えば、
・テストで90点取ったらお小遣いがもらえる
・試験に合格すれば希望した高校に入学できる
・スポーツ大会で優勝するために練習する
などその活動を頑張ったら、ご褒美があるからがんばろう! という
ご褒美や、メリットがあるから行動するモチベーション。
そもそも、ご褒美があるから「やるよ」と動いたら、その結果「俺ってできるじゃん」となって、”できた”を実感する。
ここから、自分がやりたいから動くというモチベーションに変わっていくことが多いです。
なのですが…ここで、お母さんたちがやりがちなことが、 「自分がやりたいから動く」というモチベーションを生み出すことなく、ご褒美だけでずっと子どもを動かそうとすることです。
つまり、 『ご褒美があるからする』『〇〇するために勉強する』という風だと、思春期の子どもは、自分の意思で動いてないと感じ、やる気をおこしている感覚が弱くなることがあるのです。
また、一度やり遂げると、次から努力をしない、動かない子どもに育ってしまうこともあります。
それなので、親が「やったらいいよ」「これだけ勉強したらいい高校へ入れるよ」など本人の意思以外のモチベーションを与え続けると…
子ども本人の意思で
「これを将来やりたい」
「楽しいからやりたい」
「興味があるからやりたい」
などの好奇心からの子どもの「これやりたい!」と自らの「やる気」を持てなくなってしまいます。
お母さんが言うからやる、先生が言うからやる、という『やらされ感』満載で自分で自分の行動や将来の進路・目標・夢を決められない子になります。
お母さんたちがめざすお子さんの『やる気の姿』は、お母さんや周りの人が「これをやれあれをやれ、そうすればこうなれる」と言い聞かせて、動く姿ですか?
それとも、自分で考えて目標を立てて、やりたいからやる姿ですか?
この違いが、やる気を生み出して続けられるか、行動して「できた」という自信を自分のものにできるかに大きく影響してきます。
だからといって、「やる気になるのはいつなのかな?」とずっと見守っていても動きませんよね。
なので、お母さんには、発達障害思春期キッズが、少しの時間と少しのパワーで、パフォーマンス力を発揮できるコツを知って欲しいのです。
3.ママの戦略的な関わりがお子さんを成長させる!サポート術とは
そのコツは、
・子どもの様子をしっかり観察する
・子どもが嫌がるとき、不機嫌な時にやらせない
・子どもに行動のゴールをイメージさせる
具体的には、1日の時間で子どもが動きやすい時間や苦手な時間をしっかりと観察してみてください。
例えば、朝が弱い子、学校から帰ってきたらヘトヘトで動きが鈍い子など一人一人動ける時間や苦手な時間が違いますよね。
苦手な時間は脳が働いていないので、やる気スイッチは入りません。
だったら、得意な時間にやる気スイッチを入れるんです。
そして、ダラダラやらせず、
時間を決めて、
手順を教えて、
明確なゴールをイメージさせてあげたり、見せてあげたりする。
「やり終えたらお菓子食べようね」というご褒美作戦は、使っていらっしゃるお母さんも多いと思いますので、発達障害思春期キッズには、見えない満足感を与えてみましょう。
見えない満足感とは
・やり切ったという満足感を感じさせること
・できた自分をわからせること
・次も頑張ったら、もっと達成感を感じられるのではと自尊心をくすぐる関わり方
・お母さんの声かけです。
例えば、いつも宿題にダラダラと時間がかかってしまっているのであれば…『まず、5分だけでいいから集中してやってみよう』と言ってみる。
できたらしっかり褒めてあげること!そして次の日は…『昨日5分間集中できたんだから、今日は7分にチャレンジしてみようか!?』といったように、少しずつ時間を長くしてチャレンジさせます。
いつものルーティンをちょこちょこ変えていくと脳のやりたくないルーティン思考から脱却できて、新しいチャレンジが刺激になって、やる気が継続していきますよ。
また、時にはちょっと限界を超える、リミッターを外すことにも挑戦させてみてください。脳がさらに発達します!
発達障害思春期キッズのやる気を伸ばすには、特性を知って戦略的に関わっていきましょう!
やる気を引き出して、行動力がアップしていきますよ!
執筆者:山南あや
(発達科学コミュニケ―ションリサーチャー)
お子さんに合った戦略で、やる気スイッチが見つかりますよ!
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