発達障害グレーゾーンキッズの金銭感覚を正しく育てる!「欲しい!我慢できない!」を解消するおウチお金教育

うちの子金銭感覚大丈夫かな…と不安になったことはありませんか?発達障害グレーゾーンのお子さんが欲しいものを我慢できない理由には特性がからんでいるのです。おうちでママが正しい金銭感覚を養ってあげられる方法を3ステップでご紹介します。

1.発達障害グレーゾーンの子が「欲しい」を我慢できない理由

「なんで買ってくれないの⁈」

「欲しい」が我慢できずにお店でかんしゃくを起こしてみたり、やたらと高額のものを「買って欲しい」と迫ってきたりするお子さんに、頭を悩ませていませんか?

また、クリスマスプレゼントやお年玉をもらえるこの季節、年齢が上がってくると頂ける金額が高額になり、普段は買えない高額なものを買ってしまっておこずかいはすっからかん…

というお子さんもいるかもしれませんね。

発達障害グレーゾーンのお子さんの金銭感覚や、欲しいという欲求に対してどう対処したらいいか困っているおウチも多いことでしょう。

発達障害グレーゾーンの子が「欲しい」を我慢できない理由を少し紐解いてみましょう。

ADHD傾向のお子さんは衝動性の強さがあり欲しいと思ったものを欲しがったり買ってしまったりすることがあります。

周りの人が、我慢できない様子を見て、「少し我慢したら?」など、自分に都合の悪い声かけに対しても、衝動的に反発してしまうことがあります。

反発が言葉や態度にあらわれない場合でも、欲求がたまってストレスとなってしまいます。

ストレスを感じることで、気持ちが不安定になり、ちょっとしたことも我慢ができなくなったり、かんしゃくを起こしたり…

また計画性の部分でも課題があるのでいくら貯めたらこれを買おうという思考が働きにくく、とにかく欲しい!の欲求が強くでてしまう。

ASDタイプのお子さんの場合はこだわりの強さがあって譲れなかったり我慢ができなかったりすることもあります。

発達障害グレーゾーンの子の「我慢できない!」や「金銭感覚」はただ、我慢させたり正論で説いてきかせても実はうまくいきません。

加えて、認知のズレが親子のいざこざの原因になっていることもわかりました。

今回は、お金の価値を学んだり、計画的に使うことを覚える、おウチでの親子のお金の勉強のコツを、我が家の実践例をもとにご紹介します。

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2.欲求がエスカレートしていく息子に不安を感じた過去

我が家の息子は、ADHD・LD・ASDのミックスの発達障害グレーゾーンの子です。

習い事をさぼって、お小遣いをもってゲームセンターに遊びにいくような子でした。

欲求がコントロールできない息子の様子に不安を感じたのが小学校低学年のころ。

少し大きくなり「ゲームが欲しい」「ソフトを買って欲しい」とどんどん要求がエスカレートしていきました。

そして思春期を迎えたころには、

「欲しいものを何も買ってもらえない!」

キレて暴れるほどになっていました。

家にあるお金を盗んで自分の好きなゲームやおもちゃを大量買いしてしまうこともありました。

小学校の頃からお小遣いもあげていたし(額は世間の相場だと思います^^)クリスマスやお誕生日には10,000円までなら好きなものを選んでいいよ!と話もしていました。

それなのに
「お小遣いが足りない」
「何も買ってくれない」
息子の言葉に、私も感情的に対応してしまうことが多々ありました。

私は、クリスマスプレゼントで10,000円というのは妥当な金額だと思っていました。

ですが息子のほしいものは20,000円30,000円する場合もあり、さすがにそれは無理なので

「10,000円の範囲で考えなさい」

と伝えていました。

私の中では
「10,000円の範囲で“欲しいものを買ってあげている”」という認識。

ですが息子からしたら
「いつも欲しいものを “我慢させられている”」という認識。

いつもケチケチしやがって!と思っていたはずです。

それが
「いつも欲しいものを 買ってもらえない!」
という暴言になり、親子の溝になっていたのです。

これは、お金の価値における認知のズレの一例です。

最初のうちは息子の言っていることに全く理解も共感もできず喧嘩をすることが多かったのですが、それも特性の1つなんだと気づいてからは

「じゃあ、どうやってこの認知のズレを落ち着かせるか?」を考えるようになりました。

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3.理論ではなく体験から学ぶ!おうちお金教育3つのステップ

我が家で実践した3つのステップを紹介します。

◆1 荒れた思春期を落ち着かせるには「受容される」経験から

お金のこと以外でも怒られることが多かった息子。
思春期を迎えて二次障害の状態になっていました。

なので、その荒ぶった脳を落ち着かせることからスタート!

それは、金額の制限を外して息子が欲しいと言ったものを「買ってあげる」こと

つまり自分の思いを受容してもらえたという体験を積むことからでした。

買ったのは30,000円するフィギュア(人形)です。
私からしたら「なんでこんな人形に30,000円?!」という状態でしたが、息子と話をしながらそのフィギュアがどうしていいのか、どうしてこの金額なのか、など話をしながら購入を決めました。

※金額についてはご家庭での許容範囲があると思いますので、ご家庭での話し合いで可能な範囲で考えてくださいね!

息子は「買ってもらえた」ことにとても満足をしてそこから「何も買ってもらえない」という発言はなくなりました。

◆2 お金を工夫して使う機会をつくる

お金を持たせたら無駄遣いをするかもしれない、という不安を手放しておつかいを頼むようにしました。

買って欲しいものを伝えて少しお釣りが出るくらいの金額を息子に持たせます。

そして「お釣りが出たら 自分の好きなものを 買っていいよ」と伝えたのです。

そうすると息子は自分の買いたいもののために一生懸命お釣りが多く出るように買い物を工夫するようになりました

「今日は、卵がいつもより 高かったんだよー」
「小松菜って200円もするんだね、高くてびっくり」

などと言いながらお金の価値とやりくりを学ぶようになりました。

◆3 お小遣いの使い道は制限しない

毎月固定であげているお小遣いについては使い道を制限しないことにしました。

以前は、ゲームで課金をすることは禁止!と強く制限していたのですが、お小遣いの範囲なら自由につかってよし、に方針を変えました。

すると、自分の欲しいアイテムのために無駄遣いをやめて貯めたり使うタイミングを決めて計画的につかう工夫をはじめました。

こんなやりとりを経て息子の大きくズレていた金銭感覚は、落ち着いていきました

今では、お小遣いの中でやりくりをしたり、自分がお金を使いすぎてしまいそうな時は「母さん預かってて!」と渡してきたりしながら自分なりにお金との付き合い方を考えるようになっていきました。

自分のお小遣いの範疇では買えないものがあれば「これが欲しいんだけど」と相談してくれるようになりましたし、以前のように隠れてお金を持ち出したりすることがなくなりました。

親子で相談して、「それはちょっと高すぎるかな」と言えば
「じゃあ、いくらくらいまでならいい? 他のものを探すよ」
などと自分の中で折り合いをつけることもできるようになっています。

大学生になった今では、自分でバイトをしてお金を稼ぐようにもなっています!

ただ制限したり禁止したりするだけではなかなかうまくいかない発達障害グレーゾーンの子たちの「金銭感覚問題」。

上手にお金と付き合う方法を親子の対話を通じて上手に体験させてあげるのはいかがでしょうか?

お小遣い帳などもアプリで便利なものがたくさんありますのでテクノロジーの力もかりながらやっていきましょう!

※お子さんの手の届かないところにお金を置く、オンラインでクレジットカードが自由に使える状態にしておかない、などの注意は普段から大人が気を配っておきましょう。

執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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