1.戦いごっこで「やってしまった!」発達障害の傾向がある子がはしゃぎ過ぎてしまう理由
うちの子ははしゃぎ過ぎて困る、もっと落ち着いてほしい!と感じていらっしゃるお母さんいませんか?
友達同士や兄弟で遊んでいる中、一人だけずっとはしゃぎ過ぎてしまう。
戦いごっこをすると、ヒーローになりきりすぎて友達に攻撃してしまう。
悪ふざけして浮いている場面に出会うと、親としては「いい加減落ち着いて!」と言いたくなりますよね。
ちょっとした暴力になってしまうと、親御さんにもお詫びをしなければならなくなったり、幼稚園や学校から注意の電話がかかってきたりと、お母さんにとっては頭を悩ませる重大なお悩みだと思います。
そもそも、発達障害の傾向がある子は、なぜはしゃぎ過ぎてしまうのでしょうか。
それは脳の発達に理由があります。
発達障害の傾向のある子どもは、周囲の状況を見て理解する力が弱いことがあります。すると、周りの子がもう次の話題に移っていたり、遊ぶのをやめていたりしても気づかずに続けてしまう、相手の子が嫌がっていても気づかないということが出てきます。
また、感情をコントロールする力が弱い傾向のお子さんは、楽しくなって出てきた行動をうまく調整できず、結果はしゃぎ過ぎて浮いてしまったり、力が強くなりすぎてしまったりして、お友達に危害を加えてしまうこともあります。
このように、発達の特性からはしゃぎ過ぎてしまっている場合、「落ち着いて!」といったところで、落ち着ける方法が育っていないため、うまくいかないことが多いのです。
小さい頃は周りの友達も気にしないで過ごせていたはしゃぎ過ぎも、成長とともに集団から浮きやすくなってしまいます。
特に思春期になると、コミュニケーションが高度になり、場の空気に合わせた行動が求められ、仲間同士のつながりが強くなっていきます。
その時、はしゃぎ過ぎてしまう状態のままだと、空気の読めない子、攻撃してくる子と見られてしまい、グループ化し始めた友人関係から孤立しやすくなってしまいます。
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2.はしゃぎ過ぎが成長とともに友達トラブルに変化してしまう
我が家の注意欠陥多動性障害(ADHD)と自閉症スペクトラム(ASD)の傾向を持った息子も、高学年になり、友達の中で孤立してしまいました。
楽しくなりすぎて手が出てしまったり
おしゃべりが止まらなくなってしまったり
発達の特性から感情が抑えきれずにはしゃぎ過ぎている場面が続いていたのです。
他にも自閉症スペクトラムによる認知のずれから、友達のことをわざと悪く言って反応があることが、面白いと思って繰り返してしまったり…
低学年の頃は、面白い、仕方ないと思ってくれていた、行き過ぎた行動も、周りの子たちの成長とともに受け入れられなくなり、悪ふざけは迷惑行為と受け止められてしまうようになりました。
息子は仲良くなりたくて一緒にいようとしていましたが、周りの友達との成長のギャップから、息子は「おかしな子」という目で見られ、息子にとって学校はストレスの多い場所になってしまいました。
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3.戦いごっこも安心!「はしゃぎ過ぎ」を落ち着ける、親子のコミュニケーション
発達障害の子どものはしゃぎ過ぎを抑える力は、家の中の親子のコミュニケーションで伸ばしてあげることができます。
それは、子どもがはしゃぎ過ぎたときに、反応をしないこと。
そして、自分ではしゃぎ過ぎを落ち着けることができた時にしっかり肯定してあげることです!
さっきまで楽しくしていたお母さんが急に反応しなくなると、子どもに「あれ?」という気持ちが芽生えます。すると、状況を客観的にみて、行動を修正しようとする力が働き、はしゃぎ過ぎていた感情を抑えることができます。
具体的には、全く体を向けずに掃除をし始める、怒りも楽しいも感じない無表情になる、もくもくと食事をする、などです。
大事なのが、子どもが「あれ?」と気づいて落ち着いた瞬間に肯定してあげることです!
肯定をしっかりしてあげることで、
「これが正解だったんだ!」
ということが子どもにしっかり伝わり、だんだんと正解の行動が増えていき、感情を落ち着ける方法を獲得することができます。
我が家でも、息子が兄弟での戦いごっこで力が強くなってしまう時や、楽しくなりすぎて汚い表現が出てきた時に、反応せず待ちました。(落ち着いているときにルールを決めているとさらに伝わりやすくなります)
すると自分でやめることができ、
「いいね、続きしよっか」
と肯定して楽しく遊ぶことができ、家の中でやりすぎてしまうことはなくなりました。
家の中で気持ちをコントロールしてよい行動が増えていくと、脳が発達して、お友達とのかかわりの中でも、うまく気持ちを整えてコミュニケーションをとる力がついていきますよ!
発達障害の子が成長する声掛けは、ストレスのない家の中から始めてあげることが成長の近道です。
ぜひ家の中での方法、試してみてくださいね!
執筆者:やなぎ みほ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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