1.子どもがタイムリミットに間に合わないときは自己効力感を高めるチャンス!
お子さんが好きで通っている習い事。
好きなはずなのに、先生に言われた宿題をなかなかやらない。家での自主練習が続かない。
そんなことありませんか?
お子さんや生徒さんがタイムリミットを前にして、間に合わないかもしれない。
ママや先生も必死になって根性論で子どもと一緒に頑張りますか?
ママや先生に時間の余裕があれば子どもに付き合ってどうにか間に合わせることができるかもしれません。でもそれってせっかくの子どもの発達のチャンスを奪っていることになっているんです。
「どうにかして、間に合わせてあげたい!」何か良い方法はないのでしょうか?

実はママや先生が時間をかけなくても、子どもが自主的に取り組めるようになる方法があるんです。
その方法、時間も手間もかかりません。子ども自身もそれをやることによって、やる気が引き出され「やればできる!」という「自己効力感」をアップさせること間違いなしです!
そんな方法、お教えしますね!
2.子どもの焦る気持ちを利用して時間の当たり前を変えたい
私の教室に通うTくんは発表会を3週間後に控えたレッスンで最後まで曲が弾けていませんでした。
どうしてもカッコよく弾きたい曲なのにうまく弾けるようになりません。
毎日練習しているのに最後まで譜読みも終わっていません。本人も焦っています。

毎日どれくらいの時間練習しているのか尋ねると 30 分位ということでした。
「これだな」と思いました。Tくんが時間の当たり前を変えられるチャンス到来です!
私はT くんの焦る気持ちからやる気を引き出して自主的に練習してもらい、自己効力感を高める機会にしたいと思いました。
Tくんが発表会で練習している曲をカッコよく弾くためには、毎日30分の練習では間に合わないと思いました。でも「もっとたくさん練習しないとダメだよ」とは言いたくありませんでした。
なぜならTくんが自発的にやる気を持って取り組んでそれが達成できれば、Tくんの自己効力感を高めることに繋がるからです。
3.ちょいムズ課題とご褒美作戦でやる気を引き出す方法
私は脳の性質を利用した「やる気を引き出す」ある方法でTくんにアプローチすることにしました。
ある日のTくんのレッスンでの私とTくんの会話です。
T くん 「ヤバイ。弾けん。間に合わん。」
私 「発表会でどんな風に弾きたい?」
Tくん 「間違えずにカッコよく弾きたい。」
この時、T くんは最後まで通して弾くことができませんでした。
「ここが難しい、ここがどうしても弾けない。」
私 「弾けないところ、わかってるやん。お家でどうやったら弾けるようになると思う?」
Tくん 「抜き出し練習」
私 「だよね。ゆっくりだったらできるんだから、ゆっくりを何度もやればできるようになるよ ね。」
Tくん 「確かに」と言いながら、ウンウンと頷いていました。
私 「Tくんさ、来週のレッスンで最後まで通して弾けたら何かご褒美あげるよ。何が良い?」
Tくん 「ご褒美?なんでも良いの?最後まで通して弾けたら?できるかなあ?」
と言いながら考えていました。
Tくん 「じゃあ、シール 500 枚でも良いん?」
私 「シール 500 枚ね!わかった!」
Tくん 「よっしゃあ!シール 500枚!」
教室では生徒は皆シールを貯めています。
シールの数が多い子上位3名は毎年クリスマス会で表彰されます。
私 「毎日 2時間練習したらできるかもよ。」
Tくん 「2時間かあ。よし!」
とTくんはその日のレッスンを終えて帰っていきました。

脳って“ちょっと難しいこと”をやると集中できてしかも伸びるんです。
そして脳は“ご褒美”が大好きなんです。脳って楽しい時、ウキウキする時に伸びます。
ご褒美ってウキウキしますよね。
この“ちょっと難しいこと”とウキウキする”ご褒美”のダブルのアプローチで脳に刺激を与えて
Tくんのやる気を引き出し、自己効力感を高める作戦です。
4.ついに2ヶ月間できなかったことを1週間で達成!
そして1週間後のレッスンで 、Tくんは最後まで通して曲を弾いてくれました。
今まで2ヶ月かけて、できなかったことを1週間でやってきたのです。
そして「できるかなあ?」と不安げに言っていた「最後まで通して弾くこと」を 、1週間で達成することができて、Tくんは「やればできる!」という「自己効力感」を高めることができました。
毎日どれくらい練習したのかを聞いてみると 1時間とのことでした。
Tくんの練習時間「30分」の当たり前が「ご褒美作戦」によって「1時間」に増えたのです。
Tくんが毎日 1時間練習することは T 君にとっては少しハードルの高いことだったかもしれません。
でも「ご褒美」に釣られて T君はやる気を出し、ハードルを超えてくれました。

発表会まであと 2 週間と少し。
Tくんの目標は曲をカッコよく弾けるようになることですが、
私の目標はTくんのやる気を持続させて「自己効力感をもっと高める」ことです。
まだまだ、曲がスラスラ弾けるところまでは到達していません。
私は「ちょいムズ課題とご褒美作戦」でTくんのやる気を持続させながら
曲の仕上がりを楽しみにレッスンしていきたいと思います。
いかがでしたか?
ママや先生は“ちょっと難しい課題”と“ご褒美”を提案すれば、
子どものやる気を引き出してあげられます。
あとは子どもを信頼して任せるだけです。
もしタイムリミットに間に合わなくても、
「やればできる!」という自己効力感が育っているので次の挑戦へとつながりますよ!


▼ママや先生の声かけでぐんぐんやる気を育てられます!
毎日声かけのコツをお伝えしています!



