YouTubeの観たい動画の順番で毎日のように起きていた兄妹げんか
我が家では、YouTubeで何を先に見るかで兄妹げんかが絶えませんでした。
お互い「これが見たい!」と一歩も引かず、リモコンの奪い合いになることもありました。
ときには手が出てしまうこともあり、そのたびに私は仲裁に入っていました。
「順番でしょ」
「やめなさい」
そう言ってその場をおさめようとしていましたが、どちらも納得していないので、すぐにまた揉めてしまいます。
最後は「もういい加減にして!」と私が怒鳴って終わることも多く、YouTubeを見る時間は家族みんなにとってピリピリした時間になっていました。

本当は楽しく過ごしたいだけなのに、気づけばケンカと怒鳴り声で終わる時間になっていたのです。
特に年長の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向があり、「今見たい!」という気持ちが強くなると、その思いを抑えることが難しい様子でした。
順番を待つことができず、妹とぶつかってしまうことが多かったのです。
ADHD傾向の息子がYouTubeで引けなかった理由
ADHD傾向の子どもには衝動性という特性があります。
衝動性とは、
「今やりたい」
「今見たい」
という気持ちが強くなると、その感情を抑えることが難しく、すぐに行動に移してしまいやすい特性です。
YouTubeのように楽しい刺激が強いものは、子どもにとってとても魅力的です。
そのため「今すぐ見たい」という気持ちが強くなり、順番を待つことが難しくなることがあります。

さらに、けんかが始まると大人が仲裁に入ることが多くなります。
実はこの関わりが、子どもたちにとっては注目をもらえる機会になっていることがあります。
私もこれまで、けんかが始まるとすぐに仲裁に入っていました。
「やめなさい」
「順番でしょ」
そうやって止めようとしていましたが、その関わり自体が子どもたちへの注目になり、結果的に主張を強めることにつながっていたのです。
仲裁しないことが、息子を伸ばすチャンスになる
もし毎回大人が仲裁に入ってしまうと、子どもたちは
・どうすれば折り合いをつけられるのか
・相手とどうやって譲り合うのか
を考える経験を持ちにくくなります。
特にADHD傾向の子どもは、こうした経験を重ねることで
・感情を調整する力
・相手の気持ちを考える力
を少しずつ育てていきます。
だからこそ、家庭の中で 子どもたち自身が考える経験を積み重ねていくことが大切なのです。

ADHD傾向の息子が譲り合えるようになったママの関わり方
私が取り入れたのは、発達科学コミュニケーションのディスタンシングという関わり方です。
ディスタンシングとは、問題行動にすぐ反応せず、少し距離をとって見守る方法です。
①けんかが始まってもすぐに仲裁に入らない
兄妹がYouTubeの順番で言い合いを始めても、私はすぐに仲裁に入らず、キッチンで家事を続けました。
まるで気づいていないかのように振る舞い、子ども同士でどうするかを考える時間をつくりました。
②良い行動にすぐ注目する
ある日、妹が 「じゃあ先に見ていいよ」 とお兄ちゃんに順番を譲りました。
その瞬間、私はすぐに声をかけました。
「ありがとう。ママ助かるよ」
③譲り合いの行動を言葉にして伝える
そのやり取りが何度か続いたある日、今度は息子が 「じゃあ先に見ていいよ!」と妹に順番を譲ったのです。
私はすぐに「順番を譲ってくれてありがとう。ママ嬉しい」と伝えました。

今でも見たい番組で言い合いになることはあります。
でも以前のように手が出たり、どちらも絶対に引かないという場面は減りました。
どちらかが順番を譲ったり、二人でどうするか相談したりする姿も増えてきました。
衝動性の強い息子でも、関わり方を変えることで少しずつ譲り合えるようになりました。
子どもたちは今、少しずつ自分たちで解決する力を育てているのだと感じています。
執筆者:西野まこ
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーションアンバサダー)


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