楽しみなのに癇癪…年長の誕生日、公園前で泣き崩れたあの瞬間
「今年の誕生日は、モノだけじゃなく、思い出をプレゼントしたい」
そう思って私は、引っ越し前の幼稚園のお友達と、公園で遊ぶ計画を立てました。
約10か月ぶりの再会。
息子も「早く会いたいね」と何度も口にするほど、楽しみにしている様子でした。
公園までは車で1時間弱。
車内では少し眠そうにしながらも、時々思い出したように笑顔になり、気持ちが揺れているのを感じていました。
そして到着し、待ち合わせ場所へ向かおうとしたそのとき。
「刀のおもちゃは危ないから車に置いていって」
パパのその一言で、突然息子は泣き叫び、激しい癇癪を起こしました。

さっきまで楽しみにしていたはずなのに。
あと少しでお友達に会えるのに。
そのギャップに、私は頭が追いつきませんでした。
周りの視線も気になりながら、泣き崩れて動けない息子を前に、
「どうして今なの?」
という思いだけが頭の中をぐるぐるしていました。
私はただ立ち尽くすことしかできませんでした。
良かれと思っていたその声かけ、
実は癇癪を長引かせているかも?
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楽しみなのに癇癪になるのはなぜ?
「どうして今なの?」
そう思った私ですが、あとから振り返ると理由が見えてきました。
この日の息子は
・長時間の移動による疲れ
・久しぶりの再会への緊張
・初めての場所という環境の変化
・「楽しみ」という大きな感情
これらが一度に重なっていました。
さらに思い返すと、車の中でも落ち着かない様子があり、すでに余裕が少なくなっていたのだと思います。

子どもにとって“楽しみ”は、ただのプラスではありません。
ワクワクしているときほど、脳は興奮し、実は余裕が少なくなっています。
つまり「楽しみ=安定」ではなく、
「楽しみ=刺激が強い状態」でもあるのです。
そこに 「おもちゃを置いていく」 という予想外の出来事が加わったとき、 もう気持ちを保つ力が残っていなかったのです。
つまりこの癇癪は、わがままではなく限界のサイン でした。
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楽しみな予定ほど崩れる年長の癇癪、このままだと起き続けると感じた理由
癇癪が起きたとき、
「いい加減にして」
「早くしなさい」
とつい言いたくなることがあります。
その場をなんとか収めたい一心で、正しい行動をさせようとしてしまいます。

ですがこの関わりが続くと、子どもは
・感情をうまく処理できないままになる
・「どうしたらいいか」を考える経験が積めない
・言われないと動けない状態になる
という経験を積み重ねてしまいます。
さらに、楽しいはずの予定が「しんどい記憶」として残ってしまう可能性もあります。
特に年長の時期は、これから小学校という新しい環境に向かう大切なタイミングです。
環境の変化が増えるこの時期に、
「感情が揺れたとき、どう戻るか」
を経験しておくことが、その後の生活の安定につながります。
だからこそ今、 関わり方を変えることが大切だと感じました。
公園前で泣き叫んだ息子が落ち着き、おもちゃを手放せた関わり
あのとき私が意識したのは、 「正しくさせること」よりも「安心させること」でした。

まず、深呼吸をして自分を落ち着かせました。
焦ったまま声をかけても、うまくいかないと分かっていたからです。
すぐに指示を出すのではなく、一度立ち止まることを意識しました。
そして息子に 「このおもちゃ、持っていきたかったんだね」 と声をかけました。
行動ではなく、気持ちに目を向けたのです。
すると息子は、泣きながらも少しずつうなずき始めました。
「お友達に見せたかったのかな?」 そう聞くと、またうなずきます。
自分の気持ちを分かってもらえたことで、少しずつ落ち着いていったのが分かりました。
私は 「そうだったんだね。教えてくれてありがとう」 と伝えました。
すると、さっきまで泣き叫んでいた息子の呼吸がゆっくりになり、表情もやわらいでいきました。
その場では無理にルールを通さず、おもちゃを持ったまま公園へ向かいました。
そして遊び始めて気持ちが安定したころ、
「おもちゃ、危ないからママが預かっておくね」
と声をかけると、息子は納得して手渡してくれました。
無理にやらせなくても、 安心できたあとなら自分で切り替えられる。
その姿を見て、関わり方の大切さを実感しました。
子どもは、安心を取り戻すと、自分で考えて動けるようになります。
癇癪の奥にある気持ちに目を向けることが、 その一歩になるのです。
執筆者:西野まこ
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーションアンバサダー)


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