「なんでまた?」毎日の癇癪に、子どもの機嫌を伺う生活をしていませんか?
「うちの子、なんでこんなに毎日癇癪を起こすんだろう?」
「さっきまで機嫌が良かったのに、急にスイッチが入って手がつけられない…」
そんなふうに、出口の見えないトンネルの中でため息をついていませんか?
たとえば、こんな場面はありませんか?
ママはただ、夕食の準備をスムーズに進めたくて、「今のうちにお風呂に入っちゃおう!」と声をかけただけ。
それなのに、お子さんから返ってくるのは「やだー!」という拒絶と、そこから始まる「ぎゃーっ!!」という激しい癇癪。
「えっ?なんで?ただお風呂に入ろうって言っただけなのに…」
何がトリガー(引き金)になったのかママにもわからず、呆然としてしまう。
そして、「また怒らせてしまった…」と、次からはお子さんが癇癪を起こさないように、まるで腫れ物に触るかのように子どもの機嫌を伺いながら生活する。
そんな毎日が続くと、ママ自身の心もすり減ってしまいますよね。
「私の言い方が悪いのかな」
「この子の性格が難しいのかな」

そうやって自分やお子さんを責めてしまう前に、知ってほしいことがあります。
実は、その癇癪の原因は「性格」でも「ママの育て方」でもありません。
お子さんの「脳の特性」の中に、その理由が隠れていることが多いのです。
私の生徒さんでも、こうした「理由のわからない癇癪」に悩んでいたけど、脳の仕組みを知ることで、「あ、そうだったんだ!」と納得し、その結果、お子さんの癇癪がおさまり、お子さんへの愛おしい気持ちを取り戻しています。
今日は、多くの発達障害・グレーゾーンのお子さんが抱える「ある脳の特性」と、それに対する具体的な解決策をお伝えします。
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「無視」や「サボり」じゃない!見えない「脳の処理速度」の壁
毎日起こる癇癪の原因は一つではありません。
衝動性や、コミュニケーションの苦手さ、こだわりの強さなど、さまざまな要因が絡み合っていますが、今日特に注目したいのは「脳の処理速度」です。
「脳の処理速度」ってなに?
私たち大人でも、パソコンやスマホを使っていて、クリックしても画面が動かない「フリーズ」した経験はありませんか?
あれは、パソコンの処理能力を超えてたくさんの指示が一気に入ったため、処理が追いつかなくなっている状態ですよね。
実はお子さんの脳内でも、これと同じことが起きている可能性があるのです。
発達障害やグレーゾーンのお子さんの中には、外から入ってくる情報を脳がキャッチして、理解し、行動に移すまでのスピード(処理速度)が、ゆっくりなお子さんが多くいます。

見えないからこそ、誤解されてしまう
一番厄介なのは、この「処理速度」が目には見えないということです。
お子さんの頭の中では、ママの言葉を一生懸命処理しようとしていて、まだ20%くらいしか理解できていない状態だとします。
でも、その「ロード中(読み込み中)」の状態は、外からは見えません。
そのため、周りの大人は「聞こえているはずだ」と思って、「お風呂入って!その前におもちゃ片付けて!あ、明日の準備は?」と、次々に新しい情報を投げかけてしまいます。
すると、お子さんの脳はどうなるでしょうか?
・処理しきれない情報がどんどん溜まる
・頭の中がキャパオーバーになり、パニックを起こす
・結果、フリーズして動けなくなる
この「動けない状態」が、大人からはどう見えるかというと…
「サボっている」
「無視している」
「できるのにやらない」
と見えてしまうのです。
そして、「なんでちゃんとやらないの!」「何度言ったらわかるの!」と怒られてしまう。
お子さんにしてみれば、一生懸命処理しようとしていたのに、突然怒られたことになります。
混乱している脳に、さらに「怒り」という強い刺激が加わることで、脳が爆発し、それが「癇癪」という形で表に出てきてしまうのです。
つまり、癇癪を起こしているお子さんは、ママを困らせたくて暴れているのではありません。
「脳の処理が追いつかなくて、困っている」というSOSのサインなのです。
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今日から癇癪が減る!脳に届く「3つの声かけテクニック」
「脳の処理速度がゆっくり」ということがわかれば、対応策は見えてきます。
大切なのは、お子さんの脳がスムーズに情報を処理できるように、ママが情報の出し方を調整してあげることです。
Nicotto Projectで実践し、多くのママが効果を実感している「3つの声かけテクニック」をご紹介します。
今日からすぐに試せる方法です。
ゆっくり話す(情報の入力スピードを落とす)
まずは、話すスピードを意識的に落としてみましょう。
早口言葉は、処理速度がゆっくりな脳にとっては「雑音」のように聞こえてしまうことがあります。
普段よりも「ゆったり」と話しかけるだけで、お子さんの脳に入っていく情報の密度が下がり、理解しやすくなります。
これだけで、お子さんの「聞く姿勢」が変わることも多いのです。
指示は「短く1つだけ」にする(メモリ不足を防ぐ)
「お風呂に入ろう!その前におもちゃ片づけて!」
これは、大人にとっては一連の流れですが、子どもにとっては「お風呂」と「片付け」という2つの別々の指示が同時に来ています。
処理速度がゆっくりなお子さんには、「1回に1つ」が鉄則です。
×「お風呂入るから、ブロック片付けて!」
〇「ブロックを、この箱に入れようか」
まずはこれだけ伝えます。
そして、それができたら「よし、じゃあお風呂に行こう!」と次の指示を出します。
これを「スモールステップ」と言います。
脳の混乱を防ぐ、最も効果的な方法です。

伝えたら「1〜2秒待つ」(処理時間を確保する)
ここが一番重要なポイントです。
声をかけた直後、お子さんがすぐに動かなくても、決して「聞いてないの!?」と怒らないでください。
その沈黙の時間こそ、お子さんの脳内で「情報を処理している(ロード中)」の大切な時間なのです。
声をかけたら、心の中で「1、2…」と数えて待ってみてください。
この「待つ時間」を作ることで、お子さんの脳は情報をしっかりとキャッチし、自分の意思で体を動かす準備が整います。

①ゆっくり話す
②1つの指示を短く伝える
③1つ話したら、1〜2秒待つ
この3つを意識するだけで、お子さんの脳の混乱は劇的に減ります。
「うちの子、本当はできることがたくさんあるのに、なんで動かないんだろう?」 そう思った時は「もしかして、処理速度が追いついていないのかも?」という視点を持ってみてください。
ママがほんの少し声かけを変えるだけで、お子さんへの伝わり方は大きく変わります。
そして、「伝わった!」「動けた!」という成功体験は、お子さんの自信になり、ママ自身の「怒らない脳」を育てることにもつながります。
まずは今日の「ひとつ」の声かけから、変えてみませんか?
執筆者:桜井ともこ
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)


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