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気持ちの切り替えができないのはなぜ?
幼稚園や小学校など、集団行動の中で、いつも行動がワンテンポ遅れてしまうお子さんに悩んでいませんか?
気持ちの切り替えができず、園や学校で先生が話しているときに自分の世界に入り込んでしまう。
指示を聞き洩らしたり、まわりとズレてしまったり…。
おうちでも一度では指示が聞けなかったり、超がつくほどの“マイペース”。
「うちの子なんかいっつも行動が遅いんだよね〜」と思っているママ。
それ、実は“脳の特性”が関係しているんです!

私がサポートしている小学4年生のRくんの実際のお話です。
話を聞いている“つもり”でも、周りと同じように動けない。
休み時間に絵を描いていたら、気づいたら教室にひとり…。
そんな「さみしい体験」をたくさんしてきました。
そんなRくんのためにママが実践したのが“脳に届きやすい声かけ”です!
怒らない脳を育てる!
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「気持ちの切り替えができない」原因は脳の特性
気持ちや行動の切り替えができないのは、「わざと」でも「根性が足りない」わけでもありません。
背景には、脳の発達段階による特性が深く関係しています。
ワーキングメモリの容量不足
子どもたちが「指示を聞き洩らす」「一つ前の行動を引きずってしまう」のは、脳のワーキングメモリ(作業記憶)の機能が関係しています。
ワーキングメモリとは、情報を一時的に記憶し、作業するために使う脳の機能です。
この機能は成長に伴って発達しますが、特に幼児期は容量が少ないため…
先生や親からの指示をすべて保持しきれず、途中で忘れてしまう。
今やっていること(遊びなど)を「一旦停止」し、新しい指示(着替えなど)を記憶して実行するという複雑な処理が難しくなります。
結果として、切り替えに時間がかかったり、指示が通っていないように見えてしまうのです。

発達途上にある前頭前野の特性
行動や感情をコントロールする脳の最高司令官が前頭前野です。
この前頭前野は、思春期にかけて大きく成長する部分であり、幼児期はその機能(実行機能)がまだ未熟な状態にあるのが自然です。
そのため、すべての子どもたちに次のような特性が見られます。
・注意がそれやすい(集中力が続かない)
・好きなことに過集中しやすい
・先をイメージするのが苦手
意志が弱いのではなく、脳の司令塔と記憶の容量が未熟なだけなのです。
ほんの少し“声かけ”を工夫するだけで、脳の特性に寄り添い、子どもはぐんと動きやすくなるんです!
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切り替えの苦手さがもたらす悪循環
気持ちの切り替えができない状態を放置すると、親子共に次のような「悪循環」に陥るリスクがあります。
親子の信頼関係が崩れる
親のイライラが爆発する:
何度言っても動けないわが子に、ママのイライラが爆発します。
親が感情的に怒鳴ってしまうことで、親子の信頼関係が、少しずつ崩れてしまうことにもなりかねません。
先生からの指摘が増える:
年中・年長になると「一斉指示で動けないので個別に声かけてます」と先生に指摘される機会が増え、親の不安やプレッシャーが増します。

子どもの自己肯定感が下がる
この状態が続くと、子ども自身が「自分はダメだ」と感じ始めます。
さみしい体験の蓄積:
小学校に上がると本人が「自分だけできてない…」と感じ、「さみしい体験」が増えることで、自己肯定感が下がるように。
学習・社会生活への影響:
指示が聞けない、切り替えが遅いという状態は、学校での集団行動や学習に支障をきたし、将来的な生きづらさにつながってしまうリスクもあるのです。
そうなる前に、今日から「脳に届く声かけ」を実践し、この悪循環を断ち切りましょう。
気持ちの切り替えができる子に育てる声かけのコツ2選
ママに実践してもらった声かけのポイントは、たった2つだけ!
伝え方に気をつける
集中力のコントロールが難しい子には、くどくど言っても届きません。ポイントは、
✔ 短く
✔ 具体的に
例えば…「まだやってないの?早くしなさい!」
➡子どもにはイライラだけが届いて、内容がスルーされます。
「これから〇〇ちゃんのおうちに行きます。8時におうちを出たいです。だから今すぐこのTシャツに着替えようね!」
➡短く、必要な情報だけ伝える。これが“脳に届く”魔法の声かけ!
肯定的な声かけでサンドイッチ
ストレートな指示は、子どもの脳に「怒られた」と感じさせてしまいます。
とくに怒られ慣れてる子は、「うるさい!」と反発してしまうことも。
だからこそ、「肯定」→「指示」→「肯定」の順番で伝えましょう!例えば、
「お!お菓子全部食べたね〜!おいしかった?」と、まず肯定の会話から入り…
「これから〇〇くんのおうちに行きます。8時におうちを出たいです。だから今すぐこのTシャツに着替えようね!」
この声かけに変えたNさんの超マイペースな息子くんは、自分からスッと動けるようになったんです!

子どもが指示を聞けないのは、「わざと」じゃない。
聞く力が育っていない
集中できていない
指示の処理ができていない
など、背景には脳の特性があります。
脳に合った伝え方をすることで、親子はずっとラクになります。
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執筆者:桜井ともこ
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)



