学校で失敗したり叱責されたりする経験が多い、発達障害・グレーゾーンの子どもの中には、自分を無能だと思っている子がいます。そんなお子さんの自信を回復させ、自分の可能性を諦めないために、お母さんからお子さんに伝えてほしいことを2つご紹介します。 |
【目次】
1 発達障害・グレーゾーンの子どもはダメな子ではありません!
お子さんは、自分に自信を持っていますか?
小学生の低学年ぐらいであれば、意識している/していないはあるにせよ、自分に自信を持っている子が多いです。学校が好きな子であればなおのこと、楽しく学校生活を送る中で、自然と自信を育んでいます。
・友だちと楽しく遊んで
・授業では自分の意見を言って
・先生の話をしっかり聞いて、褒められることも多い!
でも、学校生活でつまずくことが多い発達障害・グレーゾーンの子どもたちはそうはいきません。たとえ低学年の小学生であっても「自分はダメな子だ」と、自信をなくしていることがあります。
・授業が理解できなかったり
・友だちとうまく遊べなかったり
・指示を聞き漏らして周りの動きについて行けなくなったり
・そのことで先生に注意されたり・・・
怖がりタイプの子であれば、自分がうまくできなかったことや、先生に注意されたことを重く受け止める傾向にあり、余計に落ち込んでしまいます。
このように、発達障害・グレーゾーンの小学生の子どもは、学校という場では自分の力が発揮しにくいのです。そして、心のどこかで「自分はダメだ、無能だ」と、無意識であれ自己肯定感が下がっていることがあります。
でも、決してダメな子なんかではありません。
感覚や興味の偏りや、行動の特性によって、学校の枠組みでは自分の力を発揮しにくいですが、本当はたくさんの可能性を秘めています。
それなのに、自分を無能と思って自信をなくしていくなんて、もったいないですよね。
自分に自信がないと、やる気も出ませんし、物事に前向きに挑戦しようという気持ちにもなれません。
たくさんの可能性を秘めているのだから、学校が全てだと思ってほしくない。
自信を持って、自分の可能性に諦めず挑戦してほしい、そう思います。
2 お母さんが子どもに伝えたい2つのこと
でも、自信を持ちなさいと、子どもに口で言っても自信はつきません。
ではどうすればいいかというと、お母さんからお子さんに伝えてほしい2つのメッセージがあります。発達障害・グレーゾーンの子どもが、自分はダメな子と思って自信をなくしているとき、また、それを予防したいとき、ぜひ伝えてあげてください!
一つ目は、自分は何もできないと思っているお子さんに、「できているよ」ということをたくさん伝えることです。
できていること、し終えたこと、していることに対して、「できているよ」「できたね」「その調子」と、声をかけることを、いつでもどこでも、してあげてほしいと思います。
日常の小さなことで良いんです。
・ご飯たくさん食べたね!
・歯がピカピカになったね!歯磨き上手だよ!
・このテレビ番組、楽しいよね!
お子さんが自分はできないと感じる以上に、「できてるよ」「それでいいんだよ」というメッセージを伝えてあげてほしいと思います。
そしてもう一つ、発達障害・グレーゾーンの子どもに伝えてほしいことがあります。
それは、
・〇〇(お子さんの名前)には、ママを幸せにする力があるね
・〇〇には、ママを笑顔にする魔法があるね
ということです。
こういう言葉の良さは、子どもの存在自体をお母さんが喜んでいることを伝えられること、そして、あなたには素敵な力があるんだよということを伝えられることです。
お子さんのことをかわいいなと思った瞬間や、お子さんの言動でお母さんがくすっと笑顔になったときに、ぜひ使っていただきたいです。
無能なわけがないですよね。自分がお母さんを幸せにする力があるんですから。
自信になりますよね。自分の存在をお母さんが喜んでくれているのですから。
自分はダメな子と思う発達障害・グレーゾーンの子どもの自信を取り戻し、自分の可能性に挑戦できるよう、サポートしていきましょうね!
執筆者:水原沙和子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)