夏休みは酷暑や人ごみを避けてお家で過ごす予定。でも、たっぷりある時間を親子で持て余してしまいそうで心配…。そんなときに、発達障害・グレーゾーンの子がママと一緒に楽しめて、脳が発達する室内遊びをご紹介します。 |
【目次】
1.夏休み、発達障害の子に室内遊びがオススメな理由
2.身につけさせたい能力別!子どもの脳が発達する遊び5選
➀考えて体を使う力
➁注目する力
➂記憶する力
➃情報を一時的に記憶しておく力
➄思考する力
3.ママが発達障害の子と室内遊びをするときに気をつけたいこと
1.夏休み、発達障害の子に室内遊びがオススメな理由
外で活動しないと子どもの能力を伸ばしてあげることはできないから、夏休みは外出すべき!
そんな風に思い込んでいませんか?
実は、家の中でも発達障害・グレーゾーンの子の脳を発達させることは可能なんです!
発達障害・グレーゾーンの子にとって、家の中というのは快適で安心感のある空間です。だからこそ、何もすることがないとダラダラと自分の好きなように過ごしてしまうのです。
ずっと家でダラダラ過ごしてほしくはないけれど、正直どう子どもの相手をしたらいいのか分からない。
そんなママにこそオススメ!発達障害・グレーゾーンの子の脳をぐんぐん発達させる室内遊びがあります。
時間に余裕のある夏休みだからこそ、家の中で子どもと充実した時間を過ごしてみませんか?
身につけさせたい能力別に室内遊びを5つご紹介します。
2.身に着けさせたい能力別!子どもの脳が発達する遊び5選
◆➀考えて体を使う力
発達障害・グレーゾーンの子の中には、考える前に手を動かしてしまう子がいます。
そのような場合は、脳の運動に関係する場所を伸ばしてあげるのがオススメです!
「運動の力って、体を激しく動かすしか伸ばしようがないのでは?」と感じるかもしれません。
でも、体を激しく動かさなくても、室内遊びで脳の運動に関係する場所は発達させることが可能なんです!
その遊びとはジェンガ!
ブロックのタワーから、順番に1つのブロックを抜いて上に積み上げて行く遊びです。
抜く前にその場所を抜いても大丈夫か確かめたり、そーっと慎重に指先を使ったりすることで目と手を一緒に使う練習になります。
また、どのブロックを抜くか考えたり、色々な角度から眺めたりと、どうしたら自分が有利に進められるかといった作戦を考えることで、集中する力が磨かれます。
プラスチック製は摩擦が少なく難しいため、木製のものでやってみてくださいね。
◆➁注目する力
余計な情報が気になってなかなか集中できない子には、注意力を高めることのできる探索課題がオススメです。
探索課題とは、特定の文字や単語を指定された範囲から探し出す遊びです。
集中力を高めることができるため、市販のドリルなどにも取り入れられています。
集中力を高めることができるため、市販のドリルなどにも取り入れられています。
新聞や雑誌などをパッと開いて、指定した文字に鉛筆で丸をつけ、いくつ見つけられるかに挑戦します。
日本語の文章では「す」「で」「の」が比較的多く使われるので、最初はその文字からやってみてください。
自分の名前に使われている文字を探すのもオススメです。
時間内にできるか、やっている途中に気が散らないようにできるかが脳を発達させるときのポイントです!
制限時間を決めて何個見つけられるか対戦すると、盛り上がること間違いなしです。
◆➂記憶する力
記憶することが苦手な発達障害・グレーゾーンの子には、ゲーム性のある遊びを!
クイズやトランプ、パズルなどの遊びは、記憶する力を高めます。
「普段からやっています」というご家庭もあるかもしれませんが、子どもの脳を発達するために、夏休み中は少し視点を変えてやってみてくださいね。
記憶する力を高めるための要は、考える時間を取れるかどうか。
「考えているときの顔、かっこいいよ」「考える時間が大事だよ」といったママの声かけで、子どもに考える経験をたくさんさせてあげてくださいね。
考えることで脳の記憶や理解するための部分が使われ、発達することにつながります。
◆➃情報を一時的に記憶しておく力
頭の中で考えていることが、全て言葉として口から出てしまう。そんな子は、情報を一時的に記憶しておく練習をしてみましょう。
オススメは逆さ言葉!文字数は、低学年で3文字、高学年で6文字くらいが目安です。大人は文字数を増やして難易度を高めてもいいですね。
正しく言えるかはもちろんのこと、考えている途中の過程が言葉として出てこないようにすることがポイントです。
初めは口に出さないとどんな言葉になるか考えられないかもしれませんが、脳が鍛えられてレベルアップすると、頭の中だけで正解を考えられるようになりますよ。
◆➄思考する力
深く考えずにパッと行動してしまう。そんな発達障害・グレーゾーンの子が考える力を鍛えるには対戦ゲームがオススメです。
トランプ・オセロ・囲碁・将棋などの中から、子どもが興味をもっている対戦ゲームをやってみてください。
例えば、オセロであれば途中で白黒を交代するといった夏休み限定!オリジナルルールを導入すると、より頭を使うので思考力が高められます。
ゲームの勝ちにこだわり過ぎる子は、飽きるまで勝たせてあげてください。
子どもが勝ちを譲ってくれたときに褒めたり、勝つ以外の場面でも褒めたりするように心がけていると、少しずつ柔軟になっていきますよ。
3.ママが発達障害の子と遊ぶときに気をつけたいこと
ここまで、たくさんの家でできる遊びをご紹介しました。どの遊びにも共通する気をつけたいポイントが1つだけあります。
それは「楽しくやる!」ということ。
発達障害・グレーゾーンの子どもを発達させるためには、楽しさが何よりも大切です。
「そんなこともできないの?」「さっきも言ったよね」「何回言ったら分かるの?」「いいかげんにしなさい!」というネガティブなコミュニケーションは封印してください。
実は楽しい方が、脳は活性化して発達するんですよ!
「もうここまでできたの!?」「ママ、びっくりしちゃった!」「こんなことできるなんて素敵だね」「一緒にできて楽しいな」などの声をかけてあげてください。
肯定的なコミュニケーションが溢れる時間を過ごせれば、発達障害・グレーゾーンの子どもの脳は家の中でもぐんぐん発達します。
家での遊びを通じて、子どもにとってもママにとっても、楽しい夏休みのひとときをお過ごしくださいね。
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執筆者:渡辺カナ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)