発達障害・グレーゾーンの子どもは、切り替えが苦手なことが多いです。不安の強い子の場合、テレビやYouTubeなどを消すときに、人一倍寂しさを感じることが相まって、切り替えられないことも。不安を和らげて活動を切り替える方法をお伝えします。 |
【目次】
1 発達障害・グレーゾーンの寂しがり屋さんがテレビを消せないワケ
発達障害・グレーゾーンのお子さんは、一旦テレビやYouTubeをつけると、いつまでも止められないことがありませんか?
ちょっとだけ見ると言っていたのに、ダラダラと見続けてしまう様子を見て、もっと厳しくしつけなければと思われているお母さんもおられるかもしれません。
でも、私たち大人でも、見つもりがなかったのに、ついつい消せなくて、終わってから後悔したことのある人もいるのではないでしょうか?
今ではめっきりテレビを見なくなった私ですが、以前は長時間テレビを見て後悔することがありました。
YouTubeであれば、関連する動画がずらっと並んでいるので、ついついクリックしてしまいます。テレビも、視聴者が見続けたくなる工夫をしているので、どうしても続きが見たくなります。
こういう状況では、切り替えが苦手な発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、どっぷりはまってしまい、抜け出せなくなります。
また、不安を感じやすい怖がりさんや寂しがりさんの場合、テレビやYouTubeを消すときに、人一倍寂しさを感じます。
賑やかで楽しい世界が繰り広げられているメディアに癒やされている部分がありますから、それがプツリと消えてしまうと、寂しいですものね。
その寂しさを、お母さんの対応によって和らげて、次の活動に切替えるお手伝いをしてあげませんか?
2 子どもの不安を和らげる3秒の工夫とは
まずは、メディアを消す時間の予告をしましょう。
予告によって、発達障害・グレーゾーン怖がりタイプの子どもは、心の準備ができます。
例えば、
・つけた時に「今日は何時までだね」と確認し、10分前に「あと10分だよ」と知らせる
・「〇〇(番組名)が終わったら終わりだよ」と予告する
などです。
どのタイミングで予告するか、何回予告するかは、お子さんの状況によって調整してください。
そして約束の時間になったら、笑顔と優しい声で、「時間だよ、消そうね」と声をかけます。
何度か声かけしても自分で消せないなら母さんが消してあげてもいいです。
ただし、「消しなさいって言ってるでしょー!」と感情的になってブチッと消すのはお控えください。しっかりしつけなければと思っていると、つい感情的になりますので、注意ですね。
叱らず、やはり笑顔と優しい声で、「時間だから消すね」と伝えて消します。
子どもにお母さんの声が届いていることを確認してから消してくださいね。声が聞こえていないのに消されると、子どもにとっては「突然のできごと」になってしまいますから。
我が家では、テレビやYouTubeを消すとき、ちょっとした工夫をしています。
それは、いきなりブチッと消すのでなく、まず音だけを消し(ミュートにし)、映像だけ流れている状態にしてから、スイッチオフするというやり方です。
不安の強い子どもには、このワンクッションがあると良いようです。我が家では、2~3秒ぐらいのクッションをはさんでいました。
最近はワンクッションがなくても大丈夫になりましたが、自分で消すのは怖いとのことで、今でも消すのは私です。
消したら、たとえお母さんが消したのだとしても、「消せたね!」「おしまいにできたね!」と、すぐに褒めてあげてください。
3. しつけは無用!楽しく活動を切り替えよう
さらに、テレビを消した後にお楽しみ時間があると、よりスムーズに行動しやすくなります。
例えば、お母さんと、
・一緒におやつを食べる
・ワクワクお風呂タイムがある
・見ていたテレビ番組について会話する
・トランプを5分(1ゲーム)する
などなど、親子でできて、発達障害・グレーゾーンの子どもが楽しくなるような活動を用意すると、寂しさが和らぎます。
いかにも楽しい時間であるかのように誘うのがミソですよ。
特に、お風呂やおやつは毎日行う活動ですので、それをご褒美時間にしてしまうのもおすすめです!プラスアルファの時間を作らずして、活動を切替えることができます。
ついでに、見ていた番組(好きな番組)について会話すれば、お子さんにとってはより嬉しい時間になります。
厳しくしつけることより、楽しい時間を過ごすことを大切にするのが、習慣化のポイントですよ!
以上、発達障害・グレーゾーンの怖がり・寂しがりタイプの子どもが、メディアを消すときの寂しさを和らげて、行動を切替えやすくなる方法をご提案しました!
メディアとの付き合い方については『YouTubeに釘付けな発達障害・グレーゾーンの小学生への対応はこちら!口下手な子がメディアとうまく付き合って、脳の発達を加速させる方法(低学年)』も併せて参考にしてくださいね。
執筆者:水原沙和子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)