発達障害・グレーゾーンの子どもに身につけてほしい生活習慣がいろいろありますよね。そのために有効なのは、しつけよりもご褒美!でも時にご褒美作戦がうまくいかないことも。子どもの行動を上手に引き出す、上手な目標とご褒美の決め方をお伝えしますよ! |
【目次】
1 発達障害・グレーゾーンの子どもにご褒美が効かない!?
2 これであなたもご褒美上手!しつけ要らずの目標とご褒美の決め方
ヒント① 適切な目標を決めるには?
ヒント② 適切なご褒美を決めるには?
ヒント③ ご褒美ゲットまでの期間は?
1. 発達障害・グレーゾーンの子どもにご褒美が効かない!?
日常生活において、子どもに身につけてほしい習慣や、できるようになってほしいことはありますか?
私はたっくさんあります!
発達障害・グレーゾーンの子どもを持つあなたなら、きっとお仲間ではありませんか?
・食後の食器を流しに持って行く
・遊んだ後は片付ける
・ゲームやYouTubeの時間を守る
・毎日宿題をする
など、生活習慣を身につけさせたいとき。
・九九をマスターする
・発表会に出る
・行事を頑張る
など、何かに挑戦させたいとき。
そんなときどうしますか?厳しいしつけですか?
いえいえ、有効な方法は、ご褒美です!
ご褒美があると、発達障害やグレーゾーンの子どもにとって、そこを目指して頑張ろうという分かりやすい目標になります。だからやる気が持続しやすいです。
また、言葉での褒め以外のバリエーションが出せたり、インパクトが出せたりしますので、やる気スイッチが入って行動力が上がります。
いくらやりなさい!と口をすっぱくして厳しくしつけようとしても、発達障害・パステルの子どもはやる気が出ませんから、ご褒美をうまく取り入れて、行動を引き出していきましょう。
でも、ご褒美を提案しても行動しない、続かないということがありませんか?
我が家はありました。子どもとも話しながら目標とご褒美を決めるのだけど、うまくいかないことがありました。
なぜそうなるかというと、目標とご褒美のバランスが合っていないからです。
では、どのようなハードルとご褒美ならバランスが取れて、しつけをしなくても子どもがスムーズに行動するのでしょうか。
お子さまやご家庭によって千差万別なので正解はありません。
発達障害・グレーゾーンの子ども本人が自分が自分が決めたと納得できる、ご家庭に合ったご褒美を見つけられることが大切になります。
どうすれば、子どもが納得できる、ご家庭に合った目標とご褒美を設定することができるのでしょう。
そのためのヒントをお伝えします。
2. これであなたもご褒美上手!しつけ要らずの目標とご褒美の決め方
◆ヒント① 適切な目標を決めるには?
適切な目標を決めるためには、子どもの現状を知ることが大切です。
発達障害・グレーゾーンの子どもが今どのぐらいのことができるのか。
それを知るには、毎日の生活の中で、できていることに焦点を当てて子どもを見ること、そして、「できているね」と小まめに伝えることから始まります。
お母さんはつい、実年齢から見てできてほしいことや、お母さんの価値観に基づいてできてほしいことを基準にしてしまいがちです。
すると、目標とすべきハードルはいつも高すぎることになります。
なかなかスムーズにできるようにならないので、結局お母さんは叱ることでしつけようとしてしまう。
子どもの現状に即した目標にならず、お母さんの理想の押しつけになってしまうんですね。
子どものできている行動に注目することで、
今できていることは何か、もう少しの後押しで出来そうなことは何か、ハードルが高すぎることは何か
といったことを知ることができます。
できていることを「できている」と伝えるだけで、ご褒美を用意しなくてもできるようになることもたくさんありますので、お得感もありますよ!
◆ヒント② 適切なご褒美を決めるには?
適切なご褒美を決めるには、発達障害・グレーゾーンの子ども本人がどんなことに興味・関心があるのかを知ることが大切です。
そのためには、子どもがしていることに関心を持ってコミュニケーションしてみましょう。
子どもがゲームをしていたら、どんなゲームしているの?難しそうだね、と興味を持って聞いてみたり、一緒にプレーしてみたり。
マンガを読んでいたら、そのマンガ好きだね、どういうところが面白いの?と聞いてみたり。
すると、意気揚々と話してくれることもあれば、それほど面白くないけど暇だからしているということが分かったりします。
また、時間の無駄だと思っていたゲームでも、こういうゲームなら頭を使うし知識にもなるかもと、新しい発見があることもあります。
子どもの好きなことは分かっているつもりでも、なぜ好きなのか、どの程度好きなのか、子どもにとってどのぐらい価値があるのかを、意外と知らないことがあるんですよね。
もちろん、お子さんによっては興味の非常に分かりやすい子もいます。
ちょっと注意なのが、ご褒美と言いながら、親にとっての良いご褒美にならないようにということです。
発達障害・グレーゾーンの我が娘は、じっくり物事に取り組んだり、細かいことをするのが苦手です。
私や夫としては、じっくり思考したり自分で工夫する力を付けてほしいという気持ちがありました。
そこでご褒美としてあげたいと思ったのが、LEGOブロックでした。
可愛いものもたくさん出ているので、子ども本人はなんとなく了承したのです。でもブロック自体は苦手なことなので、結局モチベーションは上がりませんでした。
子どもの好きなもの(こと)と親が好ましいと思うものが一致しているなら、それはそれで素晴らしいです。
また、いくら子どもが好きだからと言って、親が許容できないものをご褒美にする必要はありません。
でも、私のように、親の価値観の押しつけにならないようには気を付けたいですね。
◆ヒント③ ご褒美ゲットまでの期間は?
目標が達成されたら、なるべく早く約束のご褒美を渡してください。
何日も何週間も待たせると、今後のモチベーションが下がります。
達成できたこととご褒美がセットになって得られる特別な達成感を味わわせてあげられないのは、もったいないです。
ただ、毎日の生活習慣を身につけさせたり、毎日何かをさせたいというとき、毎日ご褒美を用意するのは難しいですよね。
そんな時は、ポイント制にして、一定期間で何ポイント貯められたらご褒美がもらえるとするのが有効です。
ただし、ポイントが貯まるまであまり長すぎる時間を設定すると、途中で挫折する可能性が高まります。
1週間ぐらいを一つの基準にして、発達障害・グレーゾーンの子どもの年齢や、目標などにより調整してくださいね。
これもやはり、目標を達成したら、早めにご褒美を渡せるように準備しておきましょう。
以上、しつけ無しでお子さんの行動が変わる、ご家庭に合った目標とご褒美が設定できるヒントをお伝えしました。
目標が高いほど、子どもにとって価値の高いご褒美が必要なことが多いでしょう。 ご褒美の価値が高いものなら、ご褒美ゲットまで時間がかかっても大丈夫かもしれません。
お子さんの状況に合せて、これら3つの要素をうまく融合させて、有効なご褒美作戦を立ててみてくださいね!
次回は、我が家での実践例を、失敗談も交えてお伝えしたいと思います。お楽しみに!
執筆者:水原沙和子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)