新学期が始まると着替え、朝のくしたく、お風呂など生活行動を定着させたいと感じていらっしゃるお母さんも多いのではないでしょうか?実は、この行動生活を定着させるには、あるチカラが関係しています。今回はお子さんのタイプ別に生活行動の定着パターンをご紹介します。 |
【目次】
1.お子さんの家庭での生活行動に「記憶力」が関わる!?
2.タイプ別に生活行動の定着パターンが違います!
では、お子さんのタイプ別に生活行動の定着パターンを簡単にみてみましょう。
まず、自閉症スペクトラム(ASD)の傾向があるお子さんは、パターン化された記憶が得意です。
そのため、できるだけ毎日、同じ順序で行動を指示することが大事です!
だいたい同じ時間帯に同じ順序でお決まりの行動をしていると記憶しやすく、毎日の行動が落ち着いてきます。
代表的な3タイプ(ASD、ADHD、学習障害)の中で言えば、上手に声かけをすれば一番、日常行動が安定しやすいかもしれません。(もちろん個人差はありますが)
では、ADHDタイプはどうか?と言うと、小学校低学年までは手こずります。
対応が遅れれば小学校高学年頃まで手がかかります。
ADHDの子たちにとっては「毎日がアドベンチャー」なので、ルーティン化されたつまらない行動はノーサンキュー!!
小学校低学年までのADHDタイプのお子さんには、
「今日は何から行っちゃおうかな〜?お風呂かな〜?ご飯かな〜?宿題かな〜?ジャ〜ン!今日はご飯からだ〜!!」
くらいの勢いで、アドベンチャー感を醸し出すのはオススメです。
例えば、くじ引きで決めるとか、あみだくじで決めるとかでも良いですね。
発達障害と言えば「視覚的に見せましょう」という対応をオススメされますが、それでもダメな場合にはこんな風にドキドキ感を作り出すのがポイントです。
あみだくじを自分で書いているうちに何をしないといけないのか覚え、そのうち、あみだくじにも飽きますので自然と毎日の行動が身についてきます。
3.実は、一番大変なのはLDタイプのお子さんです
最後は、学習障害(LD)タイプのお子さんなのですが、正直、一番大変です。
なぜなら、学習障害の本来の意味は、「学習(=記憶)が苦手」ということだからです。
文部科学省の説明では、学習障害とは、読み書きとか計算とか、推論が苦手ということになっていますが、それはあくまでも「学習上の特性」です。
医学的には、覚えて定着すること(=学習)が苦手ということ。
それは、学校のお勉強であろうと、日常行動であろうと同じです。
だから、3つのタイプの中でも一番、生活行動が安定しないのもLDのお子さんたち。
どこの家でも朝はバトルですが、LDのお子さんの朝バトルは凄まじい・・・。
「何年おなじこと言わせるのっ!!」というくらい、お母さんはヘトヘトだと思います。
こういうケースならばできるだけ早いうちにやることの順序を視覚提示して記憶の負荷を減らすことは有効です。
それに加えて指示出しの上手な方法をお母さんが身につける方がかえって近道です。
そして、上手に褒めながらできるだけパターンに落とし込んで定着させることが得策です。
いかがでしたか?お子さんにあった生活行動の定着のパターンを実践してみてくださいね。
記憶を定着させるときにどんな風に褒めると有効なのか?知りたい方はこちらから
(発達科学コミュニケーショントレーナー、学術博士、臨床発達心理士)