今年も残すところあとわずか。冬休みは大切な人たちに会えますか?老若男女を問わず家族親戚みんなのワーキングメモリを鍛えるカードゲームをご紹介します。脳が伸びるのは正しい時より楽しい時。笑う門には福が来ます。遊びながら笑って初春を迎えましょう!
【目次】
1.発達障害ADHDキッズの弱めなワーキングメモリを鍛える遊びは、神経衰弱一択?
2.そもそもワーキングメモリって、フツウの記憶とどう違うの?
3.笑いながらワーキングメモリを鍛えるカードゲーム「ナンジャモンジャ」!
1.発達障害ADHDキッズの弱めなワーキングメモリを鍛える遊びは、神経衰弱一択?
我が家には小学2年生になる発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の息子がいます。
最近、「30秒前のことを忘れちゃうんだよ…」と嘆くようになりました。
言った端から今日のおやつ選びに夢中で、あまり深刻そうには見えませんが、自ら申告してくる以上、困る場面があるんだろうなと推測できます。
そうかそうか、ワーキングメモリには神経衰弱なんだよねーと、自信たっぷりにトランプに誘ってみました。
母が学んだことを活かすチャンスですから!
72枚使うと多すぎて嫌になっちゃうから、簡単に取れるよう10枚くらいからね、と配慮もして取り組みました。
ところが、早くも2回目には飽きてしまいました!
自分の順番以外は別の方をボーっと見ていて、これでは、どんなに勝たせてあげようと思っても勝負になりません!
第一、つまらなそうです。
困ったな…トランプはそれっきりしまわれてしまいました。
2.そもそもワーキングメモリって、フツウの記憶とどう違うの?
我が子のワーキングメモリが弱いと感じているお母さんは、きっと何らかの方法で鍛える必要があると考えていると思います。
ワーキングメモリ、なんとなくイメージはできますね。
少し改まって書くと、「一旦覚えて、情報整理して、使い終わったら消す、短期記憶」を指します。
同じ記憶でも、思い出のように長く残るものとは性質が異なります。
脳の作業台と考えると分かりやすいでしょうか。筆算を解く時などに使われます。
作業台ですから、広くていつも整理整頓できているのが理想。
ところが、ワーキングメモリに課題がある子どもの場合は、狭くてごちゃっと散らかっている状態です。
ですから、その台を使おうとするだけで脳に負担がかかります。
きっと、私が提案した神経衰弱は、息子には負担が大きすぎたのでしょう。
3.笑いながらワーキングメモリを鍛えるカードゲーム「ナンジャモンジャ」!
それからしばらくして、知人から一組のカードゲームをプレゼントされました。
このカード、頭と手足だけの可愛らしい謎生物(ナンジャモンジャ族)が1枚に1体ずつ描かれています。12種類あって、それぞれ5枚ずつの計60枚です。
遊び方は簡単。裏返した山札からひとりずつ順番に1枚めくり、謎生物に名前を付けていきます。
すでに名前が付けられているカードが出てきたら、一番早く正確にその名前を叫んだ人が、場に開けれられたカードを全てもらえるという、いたってシンプルなカードゲームです。
たとえば、赤い三角に手足がはえているカードには、「ベリー先生」とか。緑の楕円が長靴を履いていたら「田んぼ星人」とか。
あえて覚えにくくするため、絵とは何の関係もない名前を付けるというワザもアリです。
「パンスト」なんて名付けたりすると、男児は大喜びの大爆笑!
祖父母も参加すると、俵型の謎生物に、「田原総一朗!」が飛び出します。
「誰だよ、タワラソーイチローって!」と息子。
「知らないのか?有名なジャーナリストで云々…」と始まります。
息子も意外と、へぇ~とか言って聞いています。なんと素敵な展開ではありませんか!
この単純極まりない遊びが、それはそれは盛り上がるのです。
しかし、このカードゲームの真骨頂は、2回戦以降。
前の対戦で懸命に覚えた名前が記憶に残っているものだから、混乱するのです。
めくられたカードに全員が違う名前を叫ぶなんてことも!
なにしろ笑いの絶えない時間が繰り広げられて楽しいので、子どもは何度でも繰り返そうとします。
もうお分かりいただけましたね。
このカードゲーム、ワーキングメモリのトレーニングそのものです。
祖母によると、運転免許更新時、高齢者講習の認知機能検査で似たような設問があったとのこと。
私たち大人も、今からこつこつトレーニングしておいたほうが良さそうですね!
脳が伸びる時は、正しい時より楽しい時。
自ら進んで取り組める活動に夢中になっている時、それこそが伸びる時なのです。
みんなで大笑いしながらゲームに興じている時間が、子どものワーキングメモリも鍛えるのなら、一石二鳥ですね。
子どもをさりげなく勝たせてあげるよう、大人がコントロールできるのも、このゲームの良いところです。
「こんなにいっぱい取れた!」「勝った!」という達成感を味わうこともできます。
また、荷物になりませんから、旅行にも携行できますし、お友達が集まる日も盛り上がります。
対面で集える時間のありがたさを知った今、みんなでワイワイできる時を大切にしたい!そんな思いも込めてお届けしました。
脱力しちゃうような謎生物の底力、ぜひ試してみてくださいね。
ワーキングメモリを鍛える遊びについてもっと知りたい方はこちら!
執筆者:高田 礼
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)