発達障害のお子さんの中には運動を苦手とするお子さんが多くおられます。実は、指先の細かな動きが、運動神経の発達の遅れに対応できるのです!今回は、楽しい遊びを取り入れながら、お子さんの運動神経を成長させるテクニックをお伝えしたいと思います。 |
【目次】
1.発達障害のお子さんのお悩みのひとつ「運動が苦手」
2.指先の微細運動で、この運動の発達の遅れに対応できるのです!
3.こんな遊びを取り入れてみませんか?
◆はしで小さいものをつまむ
◆紙ちぎり伸ばし
1.発達障害のお子さんのお悩みのひとつ「運動が苦手」
発達障害のお子さんには、指先を細かく動かす動作が苦手な子どもの多くおられますね。
ですが、指先の微細な運動は、器用さだけではなく、姿勢を保つ、歩く、など基本的な運動に大きく影響を及ぼすことがわかっています。
指先の細かい運動は、脳の「運動野」に密接に関連しており、指先を使えば使うほど運動神経も発達していくのです。
2.指先の微細運動で、この運動の発達の遅れに対応できるのです!
指先を器用に動かすには、力の入れ方も強く影響します。
例えば、鉛筆を持つ力加減、はしを持つ力加減。子どもたちは、それを経験から習得していきます。
発達障害のお子さんは、この力加減の習得に時間のかかる子もおられます。が、トレーニングを繰り返すことで時間がかかっても身につけることができます。
小学校入学後に、授業中に座っていることができない、姿勢を保つことができないという困りごとをお持ちの方は、この指先の動作を繰り返すことで姿勢や落ち着きを保つトレーニングになりますよ。
3.こんな遊びを取り入れてみませんか?
では、実際に生活の中でできる楽しい遊びをご紹介してまいります。こんな遊びが、実はグングン発達を促してくれますよ。
◆はしで小さいものをつまむ
はしで小さなものをつまむ、という動作は、指先の器用さを養い、狭い空間での視覚(遠近や立体の認知)を身につけることができます。
はしの長さを考慮したうえで、つまむ対象物との距離を考え、はしの先を開閉してつまむ。また、それを移動した先で、置く。この動作には空間での距離感覚を養い、細かな作業に対応する基礎ができてきます。
また、はしは「つまむ」「さす」「すくう」「切る」などの食事の際の役割を兼ね備えています。食事の際にも、様々な動きを試してみると良いですね。また、食事の際には失敗してしまうと「こぼす」というリスクがあります。
どうぞ、おはしの練習中はお母さん方も気持ちに余裕を持って「上手になる練習だ」と考え、温かく見守っていただきたく思います。
◆紙ちぎり伸ばし
折り紙などの紙を細かくちぎって、長く伸ばしていきます。時間を決めて、その時間内に長く伸ばした人が勝ち、という遊びです。
小学生の時代にチャレンジオリンピックという行事があり、いつも優勝する友人がいたのです。
その友人は、マット運動などの体操もとても得意で「手先も器用で、体操も得意なんてすごいな!」と思っていました。が、指先が器用だからこそ、ダイナミックな運動も得意になっていたのでしょうね。
この紙ちぎりは、渦巻き状にちぎる、ジグザグにちぎる、などやり方も様々です。子どもたちそれぞれが思い思いにちぎっていく様子を見るのもとても面白いです。
どうしたら長く長く繋げることができるのか一緒に自由に楽しんでみてください。
ご家族で勝負してみるのも楽しいですね!
トレーニング、と考えてしまうと肩に力が入ってしまうもの。どうぞ、遊びながら発達を促している、というゆったりした気持ちでお母さん方にも楽しんでいただきたく思います。
実はその雰囲気が、一番お子さんを発達させるコツかもしれませんよ!
発達の心配を成長の喜びに変える声かけを配信中です!
執筆者:葉山 めぐみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)