発達障害の子どもの五月病を防いで、行きしぶりを解決する3つの対応

 

発達障害の子どものGW明けの行きしぶりに悩んでいませんか。五月病ならどうしたらいい?休みグセが付かないように学校に行かせる?と対応に迷ってしまうかもしれません。 お子さんの五月病を予防して、行きしぶりを解決する3つの対応をお伝えします!
 

【目次】

1.GW明けの行きしぶりは、もしかして五月病?
2.発達障害の子どもがGW明けに行きしぶりをしやすい理由
3.我が家の娘の行きしぶり経験
4.五月病を予防して行きしぶりを解決する3つの対応

 

1.GW明けの行きしぶりは、もしかして五月病?

 
 
GW明けに急に学校に行けなくなる子がいます。
 
 
突然行きしぶりが始まったと思いがちですが、実は新学期の登校しぶりの原因は、春休み前から続いていた不安からくる緊張が続いていたこともあると言われています。
 
 
「五月病」は病院でつく診断名ではなく、環境の変化からストレスをため込んでしまい、心身が不調になる症状が出たりすることをいいます。
 
 
よく新入社員が五月病になるケースがあると言われますが、子どもにだって五月病はあります。
 
 
具体的には、
 
 
・朝なかなか起きられない
 
・朝おなかが痛い
 
・頭が痛いと身体に不調が出る
 
・やる気がない
 
・疲れや元気がない様子が見られる
 
 
などのことがあります。
 
 
このような不調から、学校に行きたくないと登校しぶりをしたり、登校拒否をすることも出てきます。
 
 
 
 
まだ新学年は始まったばかり、良い状態でスタートすることが子どもの成長にとっても大切になるんです。
 
 
ここで対応につまずくとこの後、長く行きしぶりをしたり、不登校に発展してしまう場合もあります。
 
 
ですから、行きしぶりが悪化しないうちに早めに対応することが大切なのです。
 
 
我が家の娘の行きしぶり経験から、行きしぶりを解決するために良かった対応をお伝えしますね!
 
 
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2.発達障害の子どもがGW明けに行きしぶりをしやすい理由

 
 
なぜ、GW明けに行きしぶりをしやすいのでしょうか?
 
 
大きく2つの理由があります。
 
 
 

◆新しい環境にがんばって対応して疲れが出る

 
 
4月の進級や新入学など、子どもたちは新しい環境の変化の疲れが出てくるからです。
 
 
発達障害・自閉症スペクトラムの子どもは、特に新しいことが苦手なことが多いのです。
 
 
大人でも、転勤や転職など新しい環境に身をおくことは、ストレスになるし、慣れるまで大変ですよね。
 
 
ましてや脳の発達が未熟な子どものこと、子どもなりに必死に新しい環境に順応しようと頑張っています。
 
 
先生も変わり、友達も変わり、教室も変わり、これまでとはやり方も新しくなっています。
 
 
さらには、感覚過敏などがある脳の特性で、新しい環境がしんどいものである可能性があります。
 
 
また、進級でお兄さんお姉さんになったんだから!となにかと先生や親御さんから求められるものも大きくなりプレッシャーを感じていることもあるかもしれません。
 
 

 
 

◆少し慣れたころにGWがあり緊張がゆるむ

 
 
少し学校に通って慣れた4月末からGW(ゴールデンウィーク)がありますね。
 
 
頑張って緊張の糸がピンと張っているときには不調は出なくても、疲れが知らず知らずに蓄積されています。
 
 
緊張や頑張りがふっとゆるんだ頃に原因不明の心身の不調になることがあるんです。
 
 
 

3.我が家の娘の行きしぶり経験

 
 
娘は発達障害で自閉傾向もあり、支援級に在籍しています。
 
 
GW明けに急に学校へ行きしぶりしだしたことがあるんです。
 
 
娘は今までも学校に行くのが「めんどうだなー」「休みたいなー」と言うことがあっても、私が「休みたいんだねー」と共感して話を聞いてあげるだけで、自分から「行く!」と決心して動き始めることが多かったのです。
 
 
その日はいつもとちょっと様子が違いました。
 
 
ちょっと動いては布団にすぐに横になろうとして、動き出せない様子だったのです。
 
 
なんだかとても疲れているように見えたので、
 
 
「疲れたのかな?お休みしてもいいよ」
 
 
と声をかけると、
 
 
「じゃあ休む」と言うので、学校にお休みの連絡をいれました。
 
 
すると、安心したようにゲームを始めたのです。
 
 
「休んだのにゲーム?」って思いがちですが、そこはそのままゲームをさせておくことにしました。
 
 
少し時間が経った後に、
 
 
「どうしたの?学校でなんかあったの?」
 
 
と、聞くと、
 
 
「交流級の教室に移動するのが疲れる」
 
「運動会のダンスがわからなくて嫌だ」
 
 
という気持ちをぽつぽつと話してくれました。
 
 
子どもの気持ちを聞いて、家でできることと学校で調整できそうなことを考えて、動くことにしました。
 
 
 
 
先生に娘の気持ちと様子をお伝えしたところ、先生は驚いていました。
 
 
学校ではとてもがんばっていて、ダンスが嫌な様子はみじんも見せていなかったのです。
 
 
交流級に行くのを嫌がる支援級のお友達を元気付けて、一緒に行こうと誘ったり、運動会の練習も意欲的に取り組んでいるようでした。
 
 
先生は、娘は意欲があり、がんばれる子だと期待して伸ばしてあげたいと思ってくださっていることも感じました。
 
 
学校の様子から、本人はがんばりすぎているのだろうなと感じました。
 
 
このまま疲れて学校に行けなくなると、学校での成長機会を奪うことになります。
 
 
ですから、今の娘の、家と学校での状態をすり合わせ、学校に楽しく行けるように、先生には緩い対応をしていだたくように相談しました。
 
 
・交流級に行くことをしばらく辞めて支援級で過ごさせる
 
・運動会のダンスは支援級で練習をして、自信が付いてから交流級の練習に参加する
 
 
娘にこのことを話すと学校に行く気になり、また元気に学校に行くことができました。
 
 
そして、支援級でダンスの振りを覚えてから交流級に合流してダンスを練習し、運動会本番では皆と一緒にダンスを踊ることができたのです。
 
 
先生にもご協力いただき、負荷を軽くしていただくことで、その後は普通通り元気に学校にいけるようになりました!
 
 
こんな経験から、五月病を予防して、行きしぶりを解決する対応のポイントをお伝えしますね!
 
 
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4.五月病を予防して行きしぶりを解決する3つの対応

 
 

◆まずは気持ちを受け止める

 
 
行きしぶりを始めたお子さんには、まず「学校に行きたくない」気持ちをそのまま受け止てあげてください。
 
 
「そうかー、学校に行きたくないんだね。」
 
 
お母さんがそのまま受け止めてくれるだけで、お子さんは安心して気持ちが安定します。
 
 
 

◆学校との共通認識

 
 
学校に原因があってもなくても、やはり先生との共通認識を持っていた方がいいですよね。
 
 
学校では家庭の様子と違っていることがあります。
 
 
現在のおうちでのお子さんの様子をお伝えして、先生からは学校での様子を聞きます。
 
 
学校での集団活動に大きなストレスがあったり、不調の原因が隠れている場合には、学校に環境調整を相談することもいいでしょう。
 
 
学校側も対応が取れるものと取れないものがあるかもしれませんが、普段から先生とコミュニケーションを取っておくと、学校と家庭で共通認識が持てて子どもにとって良い対応ができるのです。
 
 

◆疲れを癒す対応

 
 
お家ではゆっくり子どもが好きなことをして過ごしたり、睡眠をしっかりとれる工夫をします。
 
 
・おいしいものを一緒に食べる
 
・一緒に好きなビデオをみる
 
・できていることを褒めて肯定する
 
 
行きしぶりをしているときは普段より多く褒めたり、楽しく過ごすことや緩めの対応にしてお家で安心感を持たせることが大事です。
 
 
お母さんの常識では、学校を一度休ませてしまうと休みグセがついてしまう!学校に行くのが当たり前!学校を休んでゲームなんてもってのほか!給食だけ食べに行くなんてダメ!と、思うことがあるかもしれません。
 
 
ですが、心のエネルギーが満タンになれば、子どもは自分から動き出すのです。
 
 
 

 
 
まずは子どもの気持ちをそのまま受け止める、子どもに無理がかからないように必要があれば先生と連携する、子どもの元気が出るまではゆっくり休ませることが大切です。
 
 
行きしぶりをするお子さんに寄り添って、SOSのサインを見逃さず、早めに対応していってくださいね!
 
 
 
 
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執筆者:笹原みらい
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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