発達障害の幼児期に多い癇癪。女の子だと特性が分かりにくい事もあり、周囲から「わがまま」などの性格と誤解される行動となり、ママも辛いですよね。ママも注意するべきか、悩むかと思います。今回は、癇癪時の対応について見極めるポイントをお伝えします。
【目次】
1.発達障害の子の癇癪は、特性?それとも性格?
2.幼児期の女の子に多い癇癪を起こす理由とは?
3.なぜ、親が声掛けの対応を使い分けると良いのか?
4.子どもの「行動」を「分類」して対応しましょう!
1.発達障害の子の癇癪は、特性?それとも性格?
発達障害の幼児期に多い癇癪。
手を焼いているママも多いのではないでしょうか。
我が家にも、癇癪が強い3歳の女の子がおり、いつも悩まされていました。
朝の支度はいつもビクビク。
今日の癇癪スイッチは、おむつなのか、服なのか、靴なのか。
毎朝、保育園と仕事を、最悪は休む覚悟で、支度をしていたのを思い出します。
夜も時間に追われ、お風呂や歯磨きは、いつも時間がかかっていました。
外出先では、道端に倒れ込み、大声を出しての癇癪。
周りからの痛い視線…。
果たして、発達障害の子と言えど、これは特性なのか、性格なのか…?
一体、ママはどのように対応するのが正しいのでしょうか。
今回は、子どもの癇癪に対する、ママの取るべき行動についてご紹介したいと思います。
2.幼児期の女の子に多い癇癪を起こす理由とは?
発達障害の子の癇癪は、幼児期に特に多く見られます。
これは、幼児期の子どもが、まだまだ脳の発達が未熟であることが大前提にあります。
そもそも人間は、どのような脳のメカニズムで、人とコミュニケーションを図るのでしょう?
一般的に、相手と意思疎通を交わす時、
・情報のインプット⇒処理⇒アウトプット
の順番で、脳は処理されています。
ちなみに、「インプット」「処理」「アウトプット」は、具体的な脳の働きで言うと、代表的には下記のものがあります。
・インプット →聴覚・視覚
・処理 →記憶・理解・思考・感情
・アウトプット→発話・運動
発達障害の子は、この一連の流れのどこかに、発達の育ちが弱い部分が見られます。
そして、特に幼児期だと、発達が未熟なために意思疎通が上手く取れない事が多いのです。
例えば、
・インプットは少ないが、アウトプットは多い →人の話を聞けない子
・インプットは多いが、アウトプットは少ない →目立たない、大人しい子
のようなタイプの子などがいます。
インプットは多いが、アウトプットは少ない目立たなくて大人しいタイプは、女の子に見られる事がよくあります。
インプットは多いけれど、アウトプットは少ない目立たなくておとなしいタイプの場合、本人が困っている事に、大人が気付きにくいものです。
子どもは困りごとに上手く対応できない「不安や苛立ち」から、癇癪が起きやすくなります。
気持ちを言葉で上手く伝えられないため、ぐずる、物を投げる、大泣き、暴言で表現してしまうことにもなるのです。
これらの行動に対して、ママはどのような対応を取るのがベストなのでしょうか?
3.なぜ、親が声掛けの対応を使い分けると良いのか?
発達障害の幼児期に、ママが声掛けの対応を使い分けると、なぜ効果的なのでしょうか?
それは、「褒める」や「見守る」や「叱る」事を上手に使い分けることで、子ども自らの行動が増えて、脳の伸びをベストに持っていくことができるからです。
それから、発コミュには、それ以外にも効果的な声掛けの対応があります。
ぜひ活用してほしいので、声掛けの内容について、具体的に説明しますね。
まず、子どもが「イタズラ」や「ママを困らせる行動」をした時の、正しい対応は知っていますか?
実は、この場合、叱ると返って逆効果になります。
注意すると「ママに注目してもらえた」と感じ、もっとイタズラしてしまうからです。
その場合は、スルーの対応を取るのが、発コミュのルールです。ただスルーするのではなくて、好ましい行動をしたらすかさず肯定することが重要です。
子どもの安全が確保されている状況であれば、スルーして行動が落ち着き、好ましい行動ができそうか、様子を見ましょう。
それでは例えば、
・お風呂に入りたくなくてぐずる。
これは、どの対応になるでしょうか?
我が家の女の子の場合ですが、これは最初、私はスルーをしていました。
しかし、全く癇癪が治まらないため対応を変えました。
我が家の娘の場合は、褒めやスモールステップが効果的でした!
「今日は入りたくなかったんだね」
などの、気持ちや行動の肯定や、
「自分で服を脱げたんだね」
など、できている事の肯定の声掛けが効果を発揮しました!
実はこれ、子どもの癇癪の原因が「注目してほしい」のはなく、「お風呂に入る切り替えが上手くできない」だったんですね。
ですので、スルーの対応か肯定の声掛けか、どちらの声掛けで子どもが動くか、皆さんも試してみてくださいね。
4.子どもの「行動」を「分類」して対応しましょう!
発達障害の子の対応に迷った場合のポイントをご紹介します。
幼児期の女の子については、まず、「行動」を分類します。
分類の種類は、下記の4つになります。
① 好ましい行動
② まだできない行動
③ 好ましくない行動
④ 許しがたい行動
「好ましい行動」は、シンプルに「できた事」に分類します。
「まだできない行動」は、これから出来て欲しい事で「できていない事」に分類します。
「好ましくない行動」は、今後「減らして欲しい事」に分類します。
「許しがたい行動」は、「危険な行為」で人や物を傷つける事に分類します。
まず、①は真っ先に褒め・肯定ましょう。
②はスモールステップや肯定の声掛けが効果的です。
③は、発コミュルールに沿ったスルーの対応になります。
④は、危険行為なので叱るという事になります。とはいえ、叱り方にもルールがあります。
まずは①を徹底的に2週間から1ヶ月することで、④の「許しがたい行動」や③の「好ましくない行動」はぐんと減ってきますので、必ず①の「できた事」褒めから徹底的に行ってくださいね。
最初は難しいですが、何回か観察を繰り返す事で、子どもの行動の「クセ」が見えてくると思います。
そして、ママの声掛けが合って、子どもの様子が落ち着いたなら、ぜひ、自分にハナマルをあげましょうね!
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執筆者:さとうゆか
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)