実行機能とは「やり遂げる力」!幼児期からの子どもが生き抜く力を育むためのママの環境設定法とは?

 

将来、子どもがやり遂げたことをPRする時があります。そのやり遂げる力は直ぐに育つものではありませんが、小さい時からの積み重ねで身につく力でもあります。考えて行動する子どもへと育ちやり遂げる力を育む為に、今親ができることについてお伝えします!
 

【目次】

 

1.実行機能=「やり遂げる力」とは?

 
 
皆さんのお子さんはものごとを最後までやり遂げる力を持っていますか?
 
 
よく入学試験の面接や就職活動の面接の時などに自己PRの一つとして、「今まで一生懸命にやり遂げたことがあれば教えてください」などの質問をされたことがあると思います。
 
 
そんな経験を持っているママもいるのではないでしょうか?
 
 
社会では何かをやり遂げるために考え行動できる人を求めている傾向がありますね。
 
 
実はこのように目標を立てて行動していく力は元々誰もが持っている力なんです。
 
 
いやいや私にはそんな力はなかったわ…と思われるママもいるかもしれません。
 
 
人間にはものごとを遂行するために計画を立て、それを成し遂げるために自分の行動や思考・気持ちを整理したり調整する脳機能が備わっています。
 
 
もちろん、誰もが最初から当たり前にできるのではなく、徐々にできるようになるものです。
 
 
ものごとを遂行するための過程において、今すべきことを取捨選択したり、やるべきことを達成するために情報収集し、また時にはその情報をアップデートしながら進めて行きます。
 
 
 
 
また、予定外のことが起きた時には柔軟に対応できたり、気持ちの切り替えなども必要なります。
 
 
そのようなことがうまくできるようになり、最後まで活動をやり抜く力のことを「実行機能」と言います。
 
 
分かりやすくいうと「成し遂げる力」とも言えます。
 
 
例え、知能が高く運動神経が良かったとしても、この「やり遂げる力」が育っていないと、社会生活の中や集団の中ではとても生きにくく怒られることが増えてしまうのです。
 
 
子どもの発達テストでも、今どれくらい社会に適応する能力があるかどうかを重要視しているのは「やる遂げる力」がないと社会では生きにくいと思われているからです。
 
 
じゃあ、この力はどうやって育てることができるのでしょうか?
 
 
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2.日常生活の中でやり遂げる力は身につく!

 
 
実はこの実行機能「やり遂げる力」は日常生活で育てられるんです!
 
 
大きな目標を成し遂げるためだけに必要な力ではなく、日常生活をうまく送るために大切な力となるので幼い頃から意識していくと将来困る必要がありません。
 
 
例えば、掃除をしたり、着替えをしたり、料理をしたり、時間を守ったり、効率よく勉強したりするなど、このようなことをうまく行うために試行錯誤することで力は育てられます。
 
 
特に身の回りのことをすることに時間がかかるのんびりでマイペースなお子さんは、目標や目的を達成する途中に、違うことをやってしまったり、急ぐことができなかったり、ということが多くあります。
 
 
そのせいで、先回りをして指示ばかりされることが多くなってしまいます。
 
 
そうすると、自分で考える力は育ちませんし、やり抜くことはできません…。
 
 
そこでのんびりでマイペースなお子さんはママの言葉かけがとても重要になっていきます。
 
 
 
 
その時の子どもの状況に合わせて、ママが正しい言葉で正しい指示に変えてお子さんに伝えると、脳に言葉がうまく伝わるようになり、生活習慣が整うようになります。
 
 
つまり!ママが言わなくてもお子さんが自分から行動できるようになるのです。
 
 
そのためには子どもの状況を分析する目をお母さんには持って欲しいと思います。
 
 
次では、色々な場面での状況を分析する見方についてお話していきますね。
 
 
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3.環境を整え子どもの成功体験を増やす!

 
 
困りごとが起きた時に先ず注目して欲しいことは、その環境をどうやって整えるか?ということです。
 
 
環境を整えることで、ママも怒りたくないのに怒ってしまうということを未然に防ぐことができます。
 
 
では、困ったことが起きた時にどのように対応していくかを、2つの例を参考に説明していきますね。
 
 

◆ユーチューブなどのメディアの時間が長くなる時

 
 
集中力があるお子さんはなかなかやめられないことがあるかもしれません。
 
 
メディア時間を守るには実行機能の自己抑制が必要になってきます。
 
 
年中になると気持ちに折り合いをつけていく力が育ってくるので幼児期に育てていきたい力です。
 
 
そうすると、年齢と共に抑制する力もしっかりついていきメディア漬けにならなくてすみます。
 
 
どのようにメディアと付き合っていったらいいのかという説明をしながら、子どもの行動を促していきましょう。
 
 
・「メディア時間のベスト時間はこれぐらいだよ!それはなぜかというと〇〇〇」と理由を伝えましょう!
 
 
・「これが守れたらママと〇〇しよう!」と楽しみを用意しましょう!
 
 
ゲーム感覚で「これできたらすごいと思うんだけどやってみる?」とやる気を引き出す声かけでメディ以外のことを提案してみましょう!
 
 
 
 
その後に、メディア時間を取りましょう。
 
 
ここでポイント!
 
 
時間を把握する力がまだ弱いのでアラームを設定して音が鳴るようにしておきましょう。
 
 
音が鳴ると、脳の中で集中が途切れるのでその瞬間に
 
 
「どんなお話だった?」
 
 
「何が楽しかった?」
 
 
と聞きながらメディアから遠ざけていきましょう。
 
 
そして、気持ちの切り替えができたら、た〜くさん褒めてあげてましょう!
 
 
これによって、「ちゃんと守れた!」「我慢できたし直ぐにやめられた!」脳に記憶されていきます。
 
 
自己抑制ができても言われないと子どもは分からないのでママができたことを教えてあげましょう。
 
 

◆おやつを欲しがってご飯が進まない時

 
 
「ごはん、食べなくていい、おやつが食べたい」
 
 
「もっと食べたい!もっとちょうだい!」
 
 
とたくさん食べてごはんが入らないということはありませんか?
 
 
「おやつばっかりだめ!」
 
 
と怒りたくなるかもしれませんが、これでは実行機能が育ちません。
 
 
実行機能である自己抑制の力がまだ未熟なために、
 
 
 「嫌だ〜! 食べたい〜! なんで〜!」
 
 
癇癪になってしまうこともあります。
 
 
 
 
 
こんな時はこんなことをしてみませんか?
 
 
・今日食べるおやつの分だけを用意して、他のおやつは見えないところに置いておきましょう
 
 
・「今日のおやつは〇〇だよ」と1日のおやつの量を目で見て分かるように伝えていきましょう!
 
 
・おやつ隠しなどをして、おやつを探すというミッションを楽しみながら、食べる以外のところで満足感を与えるようにしてみましょう。
 
 
隠すだけで楽にでき親子で楽しめます。
 
 
おやつの量を守れたことを褒めてあげると、我慢ができたという成功体験を作ってあげることができます。
 
 
子どもは怒られなくていいことで怒られてしまったり、コミュニケーションがうまくいかないとどうしても反発的な態度になってしまいます。
 
 
ぜひ、コミュニケーションどうかな〜、どうやったら怒らなくて済むかなぁ~、と振り返ってみてくださいね。
 
 

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執筆者:中村裕子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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