発達障害・ADHDの特性を持ち、普通級で頑張る小学校1年生の男の子のママに、小学校生活を乗り切るおうちでの対応法についてお話をききました。ADHDの特性にあわせた「発コミュママ」のテクニックとはどのようなものなのでしょうか? |
【目次】
1.ほめのシャワーで安心感を充電。子どもを信じる子育てで、ADHDタイプの子どもの「できた!!」が自信につながる。
2.発達障害・ADHDタイプの衝動性が招くお友達トラブルを回避するための作戦とは?
3.まずはお母さんがどんと構えて!!小学校に向けて大切にしたい「お母さんのマインドチェンジ」
1.ほめのシャワーで安心感を充電。子どもを信じる子育てで、ADHDタイプの子どもの「できた!!」が自信につながる。
発達科学ラボの野本亜弥さんは、発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性を持つ小学校1年生の男の子のお母さん
息子さんの就学を控え、悩んでいらした頃に吉野加容子先生に出会い、発達科学コミュニケーション(発コミュ)を習得された、いわゆる「発コミュママ」です。
「発コミュ式」小学校入学対策として、野本さんが就学前・入学後にされた準備や、行きしぶり・学校でのトラブル対策についてのインタビューはこちら。
野本さんの実践された「発コミュ式小学校対策」の成果はどのようなものだったのでしょうか?
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――放課後、おうちでの様子はいかがですか?
「放課後は家で自分の好きなレゴや工作をして過ごしています。
帰宅後は精神的にかなり疲れている様子なので『ちゃんと帰ってこれたね』『プリント出せたね』と、とにかくほめのシャワーをガンガンに浴びせるようにしています。」
――宿題や明日の準備など、どのようにされていますか?スムーズにできるように、おうちで工夫していることなどあれば教えてください。
「宿題や準備は『夕飯前までにはやる』と言う約束を決めてあるので、自分で取り掛かり始めるまで放置しています。
どれだけ遅くても、嫌々でも『今からやる!』と言い始めたらほめ、すかさず場所を作る・道具を出してあげるなどして本人の『めんどくさい』を軽減するようにしています。
宿題も準備も、基本的にはつきっきりで声かけをしながら進めています。
準備をめんどくさがるときは無理やり自分で全部やらせようとせず、様子を見ながら手助けしています。」
おうちではお子さんのペースに合わせて対応を工夫していらっしゃる野本さん。次に実際に学校に通い始めて感じた課題についてお聞きしました。
――入学前には想定していなかったけど入学後に新たに出てきた悩みや、逆に、入学前は心配していたけれど入学後は心配するほどでもなかったな、ということはありますか?
「息子は不安が強いと言う特性もあるためか、違うクラスの友達に会いたいと言って、朝学校を通り過ぎて確認しに行ったり、帰りにその子のクラスまでいかないと気が済まなかったり、といったこだわりが出てしまったことが想定外でした。
朝は学校に沿った歩道までだったので、本人の安心を優先して好きにさせたところ、すぐに校門に入れるようになりました。
下校時は担任の先生から了承を得てお友達に会いにいけているので安心できているようです。
不安だった登校しぶりや宿題は、発コミュを習得しておいたおかげで大きなトラブルにならずに済んでいる感じです。」
◆ポイント解説
発達障害・グレーゾーンの子どもをお持ちのお母さんは、心配するあまり、子どもの生活にどんどん介入してしまうことも多いもの。
野本さんは、宿題のやり方や、お友達との関係へのこだわりなど、一見不適切に見えるお子さんの行動についても、不自然に介入しすぎず、本人のやりたい気持ち・自主性を信じて対応できている姿が印象的です。
野本さんとお子さんのエピソードからは、「子どもを信じて見守るという姿勢が子どもの成長につながる」ということが伝わってきますね。
更に、発達障害・ADHDの小学生に学校でありがちなお友達トラブルと、就学を控えたお母さんに必要なマインドチェンジについてお話をお聞きしています。
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2.発達障害・ADHDタイプの衝動性が招くお友達トラブルを回避するための作戦とは?
――今後の小学校生活で一番心配なことは何ですか?
「今後の一番の心配は、お友達とのコミュニケーションですね。今でも、衝動性からお友達トラブルになってしまうことがあるようです。」
――実際お友達とトラブルになってお子さんが悩んでしまった、というようなことがありましたか?
「息子は、よくも悪くも周りを気にしないタイプで、今のところ本人は悩むことはないようです。
本人に悪気はないんですが、幼稚園時代はお友達からよく苦情を受けたりもしましたね。
小学校に入ってからも、担任の先生から
『ついふざけてお友達を怒らせてしまうことがある』
『自分の仕事じゃないのに電気のスイッチを押してしまう』
など聞いており、『今後レッテルを貼られて自尊感情を損なう可能性がある』ことを私は懸念しているところです。」
――今後お子さんとお友達との間にトラブルがおこった場合、今のところ、こういう風に対応しようと思っていることはありますか?
「息子の場合は、空気は読めるしルールも理解しているんですが、ちょっとしたきっかけで変なテンションになってしまったり、衝動的に動いてしまったりすることが最大のネックなんです。
だから、『友達との関わり方』に焦点を当てて、私がどうコミュニケーションを工夫するか、今試行錯誤しているところです。
まずは母親と1対1でのコミュニケーションをしっかり取れればと思っています。」
◆ポイント解説
衝動性に伴うお友達とのトラブルは、発達障害・ADHDタイプの子どもではよく見られることです。
今はよくても、高学年になるにつれ、お友達とのトラブルがもたらす影響は大きくなるもの。
「学校でのとっさのできごとだから…」
「子ども同士のことだから…」と考え、特に対応をせず放置したり、
「子ども同士のコミュニティに入れて練習させなきゃ」と思うのではなく、
「コミュニケーションスキルを磨く」というトレーニングを、まずはお母さんとはじめてみるという野本さんのチャレンジはさすが発コミュママの視点ですね。
発達障害・グレーゾーンの子どもは、自分の感情を上手に表現したり伝えたりすることが苦手なことが多いもの。
お母さんが察して代弁してあげることで、少しずつ言葉と感情が一致してくるのです。
お母さんを相手にしたコミュニケーションであれば、間違えても怒られず、お子さんに成功体験を積ませることができるため、どんどんコミュニケーションを体験していくことができます。
この体験が、子どもを発達させてくれるのです。
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3.まずはお母さんがどんと構えて!!就学に向けて大切にしたい「お母さんのマインドチェンジ」
――今、年長さんのママに、就学についてアドバイスしたいことはありますか?
「学校生活がうまくいくための最大のポイントは、お母さんが『どんなことがあっても大丈夫!』と構えていられることだと思います。
小学校入学までに身につけておきたいことは子どもに自信をつけて、行動力を引き出してあげておくこと。
ここは発コミュを最大限に利用できるポイントだと思っています。」
――お母さんがどんと構えていること、これがポイントですね。今、野本さんがされた就学準備を振り返って、これはやっていてよかったな、と思うことはありますか?
「私自身が息子の行動を冷静に分析できるようになっていたことと、発コミュを通して息子のやる気を引き出すことができるようになったことです。
小学校は幼稚園以上に『自分で考えて行動する』ことが要求されるため、お母さんが子どもに合った対応を取れるようにしておくことはとても重要だと思います。」
――野本さんは、発コミュを実践してお子さんにうまく対応されているなと感じますが、入学前後でお子さんはどのように変わられましたか?お子さんの成長を感じたエピソードなどもあれば教えてください。
「小学校に入って『ちゃんと自分で考えて行動しているな』と感じることが増えましたね。
入学後、手洗いをきっちりするようになったので尋ねたら『学校の手洗い場に正しい洗い方が書いてあるんだよ』と教えてくれたり、
学校でのできごとについても、『今日はこれでうまくいかなかったから、次はこうしてみるね』と教えてくれたりと、成長してるじゃん!と感じています。」
――では、小学校生活について、最後に伝え残したことはありますか?
「入学前に、もう小学生なんだからあれもこれもできるように!と必死になるのは逆効果だと思います。
とにかく子どもの脳を育ててあげることに力を注いであげてほしいです。」
――野本さん、ありがとうございました!!
◆ポイント解説
発コミュを学び、子育てにうまく生かしている野本さん。
その回答から一貫して感じたのは、「お母さんが子どもをしっかり信じ切って、その上で対応されている」ということでした。
野本さんが子どもの様子や行動をよく観察し、まずはすぐに介入せず子どものすることを見守る。
その上で修正が必要な部分には、発コミュを利用した声かけを行うことで、子どもの自信を失わせずに「自分で考えて行動できたんだ」という達成感を感じさせることができています。
お母さんがどんと構えて「どんなことがあっても大丈夫!!」と思えるためには、子どもを信じることが不可欠。
お母さんの対応で子どもがうまくいく、という成功体験を、お母さん・子どもの双方が積み上げていくことで、しっかりと子どもの自信につながり、その繰り返しで親子ともに成長していく姿が印象的でした。
発達障害・グレーゾーンの子どもは、脳の一部の能力が未熟なため、叱られる・否定されるといった「しつけ」では行動を変えることができないという脳の特性を持ちます。
また、普段から叱られてばかりで自信がなくなっていることが多いのです。
発コミュでは、そんな子どもたちの脳を成長させることで困りごとが改善していきます。
脳はうれしいこと、わくわくすることに対してよく働きますので、発コミュで、子どもをほめ・肯定して、よい脳の活動を増やしていくと、その結果よくない行動が減っていきます。
つまり、お母さんとのコミュニケーションが、子どもの「脳を育てる」というわけなんです。
小学校のスタートでは、何と言っても子どもが安心して学校生活を送れるのが最優先!!
そのために、就学前から親子のコミュニケーションをよりよいものに変化させておくことが、子どもの脳を育て、やる気を引き出すカギになるのです。
親子のコミュニケーションを変えるには、発コミュを習得することも一つの方法。お母さんに自信がつくと、どんと構えるようになれますよね。
小学校入学を楽しむためにも、まずはお母さんのマインドチェンジから。先輩ママの声を参考に、何があっても大丈夫、と思えるように、しっかり就学準備を進めていきましょうね。
執筆者:森博子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)