普通級って決めているけど大丈夫かな?と不安なお母さんに届けたい就学準備とは?発達障害・ADHDの特性を持ち、普通級で頑張る小学校1年生の男の子のママにお話を聞きました。「発コミュ式」小学校入学対策とはどのようなものなのでしょうか? |
【目次】
1.就学相談は受けない。でも学校生活が心配!!そんな発達障害・ADHDタイプの子どもの入学準備は「発コミュ」でした。
2.小学校での「行きしぶり」は想定内!!子どものペースを何よりも大切にした行きしぶり対策法とは?
3.学校側の対応が今一つ…。でも、おうちでのポジティブな声かけで子どもにしっかり寄り添えるんです。
1.就学相談は受けない。でも学校生活が心配!!そんな発達障害・ADHDタイプの子どもの入学準備は「発コミュ」でした。
発達科学ラボの野本亜弥さんは、注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性を持つ小学校1年生の男の子のお母さん。
普通級(通常級・通常学級)への進学を決めていた息子さんの就学を控えて悩んでいた頃、吉野加容子先生に出会い、発達科学コミュニケーション(発コミュ)を習得された、いわゆる「発コミュママ」です。
今回、就学をひかえた発達障害・グレーゾーン年長さんのお母さんたちが、前向きに就学準備ができるヒントになればと、息子さんの入学準備や、入学後の様子を語ってくれました。
野本さんの「発コミュ式」小学校対策はどのようなものだったのでしょうか?
―小学校入学前に就学相談は受けられましたか?
「就学相談は受けませんでした。息子は行動が目立つ反面、本人の理解力には問題を感じなかったこと、運動会やお遊戯会などの行事は問題なくこなしていたため、支援級(特別支援学級)やサポートを受けるというのは何か違う気がしていたからです。
でも、だからこそどうすればいいのかわからず悩んでいたところで、吉野加容子先生に出会い個別相談を受けることにしました。」
―就学相談は受けられなかったとのことでしたが、小学校を見学にいく、先生にお子さんの特性を相談する、など、入学前に学校側との相談の機会をつくり、小学校の情報を集めたりなどはされましたか?
「幼稚園で入学予定の小学校に行く機会がありましたので、そこで小学校を体験できました。
ゲームをしたり、小学校で飼育している動物を見るなど楽しい体験を通して、息子は入学前に「小学校は楽しいところ」と言うポジティブなイメージを持てたようです。
小学校の情報は主に幼稚園の先輩ママから収集していました。入学前に教頭先生と面談し、子どもの特性と、お願いしたい対応をまとめたレポートを渡しました。」
◆ポイント解説
グレーゾーン(パステル)の子どもの場合、支援級などのサポートは必要なくても小学校での生活がどこか不安…というお母さんは多いはず。そんな野本さんがやった最大の就学準備が「発コミュ」でした。
さて、野本さんが実践した「発コミュ式小学校対策」の結果、入学後のお子さんの様子はどうなったのでしょうか?さらにお話を聞いてみました。
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2.小学校での「行きしぶり」は想定内!!子どものペースを何よりも大切にした行きしぶり対策法とは?
―小学校入学前に一番心配だったことは何ですか?また、入学した今はそれについてどう思いますか?
「毎日登校前にパニックを起こさないか、ちゃんと登校できるかが心配でした。
入学後は、疲れが溜まっていたり、調子が良くなかったりするときは『なかなか遊ぶのをやめられない』という形で『行きしぶりの前兆』が見られました。
でも、幼稚園時代に行きしぶりへの正しい対処法を学んでおいたおかげで、子どもの行きしぶりを悪化させずに毎日登校させられるようになったと思います。
我が家の行きしぶりへの対処は、とにかく、息子のペースに寄り添うこと。
幼稚園時代の息子の行きしぶりは、行きたくないとぐずるところから始まり『時間がないのに泣くのが止まらない!』とパニックを起こすパターンでした。
だから発コミュを習得した後は『幼稚園なんて遅刻しても大丈夫、しっかり落ち着いてから行けばいい。何時になってもいい』と安心させる対応をするようにして、幼稚園の先生にも遅刻については了承を得ていました。
今はパニックを起こすことはありませんが、こちらが時間を気にして急かすとパニックの原因になることが分かっているので、『落ち着いて登校できること』を優先しています。
時間に余裕を持って声かけをする、声かけからどれだけ時間が経っていてもトイレに向かったら『お、トイレに行くんだね!』など、とにかく否定的な言葉をかけないように気を付けています。」
―お子さんの調子がよくない場合に「行きしぶりの前兆」があるとのことですが、その頻度は変わってきましたか?
「『行きたくない!』とはっきり口に出したのは入学式の翌日だけでした。
その一方で、『登校前になかなか遊ぶのをやめられない』という、行きしぶりの前兆は、全くない週もあれば毎日ある週もある、といった感じで波がある気がします。6月以降は疲れが溜まってきたのか頻度が増えたかな。
でも、こちらが正しい対応をすれば最終的には笑顔で登校できる、と言うことが分かっているので頻度についてはあまり気にしていません。」
◆ポイント解説
小学校生活での悩みの上位に入る「行きしぶり」。野本さんの対応は、とにかく子どもさんの気持ちを優先したものでした。
まずはしっかりお子さんを観察して、行きしぶりのパターンを理解し、その上でお子さんの気持ちに寄り添う。
言葉で書くとたったこれだけの事ですが、それを実践するためにはお母さんの観察力と実行力が試されます。
このように、対応の流れをしっかり入学前に作っておくことが、入学後の行きしぶり対策になりそうですね。
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3.学校側の対応が今一つ…。でも、おうちでのポジティブな声かけで子どもにしっかり寄り添えるんです。
―入学してからのお子さんの様子について教えてください。うまく学校生活に慣れていけましたか?
「学校生活に慣れるために工夫したこととしては、朝玄関を出たら『ちゃんとお家出れたね!』、帰宅後は『今日も学校行けたね!』と、とにかく毎日学校に行けていることをたくさん褒めるようにしていて、これは今もずっと続けています。
息子はADHDの特性があるので、とにかく衝動性が強い、行動の切り替えが苦手なことが不安でした。
学校生活を送るうえで、行動が目立ってしまう場面が多いように思えます。でも、もともと好奇心が旺盛で学ぶことが大好きなため、授業や活動が楽しそうな様子です。
登校については、入学式の翌日は少しぐずったのですが、その後は普通に登校できています。
入学してしばらくは校門までついて行っていましたが、数日で、『ここまででいいよ』と言って途中から1人で行くようになりました。」
―登下校については心配なお母さんも多いと思います。登下校について工夫されていることはありますか?
「息子の場合は『途中までついてきてもらえばエンジンがかかる』という感じなので、息子の希望に合わせてついて行っています。
『今日は門までついてきて』と言う日もあるのですが、最終的には『やっぱりここでいい』と途中から一人で行きます。
下校の時も途中で待っていますが、予定があるときは1人で帰ってきてくれるので、『できないわけじゃないけど今はまだ不安もあるのかな』と思って見守っているところです。
今のところ、『なんとか1人で行かせないと!』とは思っておらず、息子のペースで少しずつできるようになればいいかなと思っています。」
―お子さんは行動面で目立つなどの特性があるとのことでしたが、どのように対応してこられましたか?
「息子は『理解はできているけど自分の欲求を優先してしまう』というタイプです。
普段の褒めに加えて、衝動性については我慢できたときにすかさずほめる・スキンシップ、行動の切り替えについては普段から次の行動に移れたときにほめ逃さないように気をつけています。」
―お子さんの特性については担任の先生へご相談などされておられますか?また、学校側からお子さんに対してサポートしてもらっていることなどあれば教えてください。
「先生には『こういう行動を改善したい時はこういう対応をしてほしい』と具体的に伝えるようにしています。
しかし、なかなかうまく対応していただけていないのが現状です…。連携の取り方を試行錯誤しているところです。
母親としては、子どもの話をよく聞いて、先生の不適切かも、と思われる対応については、『先生は〇〇くんがお話を聞きやすいようにそうしてくれたんだよ』とフォローを入れ、劣等感や先生へネガティブなイメージを持たないように気をつけています。」
―学校での様子を知ることが難しく、もやもやするお母さんもいらっしゃいますが、野本さんはどのように情報収集しておられますか?
「息子の場合はなんでも話してくれるので、普段の学校の様子については息子の話から情報を得ています。息子の話だけでは理解しきれない部分は先生に連絡帳で聞いています。」
ーーありがとうございました!!
◆ポイント解説
学校や家庭での生活に大きな不適応はないものの、小さな困りごとがある野本さんの息子さん。でも、それぞれにお母さんが丁寧に対応することで、子どもさんが大きく困ることなく学校生活を楽しめているようです。
学校側から思うような支援が受けられなくても、それを嘆かず、おうちでの対応でサポートしてあげる。
このように、子どもに寄り添う姿勢を貫くことで、子どもが安心基地であるおうちでゆっくり充電することができるということが分かりますね。
野本さんの発コミュ式小学校入学対策とは
①子どもに、学校に対してポジティブなイメージを作る。ネガティブなイメージを作って劣等感を感じさせない。
②子どものペースに寄り添い、否定的な言葉をかけない。
③とにかくほめる。ほめるタイミングを逃さない。
の3つでしたね。これらはすべて、親子のコミュニケーションが不可欠なんです。
発達科学コミュニケーションの講座では、お母さんの声かけを少し変えるだけで子どもがすっと動くようになる、親子のコミュニケーション術を学ぶことができます。 就学前に発コミュをマスターして、万全の気持ちで入学式を迎えませんか?
執筆者:森博子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)