発達障害の幼児が定着しない生活行動~子どもの意見を尊重して定着を導きませんか~

発達障害・グレーゾーンの幼児は日常の生活行動がなかなか定着しないことがあります。そんな時は少し視点を変え、やること全ての選択肢を与えて本人に選んでもらうのはどうですか?行動の遅い子どもが自分で選択し考えることで見通しがつき定着がしやすくなります。
 

【目次】

 

1.発達障害・グレーゾーンの幼児は日常の生活行動が定着しづらい。

 
 
お母さんなら誰しも、毎日、あれしなさい!これしなさい!と声をかけた経験があるかと思います。
 
 
お母さんが決めたことを素直に聞いて動いてくれたらどんなに楽かと思いますよね。
 
 
しかし、必ずしもそうとはかぎりません。ましてや、発達障害・グレーゾーンの子どもは毎日一筋縄ではいかない育児です。
 
 
子どもがもつ特性によっては、なかなかお母さんの声が届きにくく、行動につながらない子が多くいます。
 
 
それでなくても毎日やるべきことが沢山あるお母さんにとって、言ってもやらない、行動が遅いとなるとお母さんのイライラは増大してきますよね。
 
 
生活する上で大切な日常の生活行動。歯磨き、着替え、お風呂…
 
 
そんなとき、言っても行動につながらないなら、やるべき行動が見える絵カードを使ってみるのはいかがでしょうか?
 
 
我が子の生活行動が定着するまでに実践した方法をご紹介します。
 
 
 
 

2.絵カードを試すきっかけ

 
 
我が子は毎日行うルーティーンの行動がなかなか定着しませんでした。
 
 
歯磨きしなさい!着替えなさい!など、同じことを1年以上は言い続けたと思います。
 
 
言われてもやらない、かと言って自分からやるわけではない。やっとやり始めたかと思えば行動が遅く時間ばかりが経っていくという日々でした。
 
 
娘に対する疑問がどんどん大きくなり発達支援センターへ相談に行きました。そこでは1日の生活行動の流れがわかる絵カードを使用するという方法を教えてもらいました。
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもは規則的な行動が安心するという理由から決められた一日の決まった流れを絵カードにしたものが対応としてよく用いられます。
 
 
支援センターからの帰宅後、すぐに作成して子どもの目の届く場所に貼りました。 それから3ヶ月は1日の流れがわかる絵カードを用いて生活行動を促そうと努力しました。
 
 
しかし、我が子には全く効果ゼロ!促せるどころか、壁に貼った絵カードは風景となり全く気にもしなくなるという結果に。
 
 
我が子には合っていないんだと思い、違う方法を考え実践してみました。
 
 
 
 

3.行動を定着させるために我が子に試した2つの方法

 
 
やるべき生活行動が1日の流れで絵カードになったものでは全く効果が感じられなかった我が子に2つの方法を試しました。その方法をご紹介します。
 
 

◆➀1日の流れのわかる絵カードから選択制の絵カードに変更

 
 
やることと、終わったことの2つの枠を書いたホワイトボードに作り変えました。
 
 
やることを自分で選び、それを実行したら終わったことの枠に移すというシンプルな方法です。
 
 
 このシンプルステップが、のちのしっかりステップに変身しますよ!
 
 
初めは「どれからする?」とだけ子どもに声を掛けます。子どもが選択し、あとは行動を見守るだけ。
 
 
ここで大事なのは決める順番にお母さんが口は出さないということ!
 
 
終わっていないものが一目でわかるので、一つ終わって行動が止まってしまったとしても、大丈夫!
 
 
一緒にボードを見ながら「どれが終わってないかな?」とか、「次、どれにする?」と声をかけ次の行動を促します。
 
 
初めは細かな声掛けが必要かもしれませんが、子どもが徐々に慣れてきたら、時間の設定をするなど少しずつハードルを上げていくのもいいかもしれませんね。
 
 

◆➁動きの遅い子どもに時計を使用しての選択肢

 
 
これは少し急いでいる時も、余裕がある時のどちらも使えます。
 
 
子どもに「長い針がいくつになったらお風呂入る~?」とか、例えば、時計が15分の3に長い針があれば、「長い針が4か5のどっちで歯磨きする~?」というように聞きます。
 
 
必ず子どもに選択させてくださいね。
 
 
また慣れてきたら、子どもが選択した数字で「長い針が〇になったら、ママにおしえてね~!」と親子で会話しながら、ゲーム感覚で行うと楽しいかもしれませんね。
 
 
このように、やらなくてはならないことに変わりはないけれど、子どもの意見を尊重してあげることでスムーズに行動に移してくれるようになります。
 
 
 
 

4.お子さんが自分で決めて行動することで定着を促します。

 
 
絵カードを使用していても、子どもは選択するとき「何からするか」を必ず考えながら選んでいます。
 
 
そのときに考えている!ということが重要で、今後の行動に繋がってくるんです。
 
 
お母さんが口うるさく言うのではなく、子どもに考える余地を与えてあげてくださいね。
 
 
子どもが自分で考えて、毎日の生活行動を繰り返し行うことで、子ども自身が見通しを立てられるようになっていきます。
 
 
見通しが立てられるようになると、一連の行動を子ども自身が自分で行うようになります。
 
 
ずっと、○○しなさい!と言われ続けていた子どもが、自分の意見を尊重してもらえる。それは、子どもの自信にも繋がっていきますよね。
 
 
お母さんが温かく見守りながら、日常の生活行動を定着させるよう導いてあげてください。
 
 
我が子に行った対応が、あなたの解決のヒントになれば幸いです。
 
 
 
 
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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