発達障害で靴下を嫌がる子どもに試してほしいおススメの靴下

発達障害で感覚過敏のあるお子さんは、本人にしかわからない不快な感覚が理解してもらえず、わがままと思われてしまうことがあります。こんな時の対策と靴下を嫌がる我が子でもニコニコで履けるようになった靴下があったのでご紹介します。
 

【目次】

1.発達障害の子どものわがままは感覚過敏が原因かも
2.靴下が気持ち悪い、と話してくれた息子
3.感覚過敏は脳が原因
4.靴下を嫌がる子どもへの具体的な対策
◆嫌がることは強制しない
◆新しい靴下との出会い

 

1.発達障害の子どものわがままは感覚過敏が原因かも

 
 
発達障害や自閉症の子どもは、特性に感覚過敏を持ち合わせていることがあります。
 
 
例えば、皮膚感覚に過敏さを持っている子どもは、
 
 
・決めた服しか着ない
 
・レギンスならいいけど半ズボンは嫌がる
 
・靴下を履くのを嫌がる
 
 
などお子さんによって反応は様々です。
 
 
中には、半袖を嫌がり夏でも長袖を着たがる子、逆に長袖を嫌がり冬でも半袖を着たがる子もいます。
 
 
お母さんとしては「熱中症になっちゃう」「風邪をひいちゃう」と心配になってしまいますよね。
 
 
また、洋服の形は一緒なのに、一方は気に入って着るけど、もう一方は断固拒否ということもあります。
 
 
なんでなの?お母さんのため息が聞こえてきそうです。
 
 
 
 
感覚は本人しかわからないことなので、感覚過敏の生きづらさはなかなかわかってもらえないことが多いのです。
 
 
子どもにとっても、自分が感じる独特の感覚をうまく言葉にすることができず「とにかくこっちしかイヤ」としか表現できない。
 
 
その結果、周りにはわがままとか頑固だ、とネガティブに捉えられてしまう
 
 
自分の嫌な気持ちが伝わらないのは、辛いことですよね。
 
お母さんだって、どうしたらいいのか途方に暮れてしまうでしょう。
 
 
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2.靴下が気持ち悪い、と話してくれた息子

 
 
私もこの独特な皮膚感覚を持つ子どもに振り回された経験があります。
 
 
現在5歳の息子は自閉症の子どもです。
 
 
息子は朝、保育園に出発しようとする時に感覚過敏が発動しました。
 
 
靴下を何度も怒りながら履き直したり、履かせても気に入らなくて「ぎゃー!」と怒ったり。
 
 
 
 
ただでさえ忙しい朝、靴下のこだわりに時間を取られ私のイライラは増すばかり。
 
 
「早く履きなさい!」「これくらい大丈夫!」
 
 
と急かしますが、癇癪はエスカレートするばかり。
 
 
はじめはただのわがままだと捉えていましたが、何がイヤなのか聞いてみたところ、
 
「かかとが少しでもズレると気持ち悪い!」
 
「つま先の縫い目が当たると気持ち悪い!」
 
 
と、自分の感じたことを説明してくれました。
 
 
よくよく聞いてみると、靴下の中の縫い目が気になるようでした。
 
 
毎回、自分の思うピッタリの場所に靴下が沿わなければ、どうしようもないほど気持ち悪い、と家でも保育園でも癇癪を繰り返していました。
 
 
それまでは、日常に支障が出るほどの過敏さは出ていなかったのですが、保育園に入り毎日靴下を履くようになったことで、感覚過敏が顕著になったのかもしれません。
 
 

3.感覚過敏は脳が原因

 
 
ここで感覚過敏について知っておきましょう。
 
 
発達障害や自閉症の子どもは、五感の感覚(感じ方)が大人の私たちとは違うことが多く、感覚が敏感なことを感覚過敏、鈍感であることを感覚鈍磨と言います。
 
 
発達障害に関する書籍には、大抵どれにも感覚過敏について記載されています。
 
 
感覚過敏は、脳の該当するエリアが未発達で、刺激を正しく受け取れていない状態です。
 
 
反対に刺激に対して鈍感だったりします。
 
 
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4.靴下を嫌がる子どもへの具体的な対策

 

◆嫌がることは強制しない

 
感覚過敏への対応は「本人のつらさを理解する」というのが鉄則になります。
 
 
つまり、本人が嫌がるなら強制しないということ
 
 
子どもが心地よく感じるかどうか、不快なものは取り除き、心地いいものだけ残してあげてください。
 
 
 
感覚過敏の具体的な症状に気づくことができたなら、家だけでなく、園や学校にもお伝えして理解してもらうことが必要です。
 
 
なぜなら、感覚の過敏さが原因で日常的に辛い思いをすることが増えると、園や学校への行き渋りにつながることがあるからです。
 
 
まずはママがお子さんの感覚過敏の不快さを理解し、子どもが少しでも快適に過ごせること考える、ここから始めてみましょう。
 
 
 

◆新しい靴下との出会い

 
 
さて、我が家の息子の靴下対策ですが、息子にフィットした靴下をご紹介します。
 
 
値段は少しお高いけれど、シームレスの靴下を買うことにしたのです。
 
 
感覚過敏を直そう、無理やり履かせようとするのはやめました。
 
 
実は靴下が嫌になる前に、洋服のタグ(首の後ろに当たる部分)が嫌になる時期がありました。
 
 
洋服のタグ(首の後ろ)が気持ち悪いと騒ぎ出した時は、タグを切ったりインナーシャツで誤魔化したり、タグなしの服を選び、工夫をしていました。
 
 
このような対策で過敏さに対応できていたので、感覚過敏を大きな困りごとに捉えていなかったのです。
 
 
それなのに、靴下はどうにもその場の対応が無かったので困りました。
 
 
シームレスとは、継ぎ目のない、縫い目のない靴下。
 
 
お店だとなかなか見つけられないと思いますが、ネットならすぐに見つかります。
 
 
また、寒くない時期の3歳以降であれば、靴下を履かずにぱっと出掛けられる草履もおすすめです。
 
 
自閉症の息子は、シームレスの靴下にしたら、今まで癇癪を起こしていたのが嘘のようにニコニコで靴下を履けるようになりました。
 
 
草履も大好きで、上手に履きこなしています。
 
 
 
 
ただ、感覚過敏のある子のみんなに効果があるとは限りません。
 
 
シームレスのピタッとした感じが嫌だという子もいるようです。
 
 
店頭で手に取ったり試着ができるのであれば、一緒にお買い物に行って、たくさんの洋服に触らせてあげたり、気に入った洋服を試着させたりして、どんな感触がいいのか、一緒に探してあげるのがいいですね。
 
 
いま思うことは、私が無理矢理靴下を履かせようとし続けていたら、靴下そのものが嫌いになってしまっていたかもしれません。
 
 
最悪の場合、外に行くことも嫌になっていたかもしれないと思うと、たかが靴下、されど靴下です。
 
 
お子さんの言動から「もしかして感覚過敏?」と感じられることがあったら、どんな風に嫌なのか、感じ方をアウトプットさせてあげてください。
 
 
丁寧に話を聞きながら、まずはお子さんの感覚を理解して、不快感を取り除く工夫をしてあげてくださいね。
 
 
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執筆者:桜山 尚
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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