発達障害の子どもがシャンプーを極端に嫌がる!毎日の生活習慣なので、髪を洗わない日が続くと気になりますよね。今回はどうしてシャンプーを嫌がるのか解説しています。発達障害の特性と理由を知り、今すぐに試してほしいママの対応があります。
【目次】
1.髪の洗い方をガミガミ指導!お風呂時間が苦痛な過去
2.発達障害・グレーゾーンの子どもがシャンプーを嫌がる理由とは?
3.苦手なことには、否定ゼロ!肯定100%の対応がカギ
4.それでも前髪は洗えない。救世主となった道具をご紹介します!
1.髪の洗い方をガミガミ指導!お風呂時間が苦痛な過去
お風呂に入ったとき、極端にシャンプーを嫌がる子はいませんか?
髪や体を清潔に保つのは、毎日の生活習慣としてとても大切なこと。子どもにも当たり前にできるようになってほしいですよね。
わが家には発達障害・グレーゾーンの娘がいます。保育園のころは髪も体も毎日綺麗に洗うべき!と思っていたので、毎日泣かせながらでも洗っていました。
けれど、小学生になると自分で洗う!と言い出したので、私が手だしできなくなりとても困りました。
自分で洗うと言い張るのですが、前髪を濡らすことを嫌がるので、後ろ頭だけしか洗えていないのです!
ひどいときには3~4日に1回しか洗えない日々。
汗をかいた日、プールがあった日など、どうしても洗わせたいときは、しかめっ面で「今日こそ洗おうね!汚いんだから!」とガミガミ叱っていました。
子どものほうも「もう洗った!」と怒り出し、お風呂での親子ゲンカが絶えない毎日でした。
とうとう、頭のベタベタ感が気になりだし、子どもでもシャンプーしてくれる美容院を探し回って通ったこともあるほどです。
シャンプーを嫌がることに困っていたところ、どうしてこんなに嫌がるのか、ようやく知ることができました。
2.発達障害・グレーゾーンの子どもがシャンプーを嫌がる理由とは?
発達障害の子どもは感覚過敏をあわせもっている子が多いです。
感覚過敏とは、聴覚・視覚・触覚・嗅覚・味覚などが、とても敏感になっている状態のことです。
過敏さがどこにあるのかや程度など本当に様々で、その過敏さは本人にしかわからないものなのです。
特に、おしゃべりが苦手で自分の気持ちを伝えられない自閉症スペクトラムタイプの子どもは「嫌!」のひとことですべて表現してしまいます。
そうすると、ママもどうして嫌なのかがわからず、対策を立てられないことが多いのではないでしょうか。
顔に水がかかるのが嫌いなお子さんは多いと思いますが、ほかにも、こんな理由があります。
シャワーが肌にあたる感覚が苦手、もしくは痛みさえ感じる、頭を洗う時にシャワーの音が耳に響いて怖いなど。
娘は、私が弱いと感じる水圧でも、痛い!と言うことがあり、本当にびっくりしました。
ただのワガママや、ママを困らせたいと思っているわけではなかったのです。
発達の特性ゆえに、ママには想像できないような不快感を感じているからこそ、嫌がったり泣いたりするのですね。
3.苦手なことには、否定ゼロ!肯定100%の対応がカギ
では、どうすれば、感覚過敏の子どもがシャンプーを嫌がらずに髪を洗えるようになるのでしょうか。
まずは、できないところを注意したくなる気持ちをグッとこらえて、お風呂に入れたことを褒めます。
呼んだら来てくれたね、自分で服を脱げたね、など実況中継のように、今できていることをそのまま口にします。これは、子どもを肯定する声かけです。
そして、お風呂で否定の言葉や態度をゼロにするため、まずは子どものシャンプーのやり方をチェックしてガミガミ言うのをやめました。
後ろ頭だけでも洗えたら、頑張って洗ったね!きれいに洗えてるよ!と穏やかに肯定しました。
泡が残って気になるときは、褒めのサンドイッチで声掛けをします。
「上手上手(褒め)、ちょっとこの辺にもシャワーできるかな?(指示)、うん、いいね、いいね!(褒め)」こんな具合です。
子どもだって、ガミガミ言われながらよりも、褒められながらのほうが気分よく洗えますよね。
しっかり教えてあげなくちゃ!キレイに洗わなくちゃ!と思うと、ついガミガミ言ってしまうこともあると思います。
けれど、ニコニコ笑顔で褒めながら指示をする方法に変えてから、
「ママ、ここどう?洗えてる?」
と娘のほうから聞いてくれるようにもなりました。
そんなときも、まず、褒めてから洗い残しの場所を伝えて、またほめることを続けました。
お風呂は声が響くので、ぜひ優しい口調を心掛けてみてくださいね。
少しくらい洗い方が雑なのも、前髪は相変わらず洗えていないのも完全にスルーして、できていることを肯定し続けました。
少しずつシャンプーができるようになり、私も娘の特性を知ったことで、少しでも洗おうとしている様子が見られると、頑張っているんだと温かく見守れるようになっていきました。
4.それでも前髪は洗えない。救世主となった道具をご紹介します!
褒めて気分よくシャンプーができるようにはなったものの、前髪はぬらせず、後ろ頭しか洗えない日は続きました。
何かないかと探していたところ、介護用のシャンプーハットがあることを知りました。
赤ちゃん用は知っていましたが、サイズ調整が可能で大人から子どもまで使えるシャンプーハットがあるなんて、目から鱗の救世主グッズでした。
シャンプーハット=赤ちゃんというイメージがあったので、恥ずかしくない?と気にしていた娘ですが、きっぱりと「恥ずかしいことではない」と伝えました。
そして、「できなくて困っているなら、道具に頼ることは悪いことじゃないんだよ。」と言うと、今ではしっかりと髪を洗えるようになりました。
このシャンプーハットは、全く顔がぬれません。
目をあけていられるので、音に敏感な娘も洗っている間、安心感があるようでした。
シャワーの音が苦手で、目をつぶるのが怖い子にもピッタリです。
インターネットで介護用シャンプーハットと検索するといくつか出てきますよ。
髪を洗うことに抵抗感があるお子さんは、ぜひ好きな色のシャンプーハットを選んで、ワクワクしながら試してみてくださいね。
やすらぎのお風呂時間を過ごせる親子が増えますように。
毎日のどうして?困った…を解決するヒントが見つかります!
執筆者:作倉 帆香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)