新年度が始まり、お子さんの様子に変わりはありませんか?また、毎日登校できていますか?今回パステル総研では、発達障害・グレーゾーンのお子さんのいるママに登校しぶりについてアンケートにお答えいただきました!
【目次】
1.登校について心配や悩んだ経験があるママは76.7%!
新年度が始まり、新しいクラス、新しい先生とお子さんを取り巻く環境がガラっと変わりました。
お子さんの様子に変わりはありませんか?
今回パステル総研では、発達障害・グレーゾーンのお子さんをお持ちのママに登校しぶりについてのアンケートをとったところ、241名の方からご回答をいただきました。
お子さんの登校状況
「登校しぶりをしている」「不登校中」の方を合わせると57.1%となり、半数以上の方が現在もお子さんの登校に困りごとを抱えています。
また、「登校しぶりをしていた時期もあったが、今は登校しぶりはない」と回答した方を含めると、76.7%の方が子どもの登校しぶりに心配や悩んだ経験があることが分かりました。
以前は、登校しぶりや不登校は、恥ずかしい、特殊なことと感じている方も多かったと思いますが、今や決して珍しいことではなくなってきています。
発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、特に登校しぶりになるリスクが高く、登校しぶりや不登校の悩みはより身近なものとなっています。
お子さんが、いつ、どんなきっかけで「学校行きたくない」と言い始めてもおかしくない状況です。
また、「登校しぶりをしていた時期もあったが、今は登校しぶりはない」と回答した方も、新年度の環境の変化で、登校しぶりをぶり返してしまうこともあります。
ママとしては「やっとの思いでスムーズに登校できるようになったのに…」と余計に落胆や自分も責めてしまう気持ちが大きくなってしまいますよね。
お子さんが登校しぶりになったときに焦らないよう、今からお子さんに合った対応を知って、対策を始めることが大切です。
次に、お子さんの新年度の様子についてもお伺いしました。
お子さんの新年度の様子
「普段より頑張り過ぎている」、「不安そうにしている・緊張している・元気がない」と前年度と様子が違うと回答された方が43.8%いらっしゃいました。
環境の変化に適応することが苦手な発達障害・グレーゾーンのお子さまにとって新年度は、とても負担が大きいことが分かります。
学校に慣れてきた頃にゴールデンウィークがあり、頑張り過ぎているお子さまは疲れがたまり息切れしてしまったり、不安そうにしている・元気がないお子さまは学校へ行くのが怖くなってしまったりすることがあります。
これからの時期、いつも以上にお子さまの状態を観察し、家庭での関わりが重要となってきますね。
では、実際に登校しぶりに悩んでいるママにお子さんの状況や一番不安に感じていることを伺いしました。
2.登校しぶりは長期化の傾向。ママの心配ごと1位から5位
お子さんの登校しぶりの状況
「前年度よりずっと登校しぶりをしている」が46.2%と約半分の方が長引く登校しぶりに対応していていることが分かります。
一度登校しぶりが始まるとその状況はなかなか改善されず、長期化の傾向がありますね。
また、「登校しぶりをする日もあれば、スムーズに登校できる日もある」が44.1%でした。
スムーズに行けるというお子さんのなかには、行事、給食、授業の内容などによってはすんなり登校できる子もいます。一方で、「学校は行かないといけない」という気持ちから、本当は行きたくないけど、我慢している可能性もありますね。
まだ、新年度が始まって1週間ほどのアンケートでしたが、「新学年になってから登校しぶりをしている」が9.7%と約10人に1人が登校しぶりになっています。
環境の変化に敏感な発達障害・グレーゾーンのお子さんにとって、新しい環境になる新年度はとても負担が大きいことが分かります。
これらの結果から、登校しぶりを長引かせない対応と同時に、登校しぶりを予防する対応も同じくらい必要になってきます。
登校しぶりママの心配ごとランキング1位~5位
◆第1位 子どものメンタルが不安定になっていること 26.9%
子どものメンタルが不安定になっていることを心配だと考えるママが26.9%と、最も多く回答がありました。
子どもが荒れて暴力的になったり、
わがままを言うようになったり、
腹痛や頭痛など身体の不調が出てきたり、
メンタルが不安定になったり。
そんなお子さんにどのように接したらいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
子どもに元気がなく、笑顔が少なくなると、ママもとても心配になりますよね。
◆第2位 いつになったら元気に登校できるのか、先が見えないこと 21.5%
理由も分からず「学校に行きたくない」と言われるのは、親としてもストレスですよね。
登校しぶりがいつまで続くのか?どうしたら登校しぶりがなく学校へ通うことができるのか?原因が分からないので解決策も見つからないという現状に不安になっているママが多いことが分かります。
また、遅刻の連絡、早退のお迎え、付き添い登校など、負担も大きく、早くこの状況を何とかしたいと感じているママも多いのではないでしょうか。
◆第3位 休ませるべきか、登校させるべきかの判断 15.1%
休みたいと言ったらすぐに休ませたほうがいいのか?もしくは、励まして何度か聞いてダメなら休ませるのか?
背中を押したら登校できるのか、背中を押すことで無理をさせて余計に悪化してしまうのか?
毎日のお子さまの様子を観察しながら判断するのは難しいところですよね。
◆第4位 不登校になるのでは?という不安 8.6%
子どもの言われるままにお休みや遅刻・早退をしていると、不登校になってしまうのではないか?と不安を抱えているママも8.6%いらっしゃいました。
不登校になってしまったら、子どもが昼夜逆転の生活になってしまうのではないか?お仕事をしているママならお仕事を続けられるのか?など、ますます心配事が増えていくことに不安がありますよね。
不登校に発展する前に何とか登校しぶりを解決したいと考えるママも多いのではないでしょうか。
◆第5位 登校しぶりのないきょうだいとの兼ね合い 6.5%
登校しぶりをしているきょうだいとスムーズに登校しているきょうだいとの兼ね合いを心配しているママが6.5%でした。
お休みして家でゲームをしたりYouTubeを見たり、家で好きなことをして過ごしていることに対して、スムーズに登校しているきょうだいは、ズルいと感じてしまうこともありますよね。
登校できているきょうだいも登校しぶりになるのではないかという不安もあり、登校しぶりをしている子どもと、スムーズに登校している子どもの両方にどう対応したらいいのか悩みを抱えるママも多いことが分かります。
その他の心配ごとは以下の通りでした。
・登校するべきかどうかについて、家族間で意見が異なること 5.4%
・(欠席・遅刻・早退した場合の)学習の遅れ 4.3%
等の心配もありました。
子どもの登校しぶりに悩んでいるママにとって、家族からの理解が得られないのは余計に辛いことです。
また、学習が遅れることで、登校しても勉強についていけず、さらに登校しぶりが悪化してしまうことを心配されているママもいらっしゃいます。
少数ですが、「大人になってどうなるか」「活動量が低下する」と回答した方もいました。
登校しぶりが長期化していくなかで、ママの不安も心配もだんだん深刻になってきます。
3.対応しても状況が変わらない、悪化している方が73.6%
実際に登校しぶりをしているお子さんに対し、ママはどんな対応をしているのでしょうか。
登校しぶりへの対応
「(休む、付き添い登校、遅刻・早退など)子どもの要望を聞いている」という方が24.5%と、お子さんの気持ちに寄り添って対応していることが分かります。
また、付き添い登校、遅刻・早退などお子さんができるだけ登校できるようにサポートしており、少しでもいいから学校に行ってほしいと願っているママが多いですね。
次に多いのは、19.2%の「会話やスキンシップを増やしている」と回答している方です。メンタルが不安定になっているお子さんがお家の中で楽しくリラックスして過ごせるように心がけているママが多いようです。
そして、「お子さんとどうして学校に行きたくないのか話し合っている」が16.1%、「学校に相談している」が14.6%と、学校に行けない理由を探し、改善できるように働きかけているママも多くいることが分かります。
また、「励まして学校に連れて行く」と「叱って学校に連れて行く」の2つに回答した方や、5.0%の方が「どう接したらいいのか分からず気を遣って生活している」と回答しています。
このことからも、ママが登校しぶりのお子さんへの対応に困って試行錯誤している様子がよく分かります。
様々な対応をしているなかで、お子さんの状況が改善されているのか伺いしました。
登校しぶりの改善状況
改善されない、悪化していると答えた方が73.6%もいました。
ほとんどのママが、子どもに寄り添ったり、ネット検索で解決策を探したり、子どもに学校に行けない理由を聞いてあれこれ試したり、いろいろ対応をしていますが、登校しぶりが改善していないということが分かりました。
対応しても効果がないとママもどんどん落ち込んできてしまいますよね。
登校しぶりが長引くことで、家族間での意見の違いに家の雰囲気が悪くなったり、子どもの言動に振り回されてママ自身もメンタルが不安定になったりします。
こうなると、ますます悪循環で、登校しぶりもなかなか解決しなくなってきてしまいますね。
4.登校しぶりを解決したママの対応法、大公開!ポイントはお家での対応
「登校しぶりをしていた時期もあったが、今は登校しぶりはない」と回答した方に登校しぶりをしなくなったきっかけを伺いました。
その結果、「たくさん褒めて自信をつけた」「スキンシップを増やした」「子どもの話しを聞くようにした」の3つに多くの回答がありました。
やはり、登校しぶり解決のカギはお家での対応ということが分かります。
具体的には、
✓他の子よりできないことが多く自信がない様子だったが、ゲームの話しに付き合ったり、たくさん褒めたりするようにしたら学校に行くのが苦ではなくなった。
✓寝る前に手をつないで寝るようにした。
✓大げさなくらい褒めたり、何かできたらご褒美を用意していた。
✓一緒に美味しいものを食べたり、遊んだりする時間を増やした。
登校しぶりにはお家でのママの対応がとても大切です。
先ほどの登校しぶりが改善されない、悪化しているとお答えいただいたママも子どもの気持ちに寄り添い、お家でリラックスできるように対応しているとお答えいただきました。
対応していても効果がないのは、子どもに合った対応ができていないからかもしれません。
早く登校しぶりを解決するためにも、ママが効果的な対応方法を知ることが重要です。
パステル総研では、近日中に、今すぐできる登校しぶりの解決ヒントがつまった小冊子をお届けします!
お家でできるお子さまに合った対応を知り、登校しぶりを早期に解決するためにも、ぜひ小冊子をご活用ください。
また、今は登校しぶりがないと回答された方も、発達障害・グレーゾーンのお子さまは、いつ登校しぶりが始まるか分かりません。そのときに、対応に迷わなくてもいいようにお家での関わりを再度見直す機会にしませんか。
小冊子を活用することで、登校しぶりをママが解決できるようになりますよ!!
アンケートの概要
○調査期間:2024年4月12日から4月15日 (4日間)
○調査方法:インターネット調査
〇回答者数と内訳:241名
〇お子さんの性別
〇お子さんの発達タイプ
〇お子さんの学年
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執筆者:中井優
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)