言葉の発達がゆっくりな難聴児が「おいしい」と言えた!ジェスチャーの活用法

 

聞こえに問題がある難聴児の言葉の発達。なかなか話さない、言葉が出ないそんなお悩みを持つママへ。今回は難聴児の言葉が出るまでのステップとママが言葉のアウトプットをしてあげることで言葉が増えたわが家の成功体験をご紹介します。
 

【目次】

 
 

1.言葉の発達ゆっくりな難聴児と不安しかない日常

 
 
幼児期の難聴キッズのお母さんたちは毎日の生活の中で、子どもが言葉をうまく話せないと心配や不安を感じることが多いと思います。
 
 
・言葉でのコミュニケーションが取れるようになるのか
 
・わが子と言葉で会話を楽しめるようになるのか
 
・発声が不明瞭で将来、本人が困るんではないか
 
 
私も悩んでいたうちの一人でした。
 
 
 
 
難聴傾向の軽度知的障害、自閉症の息子は3歳2ヶ月時点で出ていた発語は「あ」のみ。
 
 
なかなか発声の種類も増えずに癇癪がひどくなる日々に頭を抱えていた頃、難聴の可能性を指摘されました。
 
 
息子の難聴が発覚した時の耳鼻科の先生からは、
 
「一般的には言葉を話し始める2歳頃までに耳から聞こえる”音”の形をどれだけ正しくインプットしているかで今後の言葉の発達に影響が出てくる」
 
と言われて焦る気持ちが高まりました。
 
 
難聴と発達凸凹を併せ持つ息子とどうやってコミュニケーションをとっていくべきなのか?
 
 
正解がわからずにモヤモヤしていました。
 
 
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2.難聴児のジェスチャーが出たらチャンス!

 
 
健聴者の親が聴覚障害を持つお子さんとのコミュニケーションで真っ先に頭によぎるのが、”手話”を覚えるべきかどうか。
 
 
私たち家族も話し合いが出ましたが、手話を習得させようとしても先ず私たちが覚えるのに時間をとってしまう。
 
 
息子に手話を覚えさせようにも教え方が分からないという課題が出てきました。
 
 
そんな悩みの解決策を探していたところ、ある日、息子がジェスチャーで「おいしい」とほっぺに手を当てて表現したとき、私にとって大きな転機となりました。
 
 
 
 
言葉が出てこないからといって、気持ちや意思を伝えることができないわけではありません。
 
 
手話を教えることが難しい場合でも、ジェスチャーは難聴児にとって言葉の代わりに意思を伝える大切な手段です。
 
 
それ以降、息子が「おいしい」という表情や仕草を見せたとき、私はそれを見逃さないようにしました。
 
 
ジェスチャーは、言葉の発達のステップの一部として捉えることができます。
 
 
言葉がまだうまく出ない子どもにとって、ジェスチャーや表情は大切なコミュニケーション手段です。
 
 
癇癪でしか気持ちを表現することしかできずに辛そうにしていた息子もジェスチャーでより多くのコミュニケーションの幅を広げることで、「伝わった!」と成功体験を積むことができました。
 
 
そしてなんと、1か月ほどで癇癪が激減していったんです!
 
 
お子さんが何かを伝えようとするジェスチャーを見せたら、その瞬間をチャンスと捉えましょう!
 
 
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3.ママが子どもの翻訳家!言葉のアウトプットをしてあげよう!

 
 
ジェスチャーを見逃さないことが大切だと気づいた私は、息子の「翻訳家」になることを心がけました。
 
 
例えば、息子が食事のときに「おいしい」と感じたことをジェスチャーで伝えたとき、私はすかさず「おいしいね!おいし〜い!」と言葉に出して伝えました。
 
 
子どもは自分の気持ちや感情を言葉で表現するのが難しいことが多いですが、ママがその感情を言葉にしてあげることで、子どもはその言葉を学びます。
 
 
日常の中で繰り返し言葉をアウトプットすることが、言葉の発達を助ける大きな一歩となります。
 
 

さらに、絵本の読み聞かせや歌、手遊びなどを取り入れることで、楽しく言葉を学ぶ環境を作りました。

 
 
絵本を読むときは、絵を指さしながら「これは犬だよ、ワンワンだね」と具体的に言葉を添えていきます。
 
 
息子が興味を持つものを中心に、無理なく楽しく学べるように工夫しました。
 
 
そして、何よりも大切なのは、ママもお子さんと楽しみながら繰り返し続けることです。
 
 
すぐに成果が見えなくても、焦らずに続けることで少しずつ成長が見えてきます。
 
 
 
 
息子が初めて「おいし〜」とジェスチャーと言葉のセットで言えた瞬間、今までの努力が報われた気持ちでいっぱいになりました。
 
 
言葉の発達がゆっくりな難聴児のお子さんを持つお母さんにとって、毎日は挑戦の連続です。
 
 
しかし、子どもの小さな成長を見逃さず、それを言葉にしてあげることで、少しずつですが確実に進歩していきます。
 
 
お子さんのペースに合わせて、楽しみながら言葉の学びをサポートしてあげましょう。
 
 
 
 
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執筆者:酒田 ありな
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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